愛されたいと願う夜

SUI

22:00

君はいつもこの時間に来る。

きっと私たちの関係は周りから見たらバカだと思われるだろう。

他者が「そんな恋愛やめなよ」という恋愛ほどろくなものはない。

でも、そんな恋愛ほど深く深くハマってしまう。

タバコやゲームと同じ。

ばれてしまうかもしれないスリル。

そのとき限りの甘い言葉。

自分ではいつでも君なんか突き放せると思ってる。

でももう後戻りは出来ない。

君がいなくなる。そんな想像したくもない。


あなたは私に偽りの愛と少しの幸福感を与えてくれる。

中身のないカラカラに乾ききった

「愛してるよ」

あなたはそう言い残して部屋を出る。

ドアを開ける左手の薬指には私との物ではない指輪がついてる。

ドアが閉まると同時に涙が出た。

私のものにはならない。

そう理解しているつもりでいる。

他の誰かを、私だけを愛してくれる人を好きになれたらどれだけ幸せだろう。


そう考えながら私はあなたが来るのを待ってしまう。






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