第4話 勇者と英雄と香織の関係?
クラスのみんながダブルビックリしてる時に、太郎が香織に勇者の事との関係について聞こうとしている。
太郎にとって今この世界の滅亡の話しより、香織からの詳しい話しが聞きたい。
まるで、好きな女の子を前に告白をして、その返事を待ってるみたいに(しかし、太郎はこの感情を知らない。)心臓がバクバクしている。
「太郎……実はね……」
まだハッキリと答えてくれない。でも太郎はギリギリ気持ちを押さえて香織からの話しを待っている。
香織に無理矢理聞き出す事は、太郎には出来ない事情がある。その事情とはまたいずれの話。
「……あのね。太郎を裏切ったり怒らせる事はなにもしてないけど。」
太郎はかなりホッとした。でもなぜ香織と勇者が……
「でもね、言えない。話せない。」
太郎はもちろん、杉本先生の話しやクラスメイト達も、みんなもビックリより仰天してる。
二人は相思相愛で(この言葉は古い?)幼なじみで婚約者だからだ。
これはクラスメイトはもちろん教師の間どころか学校中のみんなが知ってる事(二人とも有名人だから)。
だから今の香織の発言に太郎はもちろん、この場にいるみんなが驚くのも無理はない。
太郎と香織は幼なじみで、親公認の仲。なのでそこまで大きい隠し事があるとは思わなかったのだ。
「ガッシャーーン」
太郎が右手に持っていた黒い剣を床に落とした。
その時、黒くなっていた剣から禍々しい黒い霧が太郎に向かって伸びていく。
これは、太郎の力と太郎の嫉妬や憎しみが混じりあって剣に乗り移っていたのだ。
その為剣が黒くなっていた。しかし太郎が剣を手放した時、行き場を無くしたその黒く禍々しい黒い霧は太郎の中に戻ろうとしていた。
杉本先生が(本名スーギー・モットー)あわてて太郎の元に走り出す。
剣から伸びてくる黒い霧が太郎の右手に近づいてくるからだ。
勢い良く走り出した杉本先生に生徒達がビックリする。
このクラスの生徒達はこの短時間で10年は年を取ったと思うぐらい先ほどからビックリして言葉も出せない。
杉本先生がすぐさま床に落ちている黒い剣を上着の内側に隠す様にしまう。
それを杉本先生はどこにしまったんだろう?
杉本先生は少しホッとしていた。
太郎達は何をしているのかがわからなかった。
しかし、実際は間一髪だった。でもこの気持ちを感じたのは杉本先生だけである。
もし、あのまま太郎に黒い霧が戻ってしまったら、どうなっていたか分からないからだ。それぐらいにヤバかったのだろう。
しかし太郎はそれどころではない。
香織には、まだ聞きたい事がいっぱいあったからだ。
でも、杉本先生が太郎に「少し落ち着いて私の話しを聞いて下さい。」
太郎は先生の方に振り返り「先生はあの二人を知ってるのですね。」
「知っています。ですから私の話しを聞いて下さい。」
勇者と英雄のせいで、話しが全然進まない。
杉本先生は心の中でふと思った。
「では、あの二人の事教えて下さい。」太郎が言うと、
杉本先生は頷いて、
「では、みなさんも冷静に聞いて下さい。」
杉本先生が話ながら少し高い場所に戻っていく。
「では、話の続きをします。まず今この世界は先ほど現れた二人、勇者と英雄によって滅びる事です。」
(((((やっぱり理解出来ない。)))))
それはそうだ。普通勇者や英雄などと言う名前は、逆に世界を滅亡から救ったり、世界を守る者のが常識。少なくとも日本の常識では。
杉本先生が言ってる事が理解出来ない。ここで忘れ去られたイケメン事立花が先生に質問する。(みんなが、コイツしつこい。先生の話しが終わるまで質問はしないのに、空気読め!)
クラスのみんなが立花にジト目をする。
太郎は香織の方見ている。香織は顔を下にしたままだ。
「先生……」立花が質問しようとしたら先生が「質問は話しの後にして下さい。と先ほどから何回も言いましたよね、立花くん。」
(立花ってバカだったっけ?)
みんなが今日初めて知った瞬間だった。
「先ほど現れた二人、勇者と英雄は恋人同士でした。」
(勇者と英雄って付き合えるだ。)
クラスのみんなが次々衝撃を受ける。
余計に意味がわからない。
「でも、別れてしまいました。」
(もう、帰りたい。)
太郎と香織以外はみんな思った。
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