世界が突然俺を変える(改訂版)
アドリブコージ
第1話 今いる世界が変わる
毎日朝がくるたびに憂鬱になる。
でも否応なしに朝ってやつは必ずやってくる。
(もう学校は辞めるか………とはいかないか。)
そう、僕にとって学校とは拷問と変わりがない。そんな僕は、何処にでもある話で、イジメにかつあげ、理不尽な暴力を振るわれる。(しかし、全国に知れた有名校である。そんな学校でも、嫉妬や妬みから、弱そうに見える僕が狙われやすい。)
本当は、あんな奴等はハッキリ言って僕の相手にはならない。
しかし相手にケガを負わせた時に、椿家の長男としてかなりマズイ事になる。
なのでやむ得ずこんな仕打ちを黙って受けている。
椿家………そう、世界に名だたる超大手企業の跡取り。それが僕、椿太郎。
それからもう一ついじめられる理由がある。僕の婚約者の存在だ。
僕の婚約者、名前は三ヵ日香織。僕の幼なじみで親同士で決めた婚約者だ。その彼女は、ハッキリ言って学校一の美人だ。これは贔屓目ではなく、芸能事務所からもひっきりなしスカウトされるし、美少女コンテストなんかにでも出たら、必ず優勝するぐらいの美少女だ。
そんな彼女はやはり僕と同じで某有名企業の会長の娘だ。
優しくて、スタイルはよく、頭もいい。僕と違って友達も沢山いる。
僕は彼女には相応しくないほど、顔は普通。スタイルも普通。(一応家の事情で色々な武道で鍛えているので、服の下は細マッチョ。)。
それから、友達はほぼいない。何でかわからないが、友達がなぜか出来ない。逆に恨まれているくらいだ。
いじめによるケガ等は、親や先生、彼女にはバレないような陰湿ないじめが繰り返される。
それでも毎朝メイドの田中さんに耳元で少し色っぽく「おはようございます。太郎様」と起こしにくる。
美人でメガネをかけて、おまけに胸もデカい。
思春期の男に朝からは止めて欲しい。
さっさと支度してリビングに。
(メイドの田中さは美人だし、スタイルもいい。でもなぜかあの声には勝てない!もしかしたら、声だけなら世界一かも?とか思うほど声がキレイでいて怖い。)
そんな僕は、小さい頃からピアノ、そろばん、家庭教師付きの個人勉強、合気道、剣道、護身術、礼儀作法など色々習わされた。
これは、当然自分に何かあった時の為であり、自分から進んでやってる訳ではないのだけど……
朝食を済ませバックを持ち出し、いつもの通り玄関前に。
大きめのセダンの車が僕の前にとまる。後部座席のドアをメイドの田中さんが開け、そしていつも通り後部座席へすわり、そのあと田中さんが座りドアを閉めて、運転手に一言「お願いします。」そしと今日も車で学校の前まで送ってもらう。
僕の通っている高校は、いわゆる金持ちや頭のいい人が通う小学生から大学まである伝統ある一貫学校だ。
これを聞いて分かる人は分かる。
仮に小学生から入学した場合、そのままエスカレーター式に大学まで同じ生徒であまり代わり映えしないと言う事。(可能性が高いだけで絶対ではない。)
ただ途中、中学や高校や大学で中途入学もあるけど、学校の格式や偏差値など両方合わせると、あえてこの学校に入ると、あとで色々大変だと思う。
「はぁ~、もう学校か。」
「太郎様、いってらっしゃいませ。帰りは必ず連絡を下さい。」
メイドの田中さんがお辞儀をしながら言う。
「行きたくないけど、いってきます。」
そう言うと、僕の姿が見えなくなるまでそのままお辞儀している。
(いつも思うけど、そこまでしなくてもいいって言ってるのだけど。)
そして、教室へと足を向けて歩いていく。
その時、後ろから肩を叩きながら「おはよう!」と挨拶してくる女の子が……
「太郎、今日も元気ないね?」
「香織か。あ~、おはよう。」
今挨拶してきたのは、幼なじみで婚約者の三ヶ日香織。
今日も眩しいぼど輝いていて、大人になればなるほど綺麗になっていく。
学校内はもちろん。外を歩けばスカウトやらナンパやら大変で、おちおち買い物や友達と遊びに行けないそうだ。
では、なんでそんな娘が僕の婚約者なのか?
話しは簡単で親同士が決めたことだから、どうしようもない。て事はなく一応僕達もみんなに公表している訳ではないが、付き合ってはいる。
親同士がすごく仲が良く半分ジョーク、半分本気みたいなかんじで香織とは、一応婚約者って事になってるのはいいけど、お陰で香織が見ていない所で、暴力やかつあげ、男子からならまだ分かるけど、女子までに同じような事をされるのは、少し理不尽さを覚える。
女子からの嫌がらせはなんなんだろう?
やっぱり香織の事かな?
日本全国でいじめ等を受けてるひとが聞いている人がいたら、すごく申し訳ないと思う。
少し話しがそれてしまったので、話しを戻す。
横に一緒歩く香織がいる。
僕は香織に昨日の宿題が多過ぎて大変だったと愚痴をこぼした。
「太郎なら余裕だよね?家で一緒にやればよかった。」
「いや、そんな事ないよ。僕だって結構大変だったよ。」
「えっ?太郎でも?あの先生やっぱりおかしいよね。」
「数学の杉本先生の事?なんかあるの?」
「あの先生、いきなり1学期途中から来て、しかも担任にまでなった人だよ?おかしいと思わない?」
「う~ん、何とも言えないけど、雰囲気が他の先生とは少し違うって所かな?」
下駄箱で上履きに履き替えて教室に。
教室の扉を開けたら、男子や女子が香織に朝の挨拶をしながら、香織に方に集まってくる。
そして僕は空気の様に無視される。いつもの光景だ。
僕は自分の机に向かい、カバンを机の脇に掛けイスを引いて座ろうとすると、イスには画ビョウがビッシリ両面テープで引き詰められていた。
(またか……)
そう思いながら香織にバレないように、必死に画ビョウと両面テープを剥がす。
教室の後ろでゲラゲラ笑ってる5人のクラスメイト。
イスが座れるようになった時に、噂の担任の杉本先生がやってきた。
そして、今日の日直が声をだす。
「起立。おはようございます。着席。」
そして先生が挨拶をする。「おはようございます。これから出欠をとります。」
先生が教室を見回して何かを確認をしているような感じにみえた。
本来なら、ここで出席番号順に名前を呼ぶのだが、いつもとあきらかに違う様子に、生徒たちが「?????」状態。
先生が小声で、しかもかなりの早口で何かを言っている。
その瞬間に先生がいきなり手を上げて、目をあけてられない程の眩光に教室全体が包み込まれた。
なにも出来なかった。いや、するひまもなかった。
仮に何か出来たとしても、何をすればいいのか分からない。
いつまでこの状態が続くのか、それからすぐに思った。香織は大丈夫なのか?段々じっとしてられなくなったその時にやっと眩しい光がおさまってきた。
それでもまだ目を開けるのがツラい。
それでも、香織が心配で香織が居そうな場所へ動こうとするが、体が全く動かない。
さっきの光といい、動けない体といい、太郎は伴半分パニクってる。
確かに、こんな状態は常識から逸脱している。
いや、こんな事アニメやマンガの世界だけなはず。普通の人はパニックになるのは当然だ。
しかし、太郎は小さいころから心身共に鍛えらてるせいか、頭をフル回転し状況把握に努めてた。
香織は無事か?あの先生がこの状況を作ったのは間違いない。どうする?
自問自答を繰り返す。
その時、体が動くようになり、光も消え、目もハッキリ見えるようになった。
すぐに香織を探し、驚いた顔をした香織を見つけて安心するが、すぐに先生を確認する。
そして驚いた。
「あれ、先生だよな?」
生徒の誰かが呟いた。先生が、いわゆる中世時代に出てきそうな神官みたいな服装をして、周りの風景が一変していた。
「ここはどこ?先生はだれ?」
教室にいた生徒は一応に口にだした。
太郎はそれ以外の異変に気がつく。
(半分ぐらい生徒がいない……)
そこで。神官のような姿をした先生が話し出す。
「ようこそ、わが国アーゼストへ。君たちは突然で動揺したり、なかばパニックなってる子もいると思うが、今から詳しい説明をするので、質問などはそのあとにして欲しい。」
(先生がそう言った。)
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