復讐

翌朝、俺は森の中で一晩明かした。


「さて、行くか。」


俺は千里眼を使い俺を売った奴隷商を見つけ出した。そして、テレポートで奴隷商のもとに移動した。


「よう。久しぶりだな。」


俺が挨拶すると、奴隷商は首を傾げていた。


「あの、どちらさんでしょうか?」


「なんだ、覚えていないのか。俺は3ヶ月前までここにいた元奴隷だ。」


「へっ!そうか、お前女の仲間に売られた奴か!うまく逃げ出して俺に復讐しにきたのか?」


俺は中を見渡した。


「いや、俺はここの奴隷達を解放しにきた。」


「へっ!笑わせるんじゃねーよ!お前1人で何ができるんだ?奴隷がよ!」


ん?どうやらこの商人は気づいてないらしい。


「おい。お前は馬鹿なのか?俺は元奴隷って言ったんだ。その証拠に首輪つけてないだろう。」


俺の言葉で奴隷商はやっとわかったらしい。


「お、お前!首輪どうやって外した!?」


「ん?あぁ。それはだな………消滅の光。」


俺は中にいた奴隷全員の首輪を消した。

それを見た奴隷商は顔を青ざめていた。


「お、おい!何したんだお前!?」


「はぁ。うるさいな。」


俺は奴隷達の檻をサイコキネシスで破壊して奴隷達を解放した。


「お前達はこれで自由になったわけだ。

この奴隷商はお前達の好きにしていいぞ?」


すると、一際大きい獣人の男が前に出てきて


「俺達を解放してくれてありがとう。このご恩は一生忘れない。」


深々とお辞儀をした。


「それとその奴隷商は奴隷にしてどこかに売り付けるつもりだ。俺たちの気持ちを味あわせてやりたい。」


「そうか。それもいいな。」


そして俺はこの場を後にした。


次に千里眼で因縁のあの女を見つけた。あの女は森に1人でいた。好都合だ。

俺はテレポートであの女のところに移動した。


「よう。久しぶりだな。」


カレンは俺が急に現れたことに驚いていた。


「れ、レオくん。レオくんだ!!久しぶり!会えて嬉しいよ!」


なんだこの女。なんでこんなに嬉しそうな顔してるんだ?


「レオくん奴隷じゃなくなったんだね!それにさっきのは転移魔法でしょ?すごいよ!」


俺が冷たい視線を送っていると


「あ、そうだよね。そんな目で見られるのもしょうがないよね。けどね、この世界で生きていくために必要なことだったの!強力な武器を買うにはお金が必要だったから……だから許して?」


「はぁ。俺はお前の態度を見て許そうと思っていたが、残念だ。まず、お前がやろうとしていることをやめろ。」


「っ!?ど、どうしてわかったの?」


カレンは俺に気づかれないように隠蔽魔法をかけて魔法陣を展開していたが、俺には無意味だ。


「それくらいお前と俺には力の差があるってことだ。」



「へぇー。まさかレオくんがこんなに強くなってるなんて思わなかった。ねぇ提案なんだけど、私たち手を組まない?私この3ヶ月で全上級魔法が使えるようになったのよ?」


「ほぅ。」


全上級魔法が使えるようになってるとは思わなかった。そこは素直に凄いと思うが。


「だが、断る。俺はお前に復讐すると決めたからな。」


「あらそう。残念。じゃあ………死ね!フレイムサイクロン!」


カレンは巨大な炎の竜巻を発生させた。

が、


「消滅の光。」


炎の竜巻は一瞬で消えた。


「え!?う、そでしょ?」


そして俺は一瞬でカレンの背後を取り、奴隷商のところに寄った時に手に入れた隷属の首輪をカレンに付けた。


「これでお前は奴隷だな。」


「っ!外して!!こんな事してタダで済むと思ってるの!!!」


「お前が俺にした事だろ。」


「私をどうするの?毎晩私で楽しむの?どこかに売るの?」


カレンは俺を睨み付けている。

お前が俺にした事なのに。自分がされると嫌なんだな。


「そんな事はしない。まぁそれも考えたが。」


俺がそう言うとカレンは少しホッとした表情になった。


「とりあえず移動するぞ。」


俺達はテレポートでとある洞窟の前に移動した。


「凄い。本当に転移魔法だ。」


カレンには俺のテレポートが余程衝撃だったのだろう。まぁさっき俺が現れた時は半信半疑ってところか。

俺のは転移じゃないが。


「おい。お前にはこの洞窟で3ヶ月過ごしてもらう。」


「それだけ?そんなの簡単よ。」


「あぁ。ただし一切の抵抗は許さない。これは命令だ。」


すると隷属の首輪が光った。これで命令に背く事はできない。


「おい!出てこいよ!」


俺は洞窟にいる奴らに向かって声をかけた。すると中から緑色の子供くらいのサイズが2人出てきた。


「ニ、ニンゲン。」

「オンナ。ヒザシブリ。」


「ゴ、ゴブリン。」


そう現れたのは2体のゴブリンだった。


「ここはゴブリンの住処なんだよ。中でもここのゴブリン達は女に飢えているんだよ。」


俺は千里眼で1番女に飢えているゴブリンの住処を探していた。


「おい、ゴブリン共。この女をお前達にやる。」


「え?」


カレンの顔が青ざめていた。今にも泣きそうな顔になっている。


「イ、イイノカ?」

「オマエ、イイニンゲン。」


すると片方のゴブリンが洞窟の中に戻っていった。

カレンが隣で「お願い。ここはやだ。レオくんの言うこと聞くから。夜の相手もするから。ここだけはやめて。」とか言っているが俺は無視し続けた。


しばらくしてゴブリンが小さな袋を持って洞窟の中から出てきた。


「コデ、オマエニヤル。」


俺は小さな袋を渡された。中を見ると金が入っていた。


「ソデ、ニンゲンカラウバッタ。」

「ニンゲン。オカネヒツヨウ。」


「そうか。ありがたくこれは貰っておく。」


そして俺もカレンをゴブリン達に渡した。


「やだ!待ってお願い!!」


俺はカレンに歩み寄り耳元で


「言ったろ。3ヶ月過ごしてもらうって。3ヶ月後にはその首輪は無くなるようにしてある。その後は好きにすればいい。なぁに俺も3ヶ月過ごせたからお前も大丈夫だ。」


そう言って俺はカレンから離れた。そして振り返り


「そうそう。ゴブリンの子供は1週間で生まれてくるらしいぞ。よかったな。母親になれるぞ。」


俺はテレポートでこの場を去った。

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