あなたに・・・

勝利だギューちゃん

第1話

「君は幸せ」

女の子に問われる。


「なぜ、それを訊く」

「いいから、答えて」

「さあな」

オウム返しに答える。


「それだけ?」

「ああ」

「真面目に答えて、君は幸せ?」

女の子は、繰り返し訊いてくる。


「なら、訊くが」

「うん」

「もし俺が、『幸せでない』と答えたら、君は俺を幸せにしてくれるのか?」

「わからない」

そうだろう・・・

幸せの定義は、人により違う。


自分にとっての幸せの価値が、相手にとっても幸せとは限らない。

また相手の考える幸せの価値を、俺に押し付けてほしくもない。


「じゃあ、質問を変えるね」

「ああ」

「君にとっての幸せは?」

「さあな」

すぐには、出てこない。


「お金?」

「否」

「結婚?家族?」

「否」

「友愛?」

「否」

「健康?」

「否」

「自由?」

「否」


「わがままだね」

「どう答えれば、納得する」

「単刀直入に」

「ありきたりなのは、嫌だ」

女の子は、さらに問い続ける。


「ねえ、答えて」

「なぜ、そこまでこだわる」


女の子は、こう答えた。

「あなたに、幸せになってほしいから。

そのための力になりたいから・・・」


「君は、何者だ?」


女の子は笑うだけだった。

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あなたに・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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