空想科学小説読本 ～本家にはかなわないけど、とりあえずやってみました～

ざっくり解説

　ここでは、作品内で出した結果の計算過程を記しています。説明をかなりはしょっているので、分かりにくいかもしれません。

　まず落下速度ですが、空気抵抗を考慮しない場合、質量に関わらず落下速度は一定です。これは高校で習った方も多いかと思います。

　速度vは自由落下の式、v=√2gh　で求められます。gは重力加速度で値（あたい）は約9.8、hは高さで単位はメートルです。

　作品内では落下距離は2000メートルとして計算しました。

　v=√2×9.8×2000=√39200

　√39200≒198

　速度は秒速198メートル。時速にして713㎞/hです。次にエネルギーを求めてみます。

　エネルギーEの計算式は　E=1/2mv（　２）は質量で単位はキログラム、vは速度です。

　ウルトラマンは体重3万5千トン、キログラムに換算すると3500万キログラムです。やっぱり重い。

　E=1/2×35000000×198（　2）=686466500000（J（ジュール））

　エネルギーの値が分かりましたので、マグニチュードを求めてみましょう。マグニチュードMを求める式は　M=(logE−4.8)/1.5　で、log Eの底（てい）は10です（意味が分からない方は飛ばしてもらって構いません）。

　対数の計算は関数電卓かエクセルを使うことをおすすめします。僕はエクセルを使いました。

　どちらもない場合は以下のサイトで計算できます。

　https://keisan.casio.jp/exec/system/1260332465

　log 686466500000の値を計算した結果は約11.84です。

　よって、マグニチュードMは(11.84−4.8)/1.5≒4.69。小数第二位を四捨五入して4.7になります。

　最後に断熱圧縮による表面温度の計算ですが、以下の式で求められます。

　ΔT＝(T＋273)×0.2M（　２）

　参考リンク

https://kotobank.jp/word/%E7%A9%BA%E5%8A%9B%E5%8A%A0%E7%86%B1-54936

　ΔTは上昇温度でΔはギリシャ文字で読みは「デルタ」です。そして、Tは気温、Mはマッハ数を示しています。

　ウルトラマンの飛行速度はマッハ5、気温15度の時の表面温度を求めてみます。

　ΔT＝(15＋273)×0.2×5（　2）=1440（℃）

　つまり、マッハ5で飛行した場合、表面温度は1440度上昇するということです。

　よって、表面温度は1440＋15=1455（℃）となります。熱いですね。