この音を告げるのは……
私には時限爆弾が埋まっている
生まれた頃からつけられているのに、そのリミットは誰も教えてはくれない
でも…多分もう残り数分もせずに起爆する
何となく分かる
理由はない
根拠もない
そこにあるのはただの確信
ベッドに横たわった私を数人が見下ろす
泣いているのだろうか
濡れた瞳ではあまりに世界は朧気でその輪郭が失われている
ピッ、ピッ、ピッ
電子音が耳に届く
心電図の音だろうか
それとも私の「命の音」だろうか
どっちでもいい
どうせ含まれた意味は大差ない
ピッ、ピッ、ピッ、ピッー
試合終了の笛が鳴る
ゲームセットが告げられる
爆弾はささやかに起爆して私を絶命させた
時限爆弾のリミットは五三六六三九〇四〇〇
どうやら十七年と二カ月で設定されていたらしい
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