　振り返れば、雑巾のような人生だった

　最初の頃は真新しく真っ白で、皆丁寧に扱ってくれた

　時間が経つにつれてそうはいかなくなった

　汚れが増え、黒さが増し、そうなる毎にもっと汚いものに晒された

　白かったことも大切にされたことも、全部嘘のように思われた

　確かに一度白さを取り戻しかけたこともあった

　優しくしてくれた人が、手を差し伸べてくれた人がいて、そのおかげで少し昔の気持ちを取り戻せたりもした。

　でも一度黒く染まったものは黒いままで、そこから抜け出せるはずもなくて

　結局こうして汚いまま、生涯を終えることになる

　バイバイ人生

　バイバイ世界

　そう言って私は屋上から飛び降り、ゴミ捨て場に向かって急降下した

　なんともまあ、お似合いな最期である

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