僕の友達と、今日の話

まさに今日。

僕の大切な”親友”の決戦の日だ。


彼は今(もう終わったかな)「教員採用試験」に挑んでいる。


彼の名は、、、D君としよう。

僕ですら”僕”なのに、ここで彼の名を晒すのは何かこう、ずるい気がする。笑


D君とは中学校からの仲だ。

高校受験、高校野球時代を一緒に走り抜けた。 


けれど僕らの関係は、そんなに簡単じゃなかったりして。


実を言うと高校野球のラストシーズン、僕は彼(細かく書くと彼を含めた僕以外の同期全員)から、省かれていた。


そう。

僕は、高校野球最後の夏を”人生最大の孤独”を味わいながら終えたのだ。

そして、その時僕とは反対の”あっち側”に、Dくんは居た。 


当時はそりゃあとても悲しかった。 毎日死にたくなりながら、けれど「逃げない」と決めて、すり減らしながら歩き続けた。


出会った頃「この仲間と勝ちたい」と本気で思ったあの気持ちを、ギリギリ信じ続けて。


でだ。


僕が「”出会い”に恵まれている」といつも書くゆえんは、ここからの話にある。


実は僕らの関係は、野球部を引退してから、”なんとなく”修復していた。

今まで通り話したり、たまに遊んだり。


「そんなヌルっとした感じで良いの?」 皆さんそう思われることだろう。

けれど、当時の僕にとっては、どんな形であれ、元通りになりつつあることが嬉しかった。


そんな感じで高校を卒業して、大学生活を楽しんでいたある日。

D君と、当時僕を1番嫌っていた”別の彼”が、突然電話をくれた。


そして、「あの時はやり方が卑怯だった。 ごめん。」 と。


僕は2年越しに”心からの謝罪”を受けた。


本気で嫌っていたからこそ、本気で反省して、本気で謝ってくれたのだ。


あの頃、逃げずに戦い続けた僕の想いが伝わった気がして、泣けてくるほど嬉しかった。


僕は心からの「ありがとう」を告げた。 


そして、その日を境に僕は「人を理屈抜きに、心から信じられる人」になった。


そんなこんなで、僕とD君の絆はとても深い。 

その話をするのに長々書きすぎてしまいましたね。 汗


この話で僕が書きたかったのは、D君へのエールなんです。



実はD君、大学受験に失敗している。


受験期の彼は僕と一緒かそれ以上の大学を目指していて、僕なんかよりもずっとコツコツ勉強して良い成績をキープしていた。


けれど、センター試験で痛恨のマークミスをして、想定よりも点数が大幅に下がってしまって。


結局、滑り止めで合格していた大学に入学した。


悔しかっただろうし、辛かったはずだ。

きっと、僕の想像では計り知れないくらい。


そこは私立大学で、学費も当初の予定よりずっと高くついた。

彼は優しいやつで、高い学費が両親に負担をかけるだろうと、とても気に病んでいたそうだ。


そこは、目指していたよりもずっと偏差値の低い大学。

当然周囲の友達も彼ほど優秀ではなかったので、話が合わなかった。


けれど、D君は逃げなかった。 

誰よりも努力した。

言い訳はしなかった。

”教師”という夢を、全力で追いかけた。


”環境のせい”になんて絶対にしなかった。


僕が大好きなカラオケに誘っても

「今日は勉強しなきゃ」と言って、誘惑に負けなかった。


そんな、誰よりも強いD君は、気づけば学内トップレベルの成績を残し、奨励金を受け取るまでになっていた。


「心が折れそうな時は、親の顔を思い出したら頑張れる。」 D君は言った。


そんなD君のことを、僕は心から尊敬している。 



この日ために、ずっと1人戦い続けてきた。

環境にも、自分にも負けなかった。


だからきっともう、D君を邪魔するものなんて何一つ、無い。


頑張れ。


君ならどこまでもいけるさ。 


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