第21話 棄てられた炭鉱
ナターシャ「ロミー終わりましたよ!」
キラキラした笑顔で言われても!!!!!
ジャック「君のために殺ったんだよ」
ジャックさんに若干のブラックな部分が垣間見える気がするけど、、、、
ロミ「ナターシャ!ありがとうね!。゚(゚´ω`゚)゚。」
喜びの表情をしていても、心の中は泣いている。
そんな心境。
電源盤を見てみると
ブレーカーの周りにさっきのピカモジャの毛がいっぱい引っ付いている。
静電気で毛が張り付くんだよねぇ
風系魔法でぶっ飛ばしますか
よーし!
私は杖に持ち替え詠唱しようとした瞬間、
ジャック「Air shot」
!?
ジャックさんにまで!
ジャックさんにまで先を越され、私はまた膝をつく。
ナターシャがブレイカーをあげ、坑道内の電源が完全に復旧した。
。。。全部二人がやってくれた。。。
チーン_| ̄|○
ジャック「今、上城くんにメッセージ送ったからすぐにみんな来ると思うよ」
ロミ「はーい。。。_| ̄|○」
15分後
上城「おーい」
ジャック「ロミーさん、みんな来たようだよ」
桜子さん「ロミちゃーん!あれ?何々?何凹んでんの?」
ジャック「え、凹んでいたのかい???あ、私の言ったことだったら、もう忘れていいからね」
それもだけど、ちがぁーう
怒られて凹んでるのはもう終わった話で、今は二人に先を越され凹んでるんじゃい!
バニラが横でまた、ざまぁっ!と言う表情で鼻で笑った
桜子さん「ははーん、良いところ全部持っていかれた系ね」
ロミ「うわーーーーん桜子さんはなんでわかるのぉぉぉおおおおおおお」
。・゜・(ノД`)・゜・。
よしよし、と桜子さんに頭を撫でてもらい心を落ち着かせる。
第一層のモンスターは下に降りてしまっているため皆んなでエレベーターが上がってくるのを待った。
エレベーターの底を覗き込むと下の方にあるのが見える。
他の冒険者も続々とエレベーターに集まってきて、この炭坑の情報を教えてくれた。
1〜2層は割と下級モンスターが多いが、ザコな為、狩り尽くされる事がもしばしばあるそうだ。
3層からは、中級クラスのモンスターが生息している為、シルバー以上の冒険者でないと危険らしい。
4層からは、上級モンスターの巣窟の為、絶対にカッパーやシルバーは足を踏み入れては行けないのだとか。
エレベーターが上がってきて、何人かの冒険者が乗っていた。
「2層にはモンスターはいないよ。みんな下に降りて行ったんだ。今日はやめといた方がいいよ」
え、それじゃみんなが降りられない!!
だって、カッパーは3層に降りるのは危険すぎる!
今日は諦めて帰った方が。。。
桜子「どうする?」
アカギ「ここまで来て手ぶらで帰るのはちょっとな。宿泊代くらい自分で稼いでおきたいしな」
白バラ「私もアカギに賛成よ。その日暮らしだとしても少しでも稼いでおきたいわ」
桜子「モンスターが三層に降りたんだとしたら、下級モンスターもいるはず、三層から手強いモンスターが出るって事だから、危険だと判断したらすぐに上がってくればいいかしら?」
皆んなが賛同する。
でも私は賛成できない。嫌な予感がする。
ロミ「皆んな待って、」
声をかけた時にはみんなエレベーターに乗ってしまっていた。
エレベーターは直ぐに降下を始めてしまい、慌てて飛び乗った。
ガコンガコン、シューーーと降下する音が鳴り響く。
いやいや、本当に大丈夫なのかな???
やめたほうがいい気がする。。。
私はモンスターが下に降りてるんだよね?
ココは大人しく帰ったほうがいい気がするんだけど。。。
ジャック「ロミーさん、そんなに心配?」
ロミ「だって、三層はシルバー以上でないと危険だって、」
上城「無理せず、ちょっと様子見したらすぐに帰れば大丈夫だよ」
うーん、みんな何でそんな簡単に考えているのかな?
自分のレベル分かってないの??
ロミ「いや、もうすこしみんな自分のレベルを把握した方が、、、」
突然、下の方から何かを感じ、ヤバイって事だけは直感でわかった。
ロミ「ジャックさん、皆んなを下がらせて下さい」
ジャック「え?どうしたの?」
ロミ「反応を捉えました、この下に恐らく大量のモンスターが居ます!!!」
桜子「え?そんなに沢山!?」
ロミ「二階に着いたら直ぐに降りてください!上りのエレベーターを待って外に出てください!」
底の方から無数のモンスター達の声が聞こえてくる
2層が見えてきた。一層と同じような風景だ。
降りるために少し前に出る、
でも、エレベーター止まらなかった!!!
上城「通過してる?」
アカギ「止まらないのか?」
ネコッチ「え!?え!?」
みんな不安がっている。
簡単に考えていたみんなの空気が変わった
普通に止まると思ってたから、このまま降下をするって事は、モンスターで溢れた3層まで、いや、それどころかもっと下まで行くかもしれない。
いやいや、ヤバイよ!
うまく説明できないけど、どんどん反応が強くなってる!
私の目が危険を察知している
「この昇降機は、4層までしかない、5層へ降りる昇降機は4層のさらに奥にあるから、降りても4層で止まるから、そのまま上に上ればいい」
上で、一緒になった冒険者が教えてくれた
本当に上るだろうか、こーゆー時って下まで降り切って、止まるパターンがお約束。
でもそうじゃない事を祈る!!!
バニラ「残念だな。下まで行くぞ。コレ。しかも、三層にはモンスターがウジャウジャ待ち伏せしてるぞ」
桜子「う、うそでしょバニラ!?」
皆んなを不安にさせてしまう!
バニラお前!ちょっとは空気読めし!
ジャック「皆さん固まって!月光桜さんシールドの準備を!」
桜子「そうね!ネコッチ!支援に徹するわよ!」
ネコッチ「は、はい!」
回復専門だった桜子さんはこの世界ではヒーラーを辞め、攻撃も参加する為、魔法使いとしてやって行く事にしたそうだ。
もともと攻撃魔法は取得していたけど、キングでは上級魔法を先に習得するために攻撃魔法は使用せず回復に徹していただけなのだ。
バニラ「おい、お前らアミュレット忘れずに装備しとけよ」
!!!!
そうか、司祭様にもらったアミュレット!アレがあれば私からの魔力支援が常に付く!
少しは力になるかも!
上城「装備したよ!」
桜子「私も」
ジャックさんが、私を見ている。
真剣な顔だ。
ジャック「スー、ハー(深呼吸)"覚悟を決めた"よ」
右手の人差し指にアミュレットをはめて、唇に当て数秒ほど、祈るような仕草をした後、ジャックさんの目付きが変わった。
ちょっとカッコいい
三層は明かりがついておらず真っ暗だ
電気が行ってないのか、でも先程まで聞こえていたモンスター達の声が聞こえなくなった。
不気味なほどに静まり返っている。
足が震える
私は杖をギュッと握って、魔法を詠唱した
"stealth circle"〈隠密効果〉
"capacity Improvement"〈パラメーター大幅up〉
桜子「ありがとロミちゃん!」
アカギ「サンキュー!」
ロミ「これでも全然足りないと思って下さいよ!本気で集中してください!」
三層の距離に近づいた時、暗闇の中から無数の弓が飛んできた!
ジャック「"Flare"〈迎撃弾〉」
ドドドドドッ!
ジャックさんがとっさに迎撃してくれた
私はモンスターの数を確認する為、光魔法で3層の入り口付近に光を与えた
"Light drifts"〈漂う無数の光〉
無数の光の玉が三層を照らす
隙間なく密集したモンスターの群れがこちらにジリジリと今か今かと迫ってきている!!!
カナナン「あんな数相手にできない!!!」
ソルト「奥までウジャウジャいるよ!100体以上いる!?」
コレはヤバイ!
みんながさらに不安がっている!!!
数を減らさないと!!!
"Flash"!!!
ギィィィィィィィィィ!!!
ガァァァア!!
モンスター達の悲鳴が響く
これで一時的に敵の目を眩らませ、怯んだうちに遠距離攻撃ができる冒険者達が攻撃を繰り出した!!!
降りられる状況ではないと思った瞬間、無情にもエレベーターは止まる事なく4層に降りて行った
ロミ「なっ!!!4層まで本当に降りるよ!!!」
カナナン「いや!なんで!?」
ソルト「そんな!!!」
さすがに4層はシルバー以上とは言え、かなりの強力なモンスターも生息しているらしく、カッパークラスの冒険者は命は無い。と言われていたので、みんなの不安が最高潮になる。
ジャック「まずい、三層のモンスターが上から攻撃を仕掛けてくる前にシールドを!」
桜子「この人数じゃ防ぎきれないわ!」
ロミ「多少の時間稼ぎになれるかも!一箇所に固まって!」
"tornado"x4
四つの強力な風の流れを作り、敵の攻撃を避けることにした
アカギ「攻撃以外にもこんな使い方があったのか!」
桜子「ネコッチ!ロミちゃんの魔法の使い方、良く見ておくのよ!必ず役にたつから!」
ネコッチ「べ、勉強になります!」
シュン、シュン、ザザザザザザサ!!!
ぱたぱたぱた、
数十本の矢が空から降ってくる!
桜子「念の為に伏せて!"sealed"」
桜子さんが頭上に盾を張ってくれて
パタパタと風により威力を失った矢が床に散らばる
しばらくして、
上からの攻撃が止み、第4層が見えてきた
4層は光る石が壁や地面に埋まっていて、割と明るい。
奥の方からモンスターの咆哮が聞こえて、耳を塞いだ。
これが続くのは結構辛い。
耳栓的な魔法があったような。。。
私が魔法のリストを検索していると、バニラが肩に乗り私の頭の中に直接話しかけてきた!
テレパシー!!!!
バニラ「(おい、いちいち魔法を選ばなくたって、お前の力なら、詠唱も無しに、イメージだけでいけるぞ)」
え???そんな事、、、あ、思い当たる節がある。
確かに頭に思い浮かぶ事が多々ある
バニラ「(目に見えない耳栓をイメージしろ)」
おぉ、、、急に言われてもな。。。
エレベーターが4層に到着して、完全に電力が止まった。
遥かに上の方に第一層らしき明かりが見えた。。。
視線を下ろすと動かなくなったエレベーターの前でみんなパニックになっている。
それと時折聞こえてくる、モンスター達の様々な鳴き声や咆哮、みんな震えている。
マズイ、実にマズイ。
耳栓より耳あての方が見た目的に可愛いから、耳あてをつけているイメージをしてみよう。
うーんうーん、耳あてをつければモンスターの声を遮断できる。
恐怖も遮断できる。そんな感じのイメージ。。。。。
うーんうーん。やっぱ、むずいわ。コレ
バニラ私にはそんなトリッキーな事できないよぉ
桜子「ロミちゃん、何か魔法使った???」
上城「モンスターの声が聞こえなくなった???」
バニラ「できてんじゃねぇか」
!?
自力でなんとかするから、どんなことも意味があるのに、これじゃチートじゃん!
とか言ってる暇は今はない!
上で誰かが電源を復旧してくれるのを待つか。。。
どうする。。。
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