「――、おしまい!」


読み終わった後、アニは誰かに本を読んであげるということが、これほど大変なものなのかと実感していた。喉はからからで、頭もしびれて、なんだかベッドにつっぷして寝てしまいたいような気分だ。


「読んでくれてありがとう、アニ。とても面白かったよ」

「ほんと?」

「本当だとも。お疲れさま」


レギの繊細な手がアニの癖っ毛を梳いては、頬をくすぐる。


(まるで、よしよしされてる犬みたいだわ)


それでもレギの手は気持ちよくて、アニは目を閉じながら、おとなしく頭を撫でられていた。


「…………まぁ、バッドエンドだったけれどね」

「うーん……、私も最初、この本を読んでもらった時はびっくりしちゃったけど……。ママ、こういうお話が好きなの。他に買ってくれた本も、こんな感じのばっかりよ?」


レギはなんとも形容しがたい口元で微笑み、本を大事そうに抱えるアニを撫でつづける。


「ねぇ、レギ」

「うん? どうかしたかい?」

「私ね、レギにもっと本を読んであげたいの。…………レギのためだけじゃなくて、ママのためでもあるのよ。ママがせっかく本を好きになりますようにって贈ってくれたのに、私、ここに来てからまともに本を読んでいないわ。勉強もよ? お父様が、『お前は何もしなくていい』とか、『勉強なんてもってのほか』だなんて言って、私に何もさせようとはしてくれないの。……訳が分からないわ。…………お父様ってばどうしてそこまで、私に勉強をさせたくないのかしら……?」

「ふぅむ」

「そうよ。それに、『塔に近づくな』ってのも分からないわ。この塔が崩れちゃうわけでもなさそうだし……、最初はそう思ってたの。でも違うでしょ? ここには本がたくさんあるから、興味を持たないようにって遠ざけられてるだけなのかしら。…………ね、レギはどう思う?」


アニは少し顔を赤らめて、興奮したようにレギに詰め寄る。


「そうだね、アニはどうしたいんだい?」

「もちろん、もっといろんなことが知りたいわ!」

「それなら、アニの思う通りやってみるといい。…………きっと、アニのことが心配でそう言っているだけだろうが……束縛されてばかりでは、窮屈だろう。少しばかり反抗してみるのも、二人にとって、悪いことではないよ」


レギはやわらかな笑みを浮かべたまま、アニの頭を撫で続けた。

アニは瞼がとろんと重たくなり、レギの細い太ももに頭を預けた。目を閉じながらレギの声を聞いていると、まるで母親の膝の上にいるような安心感に包まれた。この甘くて温かい香りは、太陽の匂いに似ているかもしれない。


「私のママね、ほんの数ヶ月前に、急にいなくなっちゃったの。ホントに急に。…………それまではここにある本みたいな、……とっても難しい論文とか、本とかとにらめっこしてたわ。……きっと、お父様と同じで、本が好きだったのね…………」


しだいに眠りへと落ちていくアニの体にガウンを掛けながら、レギは頬笑みを深くした。


「おやすみ、アニ。……よい夢を」







***


「や、やだ、寝ちゃった! レギ、今何時?」


アニが飛び起きると、そこは自分の部屋だった。


「……へ? あれ?」


ベッド下には履いていた靴がきっちり揃えられており、大切にしている本も枕元に置かれている。本には紙が一枚挟まれていて、乱雑で、左上に傾いた字で、


「ニ コ が か え つ て き そ う だ っ た か ら ベ ッ ド ま で は こ ん で お い た よ」


と、書かれていた。


「…………レギって器用なのね」


塔を見るためにベッドから抜け出そうとして、右膝近くに何か付いていることに気が付いた。触ってみるとそれはゴミではなく、薄青色のシミ――青あざで、押すと軽い痛みが走った。


(こんなところ、いつ打ったのかしら)


靴を履きながら考えるも、まったくもって覚えがない。

窓の外には茜色の空が広がっていて、小さな窓に夕焼けが反射して中の様子はまったく分からない。塔に絡みついたツタはその反射で輝いていて、美しくも思えた。街から延びる道には、父親が乗っているであろう馬車が、屋敷へと一定の速度で走っているのが見える。レギの言っていた通り、今日はいつもより早く帰ってきたらしい。

父親に知られずに済んだという安心とともに、一つの疑問が浮かんだ。


「そういえばレギ、どうやってここまで来たのかしら」


目が見えないはずなのに、アニを抱いてここまで来れるものなのだろうか?

そもそも、どうしてアニの部屋がここだと分かったのだろうか?

考えれば考えるほど思考は絡まって、答えはなかなか出そうになかった。







レギに助言を得てから、アニの生活は少しずつ変わり始めた。

まず、一番の変化と言っていいのは、家庭教師が付いたことだろうか。久しぶりに父親と一緒に夕食を食べていたとき、アニは、


「私、学校に通いたいの」


と、言った。

父親はいきなりのことに戸惑ったものの、咳払いを一つして、アニの目をじっと見ながら問いかけた。


「どうしてそんなことを言い出すんだ?」

「学校に通うのが……勉強するのが、そんなに悪いことなの? 私、ママと住んでいたときは、ちゃんと初等科に通っていたのよ。試験でいい点を取ったら、ママ、すっごい喜んでくれたんだから。お父様はそれが嫌なの?」

「いや……、そういうわけではない」

「じゃあ、どうして? どうしてダメなの?」

「む……」

「……」


しばらく、沈黙が続いた。アニはぎらぎらした目で父親の目をじっと睨み付けていたし、父親も父親でアニの目を見つめていた。


「……アニ、お前は本当にアメーリエ――母親に、よく似ているな」


父親はスプーンを置くと、小さくため息をついた。


「ママに?」

「あぁ、そうやって勉強をしたいと言い出すところなんて特にな。……いや、だからこそ心配なんだ。お前が母親と同じように、知識を身につけたばっかりに……危ない目に遭ってしまうのではないかと……」


母親が危ない目に遭った?

アニは今まで聞いたことのない話に小首を傾げた。だがそれより今は、父親に勉強することを認めさせるのが優先と、アニは口を開く。


「……だから、勉強するなって言ってたの?」

「…………そうだ」

「……、でも、私、勉強がしたいの。危ない目に遭うかどうかなんて、やってみなきゃ分からないじゃない」

「だがな、アニ……、」

「い、や」

「アニ……」

「いやったらいやよ。私、諦めなんてしないんだから」


父親は頑として諦めようとしないアニに折れたらしく、最終的には条件付きでそれを許してくれた。その条件とは、


「次の編入試験において、首席で入学すること」


である。

つまりそれは、もし合格点であっても首席でなかったら、学校に通うことも、そのまま勉強を続けることも許さないということだ。どうやら、父親はどうあってもアニに勉強をさせたくないらしい。

しかし、やるなら完璧にやって見せろという父親の挑戦を、アニは受けた。


「家庭教師は……そうだな、下手に他の者を呼ぶより、ヘンリエッテがいいだろう」

「ヘンリエッテ、さん? それって、お父様の助手の人?」

「そうだ。助手になる前は学校で教師をしていたらしいからな、適任だろう。……不満か?」

「ううん! ずっと話したいなって思ってたの」

「……そう、だったのか。それは知らなかった」

「だってお父様、ずっといないんだもの。言いたくても言えないわ」

「……む、すまない」


父親は本当にすまなさそうにして、明日から勉強を始めてもいいと言った。


翌日、アニはさっそく勉強を始めた。

塔で過ごしていた時間を勉強の時間に変え、必死に勉強した。レギと会う時間がなくなってしまうのはつらかったのだが、それ以上に、知らなかったことを知る喜びと、もっといろんなことが知りたいという気持ちに駆られていた。


「私、こんなに楽しいの久しぶりです!」


勉強の休憩にと紅茶を飲んでいたヘンリエッテは、満面の笑みでそう言った。


「アニは教えれば教えただけ吸収してくれますし、教えがいがあります!」

「ヘンリーの教え方が上手なんだと思うわ。きっと教師が合ってるのよ」

「教師かぁ……。うん、そうかもしれませんね」


最初こそ、「そそそそんな重要な仕事を私に?」と慌てふためいていたヘンリエッテだったが、時間が経つうちに二人はすっかり仲良くなっていた。


「そういえば、パパって今日も遅いの?」


次に変わったことといえば、アニと父親との距離が、少し狭まったことである。


「ニコラウス先生は、えーと、えーと……、今日は外食となっていますね」

「外食?」

「はい、研究費を出資してくださってる侯爵さまとの夕食会だそうです」

「そういえば、パパって何の研究をしているの?」

「それが……私はまだ見習い助手ですから、雑用しかまだ任されていないんです」

「そう……。何だか、聞きたくても聞けないのよね」


今までは外出していることがほとんどだった父親だったが、アニがヘンリエッテに勉強を教えてもらうようになってからは、少しだけ屋敷にいる時間が増えた。食事も可能な限り朝晩一緒に取るようになったし、たまに勉強の様子を物陰から見守っているようだった。

アニも父親のことを少しずつ、本当に少しずつだが、頼るようになっていた。

それは他人から見れば些細な距離の変化だったかもしれないが、アニと父親――今までまったく会話をしなかった二人にしてみれば、それは大きな歩み寄りであった。

ただ、唯一変わっていないのは、いまだに塔へと入ることは許されていないということだった。


「ごめんね、レギ。あんまり来てあげられなくて」


珍しく父親とヘンリエッテが外出した日、アニは塔を訪れていた。

レギは以前と変わらぬ様子で、ソファーに腰掛け、本を愛でていた。もしかしたらやつれてしまっているのではと心配していたが、レギは以前より血色がよさそうにも見えた。


「どうしてだい?」

「……レギは私が来なくても、ぜんぜん寂しくないの?」

「ふむ、……確かに、アニが来てくれていると、心が温かい気がするよ」


レギは天を仰ぐようにして、アニがいるときといないときの自分自身について考えているようだった。そして隣に座ったアニに笑顔を向けながら、


「だが、アニにはやるべきことがあるのだろう? 私は、その邪魔をするようなことは、したくないのだよ」


そう言った。

それを聞いて、アニは少しだけ眉をひそませた。自分でもどうしてこんなむしゃくしゃした気持ちになっているのかは分からないが、レギに合わせていた目線を床に向け、古ぼけた絨毯の繊維を一本一本睨みつけるかのように見つめる。レギは黙ってしまったアニの変化に気付き、困ったようにきょろきょろと顔を動かして、「それでも、」と付け足す。


「もし、アニが寂しくなったときは、夜中、塔から見える窓際に本を置くといい。すぐに会いに行ってあげるから」


拗ねてしまったアニをなだめながら、レギは言った。なんだか頬が緩み始めたアニだったが、これじゃあ私のほうが寂しくて拗ねてるみたいじゃない、と、再び頬を膨らませる。


「別に、そんなつもりで言ったんじゃないもん」

「おー、よしよし」

「ちがうもん!」


さっそくその夜、塔から見える窓際に本を立てかけてみた。

すると、いつの間にかレギがベランダに立っていた。窓を開けて、よいこらせと部屋に入ってくると、


「ふふ、ちゃんと来ただろう?」


どこか誇らしげに胸を張って見せる。

塔以外で見るレギは、不思議といつもと違って見えた。腰まである黒い長髪も、黒い服とガウンも、目に巻かれた包帯も、透き通るような白い素肌も、透明なその声も、何一つ変わっていないはずなのに、だ。


「ね、レギ。私が寝るまでそこにいてね?」

「もちろんだとも」


ベッドに潜り込んだアニの前髪を梳きながら、レギはほほ笑む。

レギが見えない目でどうやってここまで来たのか?

きっとレギは、視力はないが何かしらの方法で辺りを感知できるのだ、とか。

実はレギは塔に住み着いている、本を食べちゃうオバケなのだ、とか。

色々考えたりはしたものの、それらはもう、アニにとってはどうでもいいことだった。

もし、レギが何者なのかを解いてしまったら――、きっとレギは、アニの前からいなくなってしまう。……そんな気がしていたからだ。


(傍にいてくれるだけで、それだけで……)


それだけで、世界から切り離されるような恐怖から、レギという存在が救ってくれる。


「おやすみなさい、レギ」

「おやすみ、アニ。よい夢を」







アニが寝てしまったのを確認したレギは、その小さな手の甲に触れるだけのキスを落とす。

起こしてしまわないようにそっとベッドから腰を上げ、入ってきた窓から音もなく塔へと戻っていく。それはしだいにレギという形を失い、ぞろりと小さな虫の集合体となって、誰の目にも触れないように闇の中を進み続ける。そしてさらさらと音もなく塔の扉、窓、すき間から中へと入り込んでいく。


塔の中ではヘンリエッテが、エプロン姿でレギを探していた。


「レギナルトさん? ……あら、いないのかしら? レギナルトさーん?」

「やぁ、ヘンリー嬢。こんばんは」

「ひゃあっ」


するりと背後から現れたレギに、ヘンリエッテは悲鳴を上げた。

レギはくすくす笑いながらガウンを掛け直して、


「今日も掃除をしに来てくれたのかい?」


と、尋ねた。

ガウンの下は首元が広く開いている薄い服だけで、白い地肌や浮き出た鎖骨がちらちらとかいま見える。それに少し顔を赤らめながら、ヘンリエッテは頷く。


「こ、この塔、上に行くほど埃まみれですから。誰かが掃除しないと、埃がお二人の肺に積もってしまいますし、レギナルトさんのお洋服も汚れてしまいます」

「ふふ、ありがとう。……でも、それだと勉強する時間がなくなってしまわないかい? 睡眠不足では、明日の仕事が辛いだろう」

「い、いえ、今日中にすべてを終わらせるというわけではありませんし……。これも仕事ですから!」


ヘンリエッテは袖を肘上までまくり、髪も頭巾でまとめて、雑巾と埃叩きを手にずんずんと螺旋階段を上って行く。髪やスカートが大きく揺れるたびに見える首筋や足下には、いくつもの青あざがあった。レギはヘンリエッテが行き止まりまで登って行くのを見送ると、入ってきた父親――ニコラウスにほほ笑みかけた。


「……ずいぶんと、楽しそうだね。ニコ」


頬が少し赤らんでいるのを見ると、ワインか何かを飲まされてきたらしい。


「そんなことを言うなら、お前が夕食会に行くといい」


ニコラウスは整えられた髪を右手でぐしゃぐしゃにすると、大きく息を吐きながらデスクチェアに倒れるようにして座り込んだ。塔の窓はヘンリエッテによってすべて開け放たれており、吹き込んでくる夜風にニコラウスは少しだけ表情を和らげた。


「ヘンリエッテはどうした? 先に帰っていただろう」

「ヘンリー嬢なら、今日も二十分ほどの掃除をしてくれているよ。ほら」


レギは頭上を見上げて、もそもそと動いている小さな塊を指した。ニコラウスは小さなため息の後、きちんと座りなおして、


「……彼女はいつまで持ちそうだ?」


そう、問いかけた。

レギは口元を歪ませて、視線をニコラウスへと合わせる。


「……、そんなことを聞くなんて、珍しいこともあるものだな」

「……ヘンリエッテには娘の……、アニの家庭教師をさせている。この前話しただろう、学校に入りなおしたいというアニとの賭けだ。適当に教師役を見つくろってわざと落とさせる手段もあったが……、プライドが高いというのは、こういうところで面倒だな。そんなことできやしなかったよ。まぁ、首席にはなってほしくないというのが本音だがな。……それに、アニも彼女を気に入っているようだし……、だから――、」

「だから、今食べつくされるのは困る……だろう? お前の考えていることなど、手に取るように分かるよ」


レギがアニと会っているということを、ニコラウスはまだ知らずにいた。

それは使用人たちがアニの行動にまったく興味を持っていないということでもあったし、悪い噂の絶えないニコラウスにいちいち報告に行くような、お節介な集団でもなかったということでもあった。


「……」

「ふふ、そう睨むな。今回は我慢してやろうと言っているのだよ」


ニコラウスは予想外な申し入れに、ぽかんと口を開けてレギを見つめる。


「……、レギナルト? 気は確かか?」


レギは、肉類、魚介類、穀類といった、一般的な食べ物は摂取しない。

食べたとしてもあまり腹の足しにはならず、唯一手を出せる野菜類にも、「まるで土を食べているようだ」という感想を持っていた。


レギが好んで食べるのは、人間を介した知識だけである。


といっても知識なら何でもよいわけではなく、質の悪いモノ――例えばこの古屋敷の使用人たちには、食欲がなくなりそうだという理由で、近づきさえもしなかった。


「ん? それとも、食べつくしてしまってもいいのかい? ちょうど一人分ほどお腹が空いているのだが」

「いや……、いや、それでいい。アニとの賭けが終わるまで、彼女は残しておいてくれ」


それだけ言うと、ニコラウスは安心したように瞼を閉じた。


「子育てに苦労しているようだね」


レギは本棚から本を取り出して、いつものソファーへと座りこむ。そしていつものように表紙を愛でながら、ニコラウスのアニへの親心を笑った。


「まぁ、そのようなものだ。こういうことはすべてアメーリエ……、彼女に任せていたからな……。お前さえいなければ、僕もアニと一緒に暮せたというのに……」

「ふふ、お前と私とは、アメーリエと会う前からの仲だろう? ニコ」

「あー、そうだった、そうだったな。僕はなんて失敗をしたんだろうな。こんな人間の形をした悪魔を、信じ切ってしまうなんて!」


くすくすとからかい続けるレギに、ニコラウスは半ば怒鳴るようにして言った。

その声が聞こえたのか、ヘンリエッテが慌てて螺旋階段を下りてくる。どうやら、いつまで掃除に時間を費やしているのだと怒鳴られたと、勘違いしたらしい。転がるように降りてくるヘンリエッテを目線だけで追いながら、ニコラウスは続ける。


「……はぁ、そんな済んだことはどうでもいいんだ、レギナルト。いいか、何があっても、アニにだけは、ぜったいに手を出すなよ。例え僕がお前との契約を破ってしまったとしても、だ。…………そのときは、僕を食べろ」


最後の一言に、レギは不味いものを食べたような顔をした。

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