第2話 自分勝手

大学に編入した瑠花は、忙しい学生生活を過ごしていた。時折、翔太のことを考えては、後悔と申し訳なさを感じて、自分を責めていた。大学の勉強が落ち着いたとき、瑠花は、翔太にやっぱり付き合いたいと言おうと思って、勇気を出して、バイト先に行くと、都市開発地域で、バイト先の建物はすでに壊され、更地になっていて、翔太もアパートから引っ越した後だった。当時は携帯電話もなく、連絡の手段を失ってしまう。

同級生を通じて、「翔太って今何やってるのかな?」と何気なく聞いてみたが、自分の知る同級生は誰も翔太につながる情報を持っている人がいなかった。瑠花は自分勝手に別れてしまった罰だと思って、翔太のことをいつも頭の片隅に置きながら過ごしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る