同じ空を見上げて

風花

第1話 出会いと別れ

1999年の桜が咲く前、二十歳の瑠花は、翔太のもとから去った。そして、2019年、桜が散る頃、45歳の翔太は、瑠花のもとから去っていった。

元々、小学校から一緒だった二人は、同じクラスになったこともなくお互い特に気にも留めない関係だった。時は過ぎ去り、瑠花は、成人式で地元に帰り、久しぶりに顔を合わせる同級生たちとの会話で盛り上がっていたとき、横を通りすぎる翔太がいた。すると、女子たちが「翔太めちゃくちゃ格好良くなってない?」と騒ぎ出す。ふと翔太を見ると本当に格好良くなっていた。瑠花はその後の二次会で翔太の連絡先をもらうことに成功。後日連絡を取り、会うことになった。翔太は自分で専門学校の学費を稼ぎながら通っていたので、毎日バイトの日々。バイトが終わってから翔太のアパートに行く。地元の友達の話や懐かしい学生時代の話しで盛り上がったとき、急に真面目な顔をした翔太は、瑠花にキスをする。瑠花は硬直してドキドキが止まらなくなる。

そんなドキドキも二ヵ月で終わりを告げる。瑠花は短大を卒業し、大学への編入が決まり、学業を優先するために、桜が咲く前に、翔太の元から姿を消してしまう。

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