五章 顔のない死体

五章 顔のない死体 1—1

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 八重咲妄想日記 五月四日 夜



 シャレになんねえ。

 なんなんだ。この胸のしめつけられるような切なさは。


 あいつを独占したい。

 あいつが他のやつに笑ってるだけで苦しい。


 ……そうか。

 これが今まで、おれに、しつこく、つきまとってきた連中の気持ちか。


 いいだろう。おれは八重咲。

 殺ってやる。あいつを独占する。

 あの真珠のような肌を切り裂き、血潮にそめて、おれだけのものにしてやる。永遠に……。


 今夜は眠らないぜ。

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