第22話(これが真実?)

アール達、モンキータイガーを乗せた旅客機は無事に巡航に入る。すると、アールの元に火の鳥新代表の〝シイタケ〟が来た。


「アールさん、レイピアを」

「ああ」


アールはアイテムボックスからレイピアを3つ取り出して、シイタケに渡す。


「助かります」

「次はどこを攻めるの?」

「秋田県の秋田毛城を攻め落とす予定ですよ」

「そっか。また協力できるといいな」

「はい、それでは」


シイタケはレイピアを自分のアイテムボックスに入れて、去っていった。入れ替わりで、バイオレットが来た。


「アール君、本当に死んでるの?」

「信じれないか。俺も信じれない。こうして意志が存在するのに」

「AIだったりして」

「その可能性は十分にあるな」


『当機にご搭乗の皆様。機長のライガーでございます。良い旅を。グッドスピード』


モンキータイガーの内、旧キノズはピリつく。探し求めていたルクソール・オンラインの運営の1人、ライガーだ。コックピットに居る。バイオレットはカーマインに事情を説明した。


カーマインはスマートモンキーに尋ねる。


「ライガーという男、本当に運営の1人なのか?」

「ええ。取っ捕まえてログアウトの方法を吐かせやすかい?」

「そうだな。アール、手を貸してくれ」

「おお。コックピットのドアをレールガンで、ぶっ壊すか?」

「アールの旦那。そんな事したらダメでさあ。機体が墜落しやすぜ。搭乗者全員がダイになっちまいまさあ。こういう時こそ、レベル横取りリボルバーが役に立ちやすぜ」


その時だった。ガシャン! 旅客機が縦に大きく揺れる。


「エアーポケットか!?」


窓から外を見ても晴天だ。エアーポケットができる条件じゃない。アールがその異変に気付いた時に、何故かモンキータイガーのメンバー3人がダイになった。


「何が起きてる!」


カーマインが叫ぶ。


『当機はデスゲームの会場となりました。死にたくなければ、僕、ライガーと接触しないことだ』


アール、スマートモンキー、バイオレット、カーマインは急いで階段を降りて、コックピット前に行く。アールはドアに鍵がかかってることを確認してから、強くノックする。


「ライガー、開けろ!」

「稲葉アールだな? 何故、僕が簡単にプレーヤーを殺すか解るか?」

「解らねえよ! サイコパスが!」

「まあ、落ち着け。稲葉アール、お前は生きてる。まだ死んじゃいない。〝帝釈天アールタイプ〟というゲームで、その一部にルクソール・オンラインがある。最初からルクソール・オンラインにログインしてるのは、僕とお前だけ」

「どういう意味だ!?」

「いいか、よく聞け。ルクソール・オンラインは稲葉アール1人がプレーして、遊んでるゲームなのだよ。 記憶喪失したのはバグだがな」

「…………最初から、俺1人? 俺だけ生き返れる。チートで武器に不自由しない。AIは俺じゃなく、皆?」

「その通り。そこに居る、バイオレットもカーマインもプログラムが作り出したAIだ。…………そろそろ、ゲームオーバーと行こうか。稲葉アール」


バイオレットとカーマインの顔が青ざめていく。


「…………アールの旦那。そろそろ、お遊びをやめましょうや」

「そうだな」

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