22歳フリーターの日常

ツチノコ

2019.04.01 働きたくない

 働きたくない。

 そもそも大人として生きるのが至極億劫で、死んだ方が良いのではと思わなくもない。

 規則正しく仕事をこなしていた生活が嘘のようである。

 2週間前までは、日々肉体労働に追われ家に帰れば飯事よりマシなだけの家事をこなすだけで一日が終わり、唯一心体休まる数少ない休日の佳境には次の日の出社に憂いを感じながら眠りに就くという毎日を愚直に営んでいた。

 楽しくはなかったが、与えられた仕事を汗を流しながらやりきるというのは今まで経験した他の仕事にはない達成感があったし、職場の人間達も自分と同じくらいの若い者たちがいくらかおり、その気質も若者特有の明るく弾けたもので、一緒に働いていて疎ましく思うこともあったが概ね救われた心地であった。

 しんどかったし、憂鬱になることもあったが、気分は闇雲に落ちることはなく、感情の揺れ幅は狭く変調をきたすことはなかった。

 それが半年も続いたものだから、過去自分の精神の不安定さに恐れに似たものを抱いていた私であったが、いつの間にかその恐怖心を忘れていた。

 そして今では、この半年にこなしてきた仕事で自信を得ることが出来た私は、新たな生活環境に乗り出しても万事上手くこなしていけるだろうと考えてしまった。

 人間は同じ過ちを犯してしまう生き物だというが、私は度が過ぎたあほうな人間である。

 どれだけこの苦汁を飲んできたか、今はただただ恥じ入るばかりである。

 仕事を辞めて2週間、私の脳はPCやスマートフォンで受信する煩雑な情報でいっぱいで、身体は外出を嫌がり怠惰に炬燵と一体のケンタウロスと化している。新しい仕事も生活の基盤になりえていないので、日々生きるだけで金が減っていくだけである。

 そんな状態に私の精神はいち早く変調をきたし始めている。

 このままではまずいと思いながらも、体を動かす方がめんどうだと思うのは魂が腐りかけている証拠である。

 しかし、私は死ぬことが出来ないのだ。

 死なない為にどうするかを考え続けなければならない。考えることはいつでもできる。考えなさい、私。

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