第三十四話『一階層攻略の鍵』

よし、外に出られたし。


もう一回入ってみよっかな。


じゃあポータルに入ろうかな!


………


よし。


あ、やっぱりそうだ!


木がない!!


これは一応アヤカに報告しとこうかな。


あれ、ログインしてない。


まあいいやチャットだけ送っておこうかな。


ネタバレ嫌だったら困るし、とりあえずわかったことがあるって事だけにしとこ。


よし、そしたら今度は右側に向かって真っ直ぐ進んで行こう。


伐採直進レッツゴー!


………


うーん。前方面に進んだ時と木もモンスターも変わり映えしないなー。


まあいいや、次は今の突き当たりから一回前の突き当たりまで外周回ってみよっかなー。


………


うん。


平常運転…。


ただ正方形って感じじゃなくってどちらかと言うと円形って感じなんだ。


んー、そうすると…。


ここの木は均等に並んでるわけじゃないけど、ざっと半径木百本とすると全部で三万本前後木がある事になるのか…。


流石に全部狩尽くすのは難しいかなー。


どうしよう?


マッピングするだけなら全部からなくてもいいよね。


十本間隔だと三百本近くで比較的簡単だけど、ちょっと間隔広い気がするし、折角これだけ沢山木が取り放題なんだし、五本間隔でもいいかもね。


よし、もう一回出てとりあえず十字と縁の外周埋め尽くそう。


………


終わった!


…けど進展はなかった…。


じゃあここからはしらみ潰しに木を五本間隔の格子状に伐採するぞー!


………


…なんて気合い入れたけど、左上から始めて時計回りに格子状にして来て、もう左下…。


ここにボス居るはずなんだけど一向に出てこない…。


………


なんて言いながら伐採してたら終わっちゃった…。


ボス居ないってどう言う事だろう?


強いて言うなら十字に分けた各面の中心付近になんかよく分からない祠跡があった事くらいかな。


まあ九分九厘あれがギミックとかで何かしないとボス出て来ない感じだよねー。


とりあえず祠に入って様子を確認してみようかな。


後は何処の祠から行こう?


どうせなら今いる左下からでいいか。


でもその前に…。


格子完成させておこう。


なんか中途半端なの気になるし。


………


終わったー!


よし、じゃあ早速祠に入ろうかな。


まあ祠って言っても八畳くらいの大きさしかないからちょっとしたギミックがあるだけだと思うけどね。


ん?鳥の石像?


目と額に青い宝石ついてる。


これどうするんだろ?


壊すはずはないと思うんだけど…。


まあ仮にそうだとしたら最終手段だよね。


とりあえず動くか試してみようかな。


…うん。回転だけできる感じだね。


ってことは全部同じ石像だとして考えられるのは全部外向き、全部中央、時計回り、反時計回りくらいか。


ここだけ見てもどうしようもないし他のところも見て回ろう。


………


ふぅ…。


やっと四つ全部回り終わったよ…。


それで全部回ってみてわかったことは…。


左下の石像は額に一つと目が二つ。


左上の石像は隻眼で、石板に『正しき手順で道開き場所に向けろ』って書いてあった。


右上の石像は四つ目。


右下の石像は目が二つ。


って感じだった。正しき手順っていうのは多分石像の宝石の数だよね?


道開き場所って何処だろ?


ポータルかな?


もしポータルなら石像の宝石の数の順番にポータルに向けろってことだよね?


って事は退出出来ないから歩かないとだよね。


………


これで四つ目…!


祠の外に出て何か変わったか見てみよ。


祠の石像の向きと順番が正しいと祠からポータルに向かって青い光が出るんだよね。


今四つ終わったから多分ポータルの方で何か起きてるはず。


急ごう!


………


あれ?上に向いて光ってたのが北向きになってる。


つまりこっちにボスがいるって認識でいいんだよね?


とりあえず進めばわかるよね!


「ライム、エルまだ大丈夫そう?」


「全然大丈夫なのー!」


「ままともっと遊びたーい!」


「ライム、もっと強いのと戦いたいなー」


「エルもエルもー!」


「大丈夫これからボスの所に行くから」


「「やったー!」」


それから私たちは光の指し示す方向に歩いていったの。


そしたら最初に来た時は赤い結界みたいな壁で向こう側は森が続いてるのに際に進めない状態だったのに、人が三人並んで通れそうなくらいの両端赤い結界になってる一本道が出来てたの。


私たちはそのまま一本道を進んで行ったんだけど、突き当たりっぽい所まで来たら一本だけ他の気とは違う異様な雰囲気を放ってる木が生えてるの。


「あー多分あれがボスだね…」


なんか居たよね。


木の魔物。


「フウ、あの木がボスなの?」


「多分そうだと思うよ?」


「ままー。あれ、弱いよ?」


「…え?そうなの?」


「うん。あれお母さんが氷の槍一個でやっつけてたよ?」


「あ、あはは…」


「ライムもあれ森で見た事あるけど弱かったと思う」


まじかー…。


ってまあそうだよね。


普通に考えて全員参加できるイベントで初っ端から強いボスなんて普通出さないよねー…。


「ライム、エル。ごめん。強いモンスターは」もっと後になるかも…」


「「はーい…」」


「じゃあ早く強いモンスターと戦うためにも、早くこの木倒してどんどん進もっか!」


「「うん!」」


それから、木にターゲットされてボスの名前がトレントってわかってから、ボスを倒し終わるまでそう時間はかからなかったの。


結局その日は二階層、三階層って進んだんだけど、その二つは一階層と同じ森で、違うところと言えばボス出現前のギミックが違うのと、二階層のボスがサウンドバタフライっていう蝶で、三階層のボスがイーターフラワーっていう食虫植物みたいなのが出て来たくらい。


四階層は時間なかったからまた明日だね。

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