第三十一話『予期せぬ遭遇』
「ふぅ…。だいぶ進みましたわね…」
「なかなか突き当たりまでいかないねー」
あの部屋の奥は進んですぐ突き当たってちゃんとした宝箱を見つけたんだけどね、それから正規ルートに戻ってしばらく進んだんだけど今度は全然突き当たりまでいかないんだよねー。
結果なんか鉱石採集と蝙蝠と鼠しか倒してないんだよねー。
「あーーーもうっ!蝙蝠も鼠も見飽きましたわ!」
「あーははは…。まあ確かにね」
アルビノウルフまた出てこないかなー。
なんて思ってたら何がゴツい岩乗っけた亀が出てきたの。
「まあ!ロックタートルですわ!この亀さんは稀に大きくて綺麗な石を出すんですのよ!」
「石?それって採掘出来る石とはまた違うの?」
「ええ、もちろんですわ。まあ落ちるアイテムはロックタートルの背甲石という名前の通りアイテムというものですわね」
「本当に名前通りだね…」
「ですが、性能は最前線に通用するものらしいですわ。まあ超レアドロップらしいので期待はできませんね。それにわたくしたちが探索していた感じこの亀さんも滅多にお目にかかれなさそうですし、市場価格は相当なものになりそうですわね」
そんなにすごいの出るんだ。
ってロックタートルが戦闘体制に入った。
「来るよ!」
「わかっていますわ!」
戦闘体制に入ったロックタートルは大きく口を開けて十個以上ある尖った岩の塊を作ってこっちに向かってきたの。
それを私たち四人は回避した後に、アリシアが力の舞っていうミカ全体にSTRバフをかける技を使った後に、エルが神鳥の加護で全ダメージアップのバフをかけてくれたの。
そこから私とライムが前衛に出たんだけど、ロックタートルがすぐに次の岩魔法を発動させ私とライムに向かって打ってきちゃって…。
でもその予備動作に気づいてたアリシアが回避の舞でサポートしてくれて、私とライムが避けた所にエルがアイスニードルで岩魔法を相殺してくれて。
そのまま私とライムがまっすぐ向かって両サイドから攻撃したんだけど、すぐに甲羅の中に入って防御体制で防がれちゃったの。
「ライム!このまま攻撃続けるよ!」
「はーい!」
「エルちゃんわたくしたちは二人を援護いたしますわよ!」
「お姉ちゃんわかった!」
「フローズンフィールドー!」
エルが相手を速度低下と物理防御低下の魔法を使ってくれたの。
「速度の舞!わたくしも前に出ますわ!」
って言いながらアリシアも前線に向かって駆けてきたの。
そこからは三人で前線で戦うことになったんだけど、あまりにも物理攻撃が効きにくいロックタートルに魔法を使うことにした。
なんで今まで使わなかったかって?もちろんMPを温存してたから。
この攻略がどこまで続くかわからないし、物理だけでできれば回復にMPを回せるから。
「しょうがないライム!エル!魔法使うよ!」
「わかったのー!」
「ママりょーかい!」
「わたくしも行きますわ!」
そこからライムの光剣、エルのアイススピアにウォーターランス、アリシアが扇に風を纏わせてロックタートルに一斉攻撃。
あー、私やることないや…。
あ、もしかしてこれ…これ私の弱点…?
いや、今はそれよりロックタートルを…ってもう倒し終わっちゃってるや。
「フ、フウ様!フウ様!こちらにいらしてくださいまし!」
「急うにどうしたの?」
「ロロロ、ロックタートルの背甲石ですわ!ま、まさか本当に落ちるなんて…」
あー、それ多分ライムの称号のせいだろうね…。
まあめんどくさい事になったらやだから黙ってよ…。
「よかったじゃん。よかったらそれもらってよ。モンスターハウスのお礼とお詫びってことで。ね?」
「いけませんわ!そんなの釣り合いが取れません!」
「いいのいいの。はい、この話はもうここでおしまい!早く次にいこっ」
「お、お待ちくださいまし!…」
………
いやー、鉱石大量大量!
さすが鉱山だけあって量がすごいよ!
ただレアな石とか実装されてたりするのかな?
それとも宝石類がそれにあたるのかな?
わかんないから今度あやかに聞いてみよかな。
「あ、そうだ。アリシア、私が採掘してる間に護衛してもらってるし、なんか欲しい鉱石とか宝石あったりする?」
「いえ、特別そう言ったものはありませんわね」
「そっかーなんかお礼できたらって思ったんだけど…」
「ライムちゃんとエルちゃんがいれば十分な気もしますけど…そういう事でしたら今回いただいたロックタートルの背甲石で何か武器を作っていただきたいですわ」
「そんな事でいいなら全然作るよー!」
「ありがとうございます!今の武器がかなり前に買ったものでそろそろ新調しようかと考えていましたの!」
「まあ確かに生産とかしないなら鉱石とか持ってても意味ないしね」
そんな会話をしながら採掘してたらこの採掘ポイントも終わっちゃってまた奥に進むことにしたの。
その後も目新しいものは何もなく平和な行動探索が続いたの
「またロックタートルでも出てきたら楽しいんだけどなー」
「かなりのレアモンスターの様ですし、一回会えただけでも奇跡なのかもしれませんわね」
「だねー。あ、そういえば時間大丈夫?なんか私に付き合ってもらっちゃってるみたいになってるけど」
「全く問題ありませんわ。それに、お供していただいてるのはわたくしの方ですし」
「それならよかった。じゃあここの別れ道のマッピングも終わったし、次の道に行こっか」
それから私たちは程なくして巨大な扉の前に辿り着いた。
あー、これはなんか嫌な予感がするよ…。
「フウ様、間違いありません。これは…」
「う、うん。十中八九ボス部屋だろうね…ど、どうする?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます