第十二話『イベント』
うわー…
凄い人の数…
まあでも人気のゲームだしゲーム始まって初めてのイベントだしこんなもんだよね。
おっと、そろそろかな!
『皆さん初めまして!私はこのゲームのGMを勤めさせて頂いております、ストルフィと申します!ついに始まりました、始まってしまいました!長々しいこと話にして今は初めてのイベントえお皆さんと一緒に楽しむとしましょう』
流石に大歓声だね!
「うわっ、誰!?」
「こっちで会うのもお久しぶりって感じだねー」
「びっくりしたー、アヤカか…」
「チーム系のイベントになるってメールにあったからフウの事探してたんよー」
「そうなの?あ、発表されるよ」
「いやー、待ってましたとも!」
『それではみなさんお待ちかね!イベントを早速始めていきたいと思います!というわけで、まずは5人組パーティーを作ってください!』
えっ4人も知り合いいないんだけど!?
アヤカにレイナにファイスにジュドラに…
って居たわ。
ただアヤカ以外他の人と組むだろうメンバーだなー…
「アヤカ組めるー?」
「とーぜんっしょ!そのためにここにいるしメンバーも集めてきたんだからね〜」
「集めたの?私の知ってる人って…えっ!?」
いやいやいやいや、今私が思ってたメンバーじゃん。
「え、アヤカが集めたメンバーって全員トップギルドのメンバーじゃん!?」
「なーに言ってんのさー、うちらのギルド何もしてないけど人数も満足度もトップクラスだからね?」
「そうよ?ほとんどの話題の中心にいる人が何を言ってるのかしら?」
「あー、もしかしてフウは掲示板見てない感じか…」
「そんな感じだろうな。一気に追い上げてそのまま去って行ったもんな」
え、ねえ、待って?
みんな何言ってるの?
私が私のために作ったギルドがトップクラス!?
それに満足度って何よ!?
「私状況が全然わからないんだけど…」
「まーまー、それは後で説明するとして今はPT組んでイベント楽しみましょうやー」
「わかったけど、後でちゃんと説明してよ?」
「はいよー」
(やいやい、みんな後は任せたみたいな目でうちを見るんじゃないよ!)
「みんな、そろそろよ」
『さて、そろそろ組み終わりましたかね。4人以下でも1人でもPT扱いとなりますのでご了承願います。それではみなさん、ご健闘をお祈りしています!』
………
ここが今回のイベントエリアかー。
どっからどう見ても山頂なんだけど…
「わー、雲海が綺麗だー」
「ほんと、凄く綺麗ね」
「いやいや、レイナ?私棒読みしたよね?」
「姉さん!俺も綺麗だと思います!」
「おい…」
「え、待って!ハズレって思ってるのうちだけ!?」
「そんな事ないわよ?確かに綺麗だけど厄介なのに変わりはないわ」
「ファイスってレイナの前だとキャラ変わるよね」
「フ、フウ!今それは関係無いだろ!?ってかそんな事はない!」
「んー、あるね?」
「そうなの?私の中ではこれがファイスなのだけど…」
「なあ…」
「ファイスってもしかして…?」
「あるかもねぇ〜」
「え、どういう事?」
「お前らいい加減に…」
「おい!!!」
………
うわっ、びっくりした…
「俺を蚊帳の外にするな!あと、喋ってないで攻略はじめないとダメだろ!?」
「あら、寂しかったのかしら?それにジュっくん硬いわよ?」
「せ、先輩!その呼び方はやめて下さいって!」
「「「えっ!?」」」
「あー、ごめんなさい。私たち職場が同じなのよ」
「いやー、これは三角関係の完成かな〜?」
「アヤカ、揶揄うのも良いけどジュっくんの言う通り今は攻略始めないとだよ!」
「お、おまっ…」
「そうだね〜。確かにうちもジュっくんの意見に1票かなー」
「お前まで…」
「………」
「ファイス、そこは乗らなきゃダメっしょ〜」
「いや、遠慮しておく…」
「ジュっくんって呼び方そんなにおかしいかしら?」
……30分後………
いやー、楽しかったけどだいぶスタート遅れたなー笑
今の状況説明すると、お喋りの後改めて軽く自己紹介をした後、少し下った所に洞窟を見つけて分かれ道であえて風が抜けてない方に進んでる所。
風が出てる方は出口だろうしどうせなら、ね?
ってみんなの意見が一致して今の状況。
「にしても少しモンスター強くないか?」
「確かに2層目か3層目くらいの強さはありそうだな」
「でも、ファイスがフウ装備じゃないっていうのも理由の一つかもしれないわね」
「さっきも言ってたけどそのフウ装備って何?」
「あぁ、掲示板で話題なんだが、フウの量産装備じゃない特注装備の事をフウ装備って言ってるらしいな」
「なにそれ…」
「いやー、俺も早く欲しいっす!」
「なんでそんなブランドみたいになってるの…」
「いや、弓が売りに出されてからずっと話題になってて、最近名前がわかってからもうずっとフウの装備はブランド物よ…」
「確かにねー!フウは間違いなく化け物だからなー笑 そんな人と契約交わせてるうちらは幸せ者だからねー」
「いつの間に…」
「おっと、お話は一旦中止だ」
「多いっすね…」
「なにこの気持ち悪いの…」
「蛇蝙蝠っぽいね、2層の洞窟でこの前似たような奴見たなー」
「やるしかないわよっ!フウ、みんなに付与お願い!」
「まずジュドラの分ね《スキル付与 攻撃力強化 連携強化 溜め時間軽減》!次ファイスの
「ありがと〜」
「助かる!」
「サンキュー!」
「ありがとね!」
「って、打合せでは思わなかったけどみんな攻撃強化系なんだね…」
「ファイス、アヤカ、頼んだ!」
「「りょーかいっ」」
「ジュっくん!後ろもちゃんと警戒しなさい!」
「すんません、助かります!」
「わー、私やる事ないなー…」
みんな凄いよ、ちゃんと連携してるしそれぞれ役割分担されてるんだね。
みんな攻撃ばっかって思ったけど、ジュドラが壁しながら攻撃やってファイスは物理特化、レイナが遠距離から補助攻撃、アヤカなんて魔法剣で攻撃しながら回復までやってるよ…
最初は戦い怖かったけど今は面白そうなんだよね。
ステータス的には厳しいんだけどね〜…泣
「ほい、次っとっ!」
「アヤカ乗ってるわね」
「とーぜんよっと!多数相手は一番得意だからね!」
本当にいつにも増して楽しそう。
根っからの戦闘狂だからね。
「俺もやる事がほとんど無いくらいにな…」
「ほんと、化け物が多いと違うもんなんすね…」
「フウのバフがあるだけで威力が桁違いだものね」
「終わった終わったー、これじゃ肩慣らしにもならないやー…」
「おつかれ、私なにもできてないけど…」
「安心して、フウがいなかったらここら辺のモンスター私たち苦戦すると思うわ」
「ああ、先輩の言う通りだ」
「ジュっくんもレイナの前だとキャラ変わるよね〜」
「アヤカ、また長くなるから…」
………
ここまで結構降りてきたし、結構モンスター倒してきたのにまだ先があるよ…
ダンジョンって訳でもないのにどこまで続くんだろ…?
「おいおい、これって…」
「ちょっと待って、これミスリルじゃない!?」
「わー、またいっぱいあるね〜」
「確かにこりゃ凄い量だな」
「腕がなるね!」
………
「やっと終わったね〜」
「そうね、今だけで5セットと40個くらい集まったわね」
「ん?1セット確か99個だから…って、そんなに集まったの!?」
「面白いくらい集まったわよね。ちなみに私の分は全部フウに預けるわね」
「もちろんうちも預けるよー」
「まあ当然だな」
「当然っすね」
「え、?みんないらないの?」
「みんな欲しいわよ?でも、私たちが欲しいのはミスリル鉱石じゃなくてミスリル製のフウ装備なの。持っていても宝の持ち腐れって所よ」
「みんながいいならいいんだけど…」
そんなポンポン譲っちゃっていいものじゃ無い気がするんだけどなー…
確かまだ見つかってないんでしょ?ミスリル。
「それよかだいぶ時間掛かったし、先進んじゃおー?」
「そうだな」
「山頂が雲の上だったあたりちょうど中腹くらいかしら?」
「かもね〜。こりゃ足が疲れるわ」
ほんと足が疲れるよ。
戦いながらって言うのもあるかもしれないけど、それを言ったらみんなの方が疲れてるよね。
弱音吐いてないで頑張らなきゃ!
………
外ではその頃…
「おい、噂のフウが見当たらないぞ!」
「知らねーよ、スキャンにも引っかからないんじゃどっかでのたれ死んだんだろ」
………
「トップギルドのマスターがほとんどいないって噂本当なの?」
「全員揃ってる所1回でも拝みたかったのになー…」
………
「でもあの化け物連中が死ぬなんて事あるか?」
「そんな事ないと思うけど…」
………
「フウ様はいったい今どこでなにをしているのでしょ〜」
「あぁ、早くお会いしたいですね〜。我らが天使に!」
そんなこんなでフウ達はイベント参加メンバーの話題となっていた。
それも今回は別の意味で。
………
その頃フウ達はというと。
「くそっ、こいつ他の奴らと別格すぎやしないか!?」
「なかなか厳しい戦いっすね…」
このガーゴイル、本当に強い。
私戦ってないからあれだけど、みんなの表情が今までと違って本気だし、みんな凄い楽しそう。
あー、この気持ち。
凄いもどかしいというかなんというか…
めちゃくちゃ戦いたいんだけど!?
みんなの連携とかもそうだけど、こうなんと言うか目の前でこんなにも楽しそうな戦闘見せられたらそりゃね?
「門番くせーこいつがこんだけ強いんじゃあのデケェ扉の中にいる奴はどんだけ強いんだよっ!?」
「ジュっくん、つべこべ言わないで。ここまで来た以上あの扉の中の倒さないと帰れないんだから!」
「まあまあ〜、ボスがどんな奴にせよ通ってきた道ふさがれたら進むしかないよねっと!危ないな〜」
「こいつ消耗してきたみたいっすよ!」
「一気に畳み掛けるわよ!」
………
「疲労感半端じゃないな…」
「そうね…流石に私も疲れたわ」
「みんなお疲れ様。あんまり役に立てなくてごめんね」
「いやいやー、十分十分」
「間違いないな」
「サポート系は居たら心強いけど貢献出来てるかはわからないものね」
そうなのかなー…
何かないかな、生産職専用の武器みたいな物。
今は短剣、短刀しか装備出来ないからなー…
やっぱ専用武器欲しいよね!
今度考えてみよー!
サポートだけじゃなくて戦闘もやってみたくなっちゃったんだからしょうがないよね!
私もみんなと一緒に戦いたいし!
「みんなありがと、そろそろ扉の中入る?」
「そうね」
「準備はできてるぜ!」
「うちもオッケー!」
「俺も大丈夫っす!」
「それじゃあ行きましょうか!」
この緊張感、今までにない感じ。
私でもこの奥に強いのがいるってわかるよ…
「おもっ!?」
「ジュっくん、しっかりして?」
「先輩、本気ですって!」
「ファイス、手伝ってあげて?」
「わ、わかりました!」
「いくぜ?」
「「せーの!」」
「姉さん、これマジのやつです…」
「アヤカ、私達も手伝いましょ…」
「はいよー!」
「いくわよ!」
「「「「せーのっ!!!」」」」
「あー、これはダメだね〜」
「ほんとピクリともしないわね…」
「だろ?」
「アヤカ、どうしたの?」
「ひらけ〜ごま〜!」
………
「は…?」
「アヤカ、急にどうしちゃったのよ?」
「いやー、こういう扉の定番かと思ってさー。まあ、そう簡単にはいかないか〜」
こんな巨大な扉開くわけ…ってあれ?
少しだけど魔力が流れてる…?
気のせいかもしれないけど、そんな気がする。
「ん、ちょっといい?」
「お、フウもチャレンジか!」
「うちら4人でもダメだったんだよ!?」
「何か考えがあるのかもしれないわよ?」
「姉さんの言う通りっすよ!」
扉に手を当てて、扉に魔力を流し込むイメージでっ…!
「「「「!!!??」」」」
「う、嘘だろ…!?どんだけ馬鹿力なんだよ…」
「いやいやー、本当にやっちゃったよ…」
「でもどうして?」
「えっとね、扉に魔力が流れてる気がしたからもしかしたらと思って魔力を流しながら押してみたの」
まさか自分でも本当に開くなんて本気では思ってなかったんだけどね。
「「「そんな考えが…」」」
「扉の中はすごい広い空間みたいっすよ」
「間違いなくボス部屋だろうな…」
「ここからが本番だからな〜」
「フウ、みんなに付与お願い」
「りょーかい!」
………
「それじゃあ行くっすかね!」
「そうね!」
本当に何も見当たらない。
それに扉が大きいだけに中もすごく広い。
「ねえ、なんか風強くない?」
「てかこれ翼で羽ばたいてる風圧じゃねーか!?」
『コノ我ノ眠リヲ邪魔シタ挙句、我ノ住処二侵入シ宝マデ奪オウトシタ虫ケラハ貴様ラカ!我ノ力デ消シ炭二シテクレル!』
「こいつっ…」
「うっ…」
「2人とも大丈夫!?」
「いや〜、これは想定外中の想定外だよ…」
「ほんとっすよ…まさか…」
「ああ、まさかファフニールが出てくるなんて聞いてないぞ…」
「ファフニールってあの宝を守ってる竜の事だよね!?」
「ああ、これは厳しい戦いになるぞ…」
「とにかくまずはいつも通りやるしかないわ!行くわよ!」
「「「りょうかい!」」」
「ファフニールの鱗は硬いから気をつけてねっと!」
………
「っ!!?あぁ、こりゃ打撃が欲しい硬さだな…」
………
「速さが売りの俺は厳しいっすね…」
………
「私の矢も柔らかそうなところでやっとって感じだわ…」
………
「聞いてる感じの攻撃はうちの魔法剣だけっぽいねー…」
「何か作戦考えないと、このままじゃ勝てないわよ…!」
どうしよう、このままじゃみんな負けて全滅しちゃうよ…
せっかくの最初のイベントなのにそんな結果で終わっちゃうなんて絶対につまらない。
私に何かできることがあればいいんだけど…
あ、ライム呼んだら少しは違うのかな…?
こんな所で隠して出し惜しみしてる場合じゃないよね!
「フウ、ライム呼ばないときついかもしれなっ…こうなっちゃった以上全滅よりかはマシだと思う!」
「うん、私もちょうど同じこと思ってた!ライム、お願い!」
「フウ〜?どうしたのーって、わっ!?」
「戦いの途中に呼んじゃってごめんね!私達じゃ倒せなさそうだったからライムに手伝ってもらいたいの!」
「まっかせるのー!」
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