第四話『ダンジョン攻略 前編』

まずは準備からだね!


一応この間の露店の時に初級ポーションと中級ポーションは10個ずつ取っといたけど足りるかな?


でもまあ、ライムも回復魔法使えるし大丈夫だよね!


あとは私の武器と防具だよね、今の装備じゃ心配だからなぁ…


レイナから貰ったこれ…



●一角兎の水晶角

レア度 5

特徴 : 一角兎の特異個体。角に多くの魔力がある。



必要ないって言ってたけど相当貴重なやつだよね…


あとはこれ



●ダマスカス鉱石

レア度 4



これってあれだよね、現実の方で波打ってる包丁に使われてるやつ。


とりあえず、鍛冶場でダマスカスのインゴット作っちゃお!


カンッカンッカンッ…カンッ……



●ダマスカスのインゴット

レア度 5



よし、とりあえず1個完成だね!


これを後5回…


………


出来た!ただ何を作るかだよね…


アヤカの剣でしょ、あと包丁も欲しい。


あ、竹弓改このあいだの防具みたいに補強できないかな!?


試してみる価値はあるよね!


まず、竹弓改を作って、弦とかのパーツを全部外して、本体だけに。


次にダマスカスのインゴットを薄く伸ばしていって、本体に巻きつけながら叩いて………


………1時間後…


終わった!試行錯誤の末こうなりました!



●竹弓・改(ダマスカス補強)

評価 10 レア度 6

能力 : ATK+40 STR+15 DEX+19

射程距離延長(中) STR50未満の場合AGI-20



このSTR50未満の場合AGI-20っていうのは重さ故のハンデって感じかなー?


レイナさんステータス大丈夫かな?


ダメだったらオークションに出せばいいか!


次はアヤカ用の剣だね!


鉄と同じ要領でやれば出来そうだよね!


………



●ダマスカスソード

評価 8 レア度5

能力 : ATK+30 STR+10



ちょっと違った…


あとインゴットは4つか…無駄には出来ないから次で最後にしよ…


カンッカンッ…カンッ………



●ダマスカスソード

評価 10 レア度 6

能力 : ATK+30 STR+15 斬撃強化(小)



よし、とりあえず10出来た!


弓より弱いのはしょうがないかなー。


剣の改とかってどうやって作るんだろ?


今度銅で実験してみよー。


あ、そうだ!その前に一つ試したい事があったんだよね!


やってみたいのはね《付術》。


チュートリアルでは


武器や味方に一時的に能力を付加する力などetc…


ってなってて、ずっと他の使い方考えたり調べたりしてたんだけど、武器に永続的に能力を付加してる物語があったりしたから試してみようと思って!


何を付加しようかなー…


最初はやっぱり属性かな?


まずは銅の剣に火属性をつけてみようかな。


付与のタイミングだけど、剣が完成してからじゃ一時的なものになっちゃうから、作ってる途中でやってみようと思ってね!


まずは銅の剣でチャレンジしてみよう!


カンッカンッカンッ……


ここで《スキル付与 火属性》!


カンッカンッカンッ………



●銅の剣

評価 10 レア度 2

能力 : ATK+12 STR+6

付与 : 火属性



あ、出来た。


じゃあ次は二つにチャレンジ!


付与は火属性と斬撃強化かなー


………


ダメ、最初に入れた火属性しか入ってない。


次は鉄の剣で再チャレンジ!


………


これもダメかー。


じゃあ最後にダマスカスソードで!


………



●ダマスカスソード

評価 10 レア度 6

能力 : ATK+30 STR+15 斬撃強化(小)

付与 : 火属性 斬撃強化



あれ、入った…?


どんな条件なんだろ?レア度かな?


あ、さっきの竹弓改(ダマスカス補強)がレア度6だったからやってみよ!


付与は何にしようかな?


貫通力強化と空気抵抗軽減かなー?


………



●竹弓・改(ダマスカス補強)

評価 10 レア度 6

能力 : ATK+40 STR+15 DEX+19

射程距離延長(中) STR50未満の場合AGI-20

付与 : 貫通力強化 空気抵抗軽減



うん、レア度の問題だね!


レア度5かなー?まあでも付加多すぎても壊れない事わかったからいいや!


次は例の水晶角だ…


なにせ1つしかないから失敗出来ないしやれるだけの事やるだけだね!


まずは何を付加するか考えなきゃね!


何つけようかな…


んー、風属性と斬撃強化かなー。


そうと決まれば早速作ろう!


基本的なやり方は短剣と同じやり方だけど、金属とは違う気がするし割れたりしたら嫌だから慎重にゆっくり丁寧に…


そしてここで《スキル付与 風属性 斬撃強化》!


よし!ある程度形出来てきた。


ここからが本番だね。


………


なんとか刀身出来た!


柄はダマスカスでいいかなー。


こっちはもう手慣れたもんですよ!


………


柄も完成したから、刀身と合わせてこうして…


よし!最後は鞘だけどどうしよ?


なんか残ってたっけな?


アイテムボックスの中になにか…


あ!これ、この前防具作った時に残った岩蝙蝠の皮が残ってるからこれで作ってみよ!


岩蝙蝠の皮は裁縫だけでも出来るけど、鍛治も使ったらいい感じになったんだよね!


今回も前と同じように…


できた!



●クリスタルダガー

評価 9 レア度 6

能力 : ATK+25 MATK+35 STR+15 INT+25

魔力放出(中)

付与 : 風属性 斬撃強化



んー…こんなもんかな。


魔力放出が何かわからないから後で試すしかないね。


こんなもんかな!


明日もあるし宿屋行って寝ちゃお。



………



さ、ダンジョン攻略当日だね!


「ライムおはよー」


「ごしゅじんおはようなのー」


「今日はよろしくね!」


「がんばるのー」


待ち合わせしてる事だし噴水まで行っちゃおう!


………


「あ、あんた昨日ここで露店やってた子だよな?」


「はい、そうですが…」


「今日はやらないのか?あんたの露店で買ってから他では評価低くて買えないって奴だったり、掲示板で話題聞きつけて買えなくて次に期待してる人とかが多くてな」


「えっと、あなたは?」


「おっとすまんね。俺ぁ《グリフェレイウス》ってギルドマスターをしてるファイスってんだ」


「フウです、よろしくお願いします」


「敬語なんて使わなくていいって!こっちはあんたの商品気にってて仲良くなりにきてるんだからな!」


いや、そんなに大きな声で笑わなくても…


しかもこの人すごい暑苦しい…


「じゃ、じゃあ、よろしく。悪いんだけど私待ち合わせがあるからそれじゃあ」


「お、おい!ちょっと待ってくれ!せめてフレンド登録だけでもお願い出来ないか?素材集めでもなんでも手伝うからよ!」


「いいですけど…」


めんどくさそうな人に絡まれたなぁ…


まあでも危害を加える感じじゃなかったから良かったけどね。


2人ともまだみたいでよかった…


ギルドかー、確か100万Gだったけなー。


どうせお金いっぱいあるし作ってみても楽しいかもね!


「やー、相変わらず早い早い。お待たせしましたー」


「あ、アヤカ。恒例の、はいこれ」


「ん、今度は何作っ……は?」


「………」


あー、この展開ね…うん、わかってるよ。


確実にこれはやばいやつだね…


「あのね。これどうやったの?」


「えっとね…」


「いや、待って言わなくていいや…」


「どうして?まあいいけど」


急にどうしたんだろう?


まあアヤカがいいならいいけど。


「あら、私が一番最後だったのね。ごめんなさい待たせちゃって」


「大丈夫!あ、そうそう昨日これ作ったから渡しとくね。水晶角のお礼も兼ねて!」


「あれは私がお礼に渡したものだ…って…は!?」


「あ、その反応すっごいデジャブ」


「これ一体どうしたの!?一昨日の私の感動返して!?」


「えー、ひどい。でも喜んでくれててよかった!」


「ええ、まあ当然でしょう。こんな装備にお目にかかれるんだもの」


「まあそういう反応になるよねー。私もさっき同じ感じの貰って同じこと思ってるし…」


「あ、役所によっていい?一つオークションに出したい物あって!」


「「まって!!」」


「どうしたの急に2人とも」


「付与有りの武具はまだ出さないほうがいいわよ?」


「そうだぞー。そこら中のプレイヤーがフウを探し回ることになるかもねー」


「大丈夫、今回出すのは竹弓改のダマスカス補強してあるだけのやつだから!」


(それでも十分すごいってわかってるのかなーフウはー…)


(この弓の付与無しでも十分凄いわよ)


「ちゃちゃっと行ってすぐ戻ってくる!」


………


「ただいまー!いやー、ガゼルさんいなくて良かったよー!(絡まれたら時間かかりそうだし…)」


「おかえりー、それじゃあ行っちゃおうかー」


「そうね、早いとこ終わらせちゃいましょ」


………


「ここが2階層に行くためのダンジョンなの?」


「そだよー、まだボス部屋見つかってないから誰も攻略出来てないけどねー」


「ファイブトップギルドの各ギルドも必死になって探してるけれど、確かに見つかってないのが現状よ」


そんなに広いのかな?


あ、そうだ!


「ライムおいでー」


「ご主人お待たせなのー」


「この子がライムちゃん?」


「そう!可愛いでしょ〜」


「ライムちゃん、フウの友達のレイナよ。よろしくね」


「レイナ、よろしくなのー」


………


「だいぶ下まで降りて来たわね」


「ダマスカスはあるけど、マカライトも無ければボス部屋も無いねー」


「ここも行き止まりかー…」


ここの壁、他と比べたらやけに壁平らになってない?


気のせいかな。


「ごしゅじん、ここの壁にせものなのー」


「えっ、ライムわかるの!?」


「わかるのー、この壁からまりょくを感じるのー」


魔力?まあいいや、壁に手当ててみ…って、えっ!?


手が壁をすり抜けた!?


魔力ってそういう事か!


アヤカとレイナ先行っちゃったし知らせなきゃ!


「アヤカ!レイナ!道見つけたよ!」


「フウ、ナイス!よく見つけたね!」


「ちょうど私たちもマカライトの鉱石、小だけど見つけたわよ!恐らく掲示板で言ってたのはこれのことじゃないかしら?」


「まだまた足らないね、こっち!ライムが教えてくれたの。ほら!」


「うわー、フウが壁に入ってくよ…」


「ゲームとかアニメでよくある仕掛けね。アヤカも急ぎましょ」


すごい、ここダマスカス鉱石とマカライト鉱石、あと銀鉱石がいっぱいある!


「これはあれだねー、ボーナスエリアってやつだね」


「そうね、私も見るのは初めてだわ」


「じゃんじゃん採掘しちゃおー!」


………


こんなもんかなー。


「みんなそっちはどう?」


「こっちも片付いたよー!」


「こっちも終わったわ」


「ボス部屋も見つからなかったし帰ろっかー」


ボスちょっと興味あったんだけどなー…


まあしょうがないよね。


「ごしゅじん、うえになにかいるー」


「「「えっ!?」」」


何も見えない、何がいるの!?


「これはちょっとまずいわね」


「何がいる!?」


「黒い大蛇って言い方が合うかしらね」


「私全然見えない…」


「来るわよ!」


初めて強い相手との戦闘緊張する…


私はまずサポートに徹しよう!


「うちが突っ込むからレイナはフォローお願い。フウはやる事多いかもしれないけど、私に攻撃力上昇、魔法攻撃力上昇、回避率上昇の付与お願い!あと、ライムにはバックフォローと回復役の指示お願い!」


「「りょーかい!」」


「《スキル付与 攻撃力上昇 魔法攻撃力上昇 回避率上昇》!ライム、今のアヤカの指示通り魔法攻撃と回復役お願い!」


「りょうかいなのー」


「フウ、私にも攻撃力上昇、魔法攻撃力上昇、発射速度上昇の付与お願いしてもいいかしら?」


「わかった!《スキル付与 攻撃力上昇 魔法攻撃力上昇 発射速度上昇》!」


(この剣すごいなー、魔力込めながら剣握ると剣の周りに切っ先に向かって高速の風を纏ってる!こうやって…切った側から返り血浴びないのと風が追加で切ってくれるからいつもよりダメージ入る!これでっ…!)


「レイナ、お願い!」


「了解したわ!」


(えっ!?貫いた!?この弓…すごいわ!この前の竹弓改も凄かったけど比べ物にならない!矢のスピードも威力も段違いよ…)


「ライムちゃん!任せたわ!」


「ライム、お願い!」


「りょうかいなのー」


………


「なかなか硬いねー」


「これだけ強い弓撃って生き残った敵はオルトロス以来よ…」


「恐らくボーナスエリアだけどこれを倒せたらって条件付きだろうね…ダンジョンは外に出るまでに死んだら中で手に入れたアイテム、ロストしちゃうから」


「そういう事なんだ…」


「フウ、レイナ!畳み掛けるよ!」


「「りょーかい!」」


「ライム、一番すごいのやっちゃって!」


「まかせるのー」


やっぱライムの魔法は凄いね!


光の剣5本が蛇に向かってすごいスピードで飛んでくよー!


「「「終わったーーー……」」」


いやー、長かった、すごい長かった…


でも前までは怖かったけど戦うのって楽しいね!


「ポーション半分も使わなかったねー」


「うん、まあ硬かったけどダメージがそこまででかいわけじゃなかったからね。動きもそこまで早くないから途中から読めたし」


「そうね。でも、ひさびさに強者と戦闘できて楽しかったわ!でもまあ、今回の勝利はフウの物でしょうね」


「そだねー。ライムもそうだけどフウが作ってくれたポーションと武器がなかったらきつかったかもね…」


「役に立ったならよかったよ!ライムもおつかれー」


「ごしゅじんもおつかれーなのー」


「少し休憩したら帰ろっかー」


「そうね、それがいいと思うわ」


………


「それじゃあそろそろ帰りましょうか」


いやー、今日は楽しかったなー!


戦いも楽しいけど、こうやって自分が作った装備を褒めてもらえたり実際に役に立ってるところを見るとなかなか感慨深いものが…


って、まあそれは置いといて親心みたいなのが湧いて来るよね笑


…ん?あれ?


「ねー、アヤカ。この右の道今日まだ行ってないよ?ここまでずっとマッピングしてたから間違い無いと思う」


「「え!?」」

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