結婚式
勝利だギューちゃん
第1話
今日は彼女との結婚式。
僕も彼女も、騒がしいのは嫌いだ。
しかし、形式だけも納得がいかない。
なので、森の小さな教会でふたりきりで結婚式を挙げよう
それで、意見が一致した。
披露宴は、ハネムーンの後にすることにした。
もともと、僕も彼女も、老後は自然の中で、
動物や鳥たちにかこまれて、静かに余生を過ごしたいと考えている。
その下見もあった。
大袈裟だが・・・
「ねえ、あなた」
「どうした?」
「本当に、わたしなんかでいいの?」
「なぜ、それを聞く」
「だって、あなたは優しから・・・」
「喧嘩売ってんのか?」
僕は女の子にもてない。
ていうか、完全に敵対している。
そんな中で、唯一僕自身の事を、好きになってくれたのが、彼女だ。
「なら訊くが」
「うん」
「君こそ、どうして僕を選んだ」
「何が?」
「君こそ、いくらでも相手がいるだろ・・・」
彼女は、もてた。
男女問わず、友達が多い。
なので、告白も毎日されていた。
でも、断っていた。
なぜだ?
「あなたと同じだよ」
「同じ?」
「私は、毎日を怠惰に生きている人が我慢ならなかったの?」
「怠惰に?」
「うん。私に告白してき男の子は、ステータスとして、私を彼女にしたかっただけ」
「ステータス?」
彼女は続けた。
「でも、あなたは私自身の事を、心から愛してくれた。
女の子は、敏感なんだから・・・」
「後悔しないな」
「うん。しないために、私はあなたを選んだ。あなたもでしょ?」
「ああ。全くだ」
季節は春。
てんとう虫のサンバではないが、虫たちがお祝いをしてくれた。
結婚式 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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