第36話 天空に紡ぐ声
魔界時間18:00 帝王都サタンヘイルダム
『天空の架け橋 企画会議室』
AD:ディレクター!見つけました、見つけましたよ!天空の架け橋の専属ナレーター候補!
ディレクター:おっ!誰だ?
AD:テレ骸ですよ、テレ骸!テレ骸のデルクです!
ディレクター:テレ骸って、テレビ
AD:そうです、数多くの天界映画の吹き替えをして、名だたるアニメ映画の主人公の声をやった声優のデルクですよ!
ディレクター:とあるバラエティ番組のナレーターをやってからは人気ナレーターとして活躍している・・・だったか?
AD:はいっ!もう彼しかいませんって!
ディレクター:会うだけあってみるか。
『1週間後 ゾンバルト帝国 帝都骸王』
デルク:さて、今日の仕事はこれで終わりだな♪
ユリカ:このイケメンのお兄さんこそ、私に代わってこの番組のナレーターをする事になるかも?のアンデット族のデルクさん。
AD:デルクさ〜ん!
デルク:ん?
AD:OHNテレビのディレクターさんが来てデルクさんに話があるそうですよ。
デルク:OHNテレビって、帝王都サタンヘイルダムにある魔界宇宙最大のテレビ局だろ?何でまたそんな大手のテレビ局のディレクターが?
AD:さあ?応接室で待ってるそうなので行ってみたらどうです?
デルク:行ってみるか。
『局内応接室』
ディレクター:おっ!来たね♪
デルク:ども。
デルクを見るディレクター
ディレクター:いやぁ、ゾンバルト帝国の防腐技術は凄いと聞いてはいたけど、腐臭もしないしアンデットと言われるまでは生者と見分けがつかないね♪
デルク:それで、お話っていうのは?
ディレクター:そうだった!魔王少女物語って知ってる?
デルク:数多の超大国相手に国土争奪戦争を勝ち抜いた1人の魔王を追うドキュメント番組でしたね、魔界宇宙で高視聴率を叩き出してるからハッキリ覚えてますよ♪
ディレクター:てことは、視聴者の声を元に同系列の番組6本やってるのも知ってるよね?
デルク:ええ、知ってますし全部観てますよ♪
ディレクター:それなら話は早い。じゃあ、もしその中でナレーターをやるとしたらどれが良い?
デルク:天空の架け橋ですかね。
ディレクター:理由を聞いても?
デルク:天界の神々って、天地創造をしてからなんかこう、プライドが高いっていうか傲慢で強欲になってて差別的じゃないですか。我こそは正義みたいで。そんな中で俺達魔族を偏見の目で見る事なく天界の現状を何とかしようと賢明に頑張ってる姿に感動したっていうか。
ディレクター:そんな彼女の活躍を追ってみたいってわけだね?
デルク:ま、そんなところです♪
ディレクター:確かに、己の保身と利益しか考えない神々の中じゃ珍しいよね〜。
デルク:その上、天界宇宙に巣食う巨悪に立ち向かう姿もカッコイイですし♪
ディレクター:そうそう!そこが、そこいらの女神様と違うとこなんだよね〜♪で、受けてみる気ない?
デルク:良いんですか?
ディレクター:勿論♪
デルク:そんじゃ、よろしくお願いします♪
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