第8話天界進出
アオイ:国の復興も徐々に進むローラント王国。そこに国の惨状を知った魔界の企業が天界進出に挑むのでした。
魔界時間16:00 帝王都サタンヘイルダム商業エリア
『社長室』
バンパイア族の女性:ふえ〜ん!またやっちゃったー!
アオイ:この方はバンパイア族のミサ・クランジーナさん。魔界宇宙で5本の指に入る製薬業界最大手『流鮮製薬』の社長さんです。
秘書:またですか社長。ちゃんとフォルダを分けておかないからですよ。まったく、胸ばっかり育って。もう120cmあるんじゃないですか?
ミサ:まだ110cm!それにそんな言ったって毎日こんな量無理だよ〜!ふぇ〜、研究室で研究してた頃の方がよっぽど楽しかった・・・・ココア飲む。
席を立った瞬間盛大にコケる
ミサ:ふぎゅ。
秘書:(はぁ、社長は研究の事以外になると鈍臭いというかドジというか)私がやりますから。
ミサ:あ、アイスでお願い。
2分後ココアを差し出す秘書
秘書:どうぞ。
ミサ:ありがとう♪
宙に浮いたモニターに映る妖狐族の男性
妖狐族の男性:ご機嫌麗しゅう、ミサさん♪
ミサ:や、薬膳社長⁉︎
護:『例の件』考えて頂けましたかな?
アオイ:この方は魔界宇宙財界に君臨する12人の『王』の称号を持つ財界人『トゥエルブ』の1人、『製薬王』
ミサ:我が社が妖凱製薬グループとの経営統合しないかというお話ですよね?
護:そうです。
ミサ:それは以前からお断りしている筈です。
護:貴女の薬学に関する豊富な知識と技術を高く評価しているんですよ♪
ミサ:貴方が欲しいのは私ではなく、私が開発した『新薬』の製法なのではないですか?
護:いやはや、貴女には敵いませんね。天族や我々魔族の最も恐る『感染型精神汚染物質カオス』の特効薬。血液を熟知し尽くしたバンパイア族だからこそ成し得た製法。正直言えば製法だけでなく、それの開発を成功させた貴女も欲しい。
ミサ:実は天界のローラント王国から誘致を受けておりまして、本社をそちらに移転しようと考えており、先月役員会議と社員アンケートの結果、満場一致で決まったので私も明日行く事ところでした。
護:カオス治療が遅れている天界だからこそのビジネスチャンスというわけですな。流石です、私の目に狂いはなかった♪が、そういう事でしたら仕方ありませんね。
ミサ:折角のお誘いすみません。
護:良いんですよ。道中お気を付けて♪
ミサ:はい。
通話を切る護
秘書:書類整理は明後日の移転後にして、移転準備を済ませてしまいましょう。
翌日 天界時間10:00 ローラント王国 王都次元国際仮設空港
『国際線 出口』
ミサ:ここが天界、もっと煌びやかかと思ったらなんかこう・・・
秘書:殺伐としている、殺風景。
ミサ:ちょ!言い方!
ミサ達を出迎える桃香
桃香:いや〜!遠路遥々よぉ〜来てくれました〜♪
アオイ:この方は福の神の財政大臣の春日野桃香さん。彼女に関して詳しくは前回をご一読ください♪
奇子:チョリ〜ッス。
ミサの胸を揉む奇子
アオイ:この方は知恵の女神でこの国の科学大臣、
ミサ:うっひゃあ!
ゲンコツを喰らわす桃香
桃香:何しとんねん!ちゃんと挨拶せんかい!
奇子:ふぁい。
桃香:ネットで見たイメージとちゃいますやろ。煌びやかなのは中央部だけで実際はこんなモンです。ここは『次元大震災』の被害を受けて特に酷いんですわ。
ミサ:噂には聞いていましたが、ここまでだったなんて。あ、女王様はお城ですか?
桃香:あ〜、ウチの女王様は今地獄界におりますねん。この次元大震災の被災者の1
ミサ:そうだったんですか。
桃香:まぁ、裁判が終わったら直ぐに戻ってきますよって。新社屋にご案内します♪
『30分後 流鮮製薬新社屋』
秘書:天界は次元工学の技術も遅れてるとは聞いていましたが、空間転移技術まで遅れているとは。
ミサ:だから言い方!
桃香:あ〜、全く発展してないってわけやないんです。次元エネルギー精製プラントがまだ建設中やさかい、周囲の空間が安定しておらへんねや。
奇子:薬あんがと♪それと乳デケェな。
桃香:失礼やろ!それとちゃんと主旨言わんかい!コイツが言いたいのはカオスの特効薬の事ですわ。
ミサ:あ、良いんですよ♪あの薬は感染していなくても予防ワクチンとしても使えますし、次元大震災の被災地域が特に必要ですからね。
桃香:ホンマ助かりましたわ♪
奇子:・・・じゃ。
桃香:待てい!『じゃ』やあらへんわ!何処行くねん。
奇子:終わったから帰って寝る。
桃香:アンタは女王様の代理やろうが!まだまだ仕事は残ってんねんで。
奇子の襟元を掴んで引っ張る桃香
桃香:ほなゆっくりしたってください♪ホレ行くで!
奇子:あ〜れ〜、お〜た〜す〜け〜・・・
ミサ:・・・・・・
秘書:・・・・・・
ミサ:ちょっと早いけどお昼行く?
秘書:行きますか・・・あ、そこ瓦礫。
盛大にコケるミサ
ミサ:おぶっ!
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