こんな事やってりゃ日本国内の反米派は勢いづくわな(元ネタ:米軍機母子殺傷事件より)

日本の、とある在日米軍の空軍基地。

とある一機のジェット機が滑走路の端から飛び立とうとしている。

そしてアフターバーナーを吹かし、急加速する。

ここまでなら日常的な航空訓練であろう。

だがこの時は、何やら様子がおかしかった。

それというのも、この機体が容易に離陸しない。

このままではオーバーランになり、市内へ飛び込み大惨事に

なりかねない状況だ。ようやく機体の前脚がふわりと浮かび

離陸し始める。それに釣られる様に後脚も浮かんだ。

やっと離陸が叶ったかと思われた瞬間、前代未聞の惨事が起きた。


それというのも、その基地の滑走路の西端から800mあまり離れた

道路を自転車で走っていた母子に接触したばかりか、

市街を超低空で飛行し市街にある建物の窓ガラスが

衝撃波で割れたり、通行人の鼓膜に著しい傷害を負わせた上に

信号待ちしていた多くの自動車が飛行機のジェット噴射によって

沖天に吹き飛ばされ路面に叩き付けられてしまったからだ。

当然、数多くの死傷者を出した。


この事件で、多くの市民の在日米軍に対する怒りと反感が

巻き起こり新聞やテレビもこの件を取り上げ

世論は在日米軍とアメリカ政府に対する非難へと繋がった。

この異様な離陸の仕方に関し、在日米軍側は

異常な高温であるが故の不可抗力とした。これに対し

地元ではアメリカ軍パイロットによる超低空飛行などで

地域の人々に対する迷惑行為が横行しており

日本側はクリプトン・R・スコット空軍中尉の悪ふざけだと主張し

この中尉は普段、他のパイロットと同様に地元住民に対し

からかってやろうとしていた結果、この事案を招いたのである。

議会も軍司令に対しまともな調査をやる様に伝える一方で

警察も同中尉を検察にも起訴した。


しかしアメリカ側は、今回の件はあくまでも公務中に起こった出来事とし

日米地位協定により日本側の第一次裁判権が放棄され捜査も終了させられた。

結局は日本政府が遺族に高額の補償金を支払う事で、

半ば強引と言える幕引きとなった。当然、この半ば泣き寝入りとしか思えん

結果に世論のアメリカ側に対する怨嗟は鎮まる訳が無く、

沖縄の基地問題も手伝って日本国内の反米感情は余計ヒートアップ

させただけという何とも後味の悪い顛末を迎えたのである。


この記事を読んだおバカこと尾場寛一は、

「結局は強ければ何をしても許されるんだな?それが如何なる悪事を働いても。」

結局、強い者が自分より下の者を裁く事はあっても

強い者が自ら犯した事に対する自らを裁く者は

この世に実在しないというのを思い知らされた。

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