腐ったご飯は体に悪い

 先週の月曜日あたりから、この私の珠のお肌に、ビーズを散らしたような吹き出物ができていた。ここしばらく肌荒れとは無縁だった上、従来とは少し違う荒れ方だったので不思議に思っていたが、原因はどうやら作り置きしているおかずが一部腐っていたことらしい。


 たしかに吹き出物ができたのと同じくらいの時期から、冷蔵庫内が妙に臭かった。それなのに、おかずの腐敗にすぐに気が付かなかったのは、おかずの各タッパーを開けて直接臭いを確認しても、どれも中身は別段臭くなかったからである。


 しかし先日、そろそろ作り置き分を食べきろうかというブロッコリーのお浸しを2、3個つまんだところ、妙に触感が柔らかいことに気がついた。


 食べる前の再加熱をやり過ぎたのだろうか?と食べていたブロッコリーをまじまじと眺めてみたところ、茎の部分がところどころ紫とも茶色ともいえない色合いに変色していたり、粘性を持ったミルクティブラウンの何かを身にまとったりしていて、相変わらず臭いに異常はないものの、調理したてのヘルシーな状態から程遠いことは明らかだった。


 しかし、この話を聞いた皆さまはどうか、私が腐った飯を食べても肌が荒れる程度で済む人間だからといって、人様にも同じものを平気でお出しするような、根性まで腐った人間であるとは思わないでほしい。

 あくまで自分で食べるものだから、異常を感知するセンサーが鈍くなってしまっただけなのだ。




 ────────と、言いたいところだが、私に限らず このようにだらしのない人間の世迷言は真に受けるべきではないと、親愛なる諸君には進言しておこう。

自分で食べる飯をよく見ていない奴は、どうせ他人様に出す飯もよく見ていない。本人は注意しているつもりでも、常人のそれと比べればたかが知れているだろう。


 それに、なんかの漫画に出てくる誰かも言っていた。自分自身を大切にできない奴が、誰かを大切にできるわけがないのだ。

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