美魔女大集合

 寒い。


 今週だけで少なくとも3回は雪が降った。朝夕は気温が氷点下にまで達する。布団から出る前にエアコンのスイッチを入れないと、顔を洗いにも行けない寒さだ。


 確かに、職場の人々は「仙台は雪、積もらないですよ~」と言っていた。「降らない」とは一言も言っていなかった。でもまさか、「積もらない量がコンスタントに降ります」という意味だとは、思わなかった。


 もー、ありえん。私は家の中では裸足でいるのが好きなのだが、エアコンの効く寝室ならともかく、キッチンや洗面所の床は、裸足で歩くと鈍い痛みを感じるほどに冷たい。そこでモコモコルームシューズを買って導入したのだが、私は足汗をかきやすい体質なので、素足のままシューズを履くと段々内部がしっとりしてきてしまう。まぁ、靴下を履いたら良い話だというのはわかるのだが、窮屈だからできれば履きたくないのだ。ジレンマである。






 今回はこれだ!というトピックが思い浮かばなかったので例の書きぞめお題メーカーを頼ったところ、以下の神託を得た。




 『美魔女大集合』




 パンチが利いている。ちなみにもう少しマイルドなやつはないかな、と立て続けに回してみたところ、『脱獄』『おねだり妻』『ルックJTB』が出てきた。とてもじゃないが手に負えない。大人しく『美魔女大集合』をいただこう。


 


 Wikipediaによると美魔女とは、“光文社が発行するファッション雑誌『美STORY/美ST』による日本語造語。才色兼備の35歳以上の女性を指し、「魔法をかけているかのように美しい」ところからきている。” だそうだ。


 まず、美魔女のスタートラインが思ったより早いことに驚いた。うすぼんやり「45歳以上くらいかな?」と思っていたのだが、まさかの35歳、予想より10歳も下である。


 美魔女……。褒め言葉みたいな雰囲気でよく使われているが、私はどうしてもこの言葉にプラスのイメージを持てない。だって単に『美しい女』と言いたいなら、美女と言えば良いのだ。それを何故わざわざ余計な一文字を付け加えるのかというと、その女が若くないということを、暗に示したいのではないかと思ってしまう。実際には「(おばさんだけど)魔法をかけているかのように美しい」、「(若作りの)魔法をかけているかのように美しい」と言いたいんじゃないのか、と。まさしく、魔の一文字である。


 いま私の背後に鈍器を持ったシュレディンガーの美魔女が爆誕したが、いない方の50%に賭けてこのまま話を続ける。


 一体どういう経緯で、この言葉が生まれたのだろうか?あまり想像したくない。この日本のどこかで「35歳以上を美女って言っちゃうとなんか違和感ですよね~…。美魔女ってどうすか?w」「いいね!」みたいな会話があったのかもしれないと思うと、鈍器で殴られたかのように頭が痛くなる。




 世の中って何故こうも、女の年齢にうるさいのだろうか?それとも私が敏感になっているだけだろうか?美魔女という言葉に関しても、穿って考えすぎなのだろうか?


 以前スナックでバイトをしていたときに、60代半ば・飲食店経営者の男性に年齢を訊かれて24だと答えたところ、「えー、意外と行ってるんやな。期限ギリギリやん」と言われた。




 ぎっ、ギリギリ!!!!?


 24歳、期限ギリギリ!!!!!?




 言いたいことは山ほどあるが一旦置いておいて、このように、女性を年齢で勝手にカテゴライズする人は、結構いる。さらにそのことをわざわざ口に出してしまう人も、時々いる。イメージでは、女性の部下にセクハラをかます中高年の男性や、女性にすれ違いざま外見の評点を投げつける、イキリ散らした男子学生が浮かびやすいかもしれないが、この地球上にはもう1種類、女性の年齢について無遠慮に言及し、「○○歳はもうオバサン」だとか、「××歳でビキニ着るのは犯罪でしょ」だとか、平気で口に出す人種がいる。若い女である。




 今回はかなり長くなるので、ここで一旦切る。(続きの記事は同時にアップしています。)

 

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