1話 同居人

僕の名前は英智、長塚英智。23歳。独身。

今、旅館で受付の仕事をしています。

その旅館の寮の個室を借りて住んでます……二人で。 ?


個室なのに同居人が居るという展開。

「お~い。帰ったよ」

少し高めの声の男が帰って来た。なぜ、個室で二人っきりで住んでいるかというと、何でも旅館の事務員さんの手違いで、一人、部屋の用意するのを忘れたという。それで、個室に二人。

まじか~っ!と落ち込んでいた。それに俺は同居人の名前を知らない。最初住む事になったとき、俺は自己紹介をしたが、もうひとりの同居人は「よろしく」と手を上げて話しただけ。

なので知らない。しかもゲームやアニメが好きみたいで誰とも喋らず、ずーと画面見てる。俺はゲームとかアニメは好きだけど、あまり人よりかはやらないし、みない。あの人は重度な「オタク」だと思う。俺とは、まるでタイプが違う。英智は手を頭に乗せ悩んだ。

次の日だった。不幸が。

朝だった。英智えいちは早朝の仕事を終え、部屋に戻ると、あの男が死んでいた

「 え? 死んでる… 」

「って…なんだ、寝落ちか?こいつ、ゲームついてるし。今日休みだからって、一日ゲームしてやがった!」

こいつ、本当にヤバいやつだな。

「おおえいちか!ちょっと起こしてくれ!今日なにも食べてなくてな。なんかつくってくれ」

「は?ふざけんな、自分でおきろよ、てか休みの日になにしてんだよ。このこぐまが!」

「こぐま?なんの話だ?」

「しらないのか?七つの大罪だろ?怠惰の罪の動物はクマなんだよ。けどお前にクマはもったいないからこぐまだ」

「なるほどな、とりあえず起こしてくれ」

「おまえ、本当に怠惰してんな」


えいちはその怠惰のこぐまを起こした。


「ところでこぐま男」

「なんだ?その名前、旅館に広めるなよ」

「そんなことはどうでもいい、そろそろお前の名前をおして...」

「やだね!うせろ」

「ぶっ~!なんでだよ!俺だけ教えてお前だけ名前しらないとおかしいだろ!」

「なにかおかしいのか?」

「おかしいに決まってんだろ!てか、なんで早くこいつをべつの寮にしないんだよ!」

「しるか!」

「あー!くそ!おい!今日は俺の酒に付き合え!」

すると、こぐまくんは露骨にイヤな顔した。

「な、なんだよ、イヤなのかよ」

「いや、だってめんどくさいしゲームしたいし」

「あっそ!!じゃあねる!」


えいちはふてくされて布団を被ってしまった。


今日はそこからずーと寝ていた。




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個室で一緒に暮らす事になった下毛さん Kohr.435円 @katumata

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