第81話 珠へのお礼

「無事に買えたね、お兄ちゃん」


「これも、珠が一緒に来てくれたおかげだよ。ありがとう。

 それで、珠はどっか行きたいお店とかしたいこととかある?」


「なんで?」


「いや、一緒に来てくれたお礼に珠がしたいことに付き合おうと思ってさ」


「も、もう~しょうがないな~お兄ちゃんは~。私ともうちょっとデートしたいなら素直にそう言えばいいのに~。どうしよっかな~? 私、忙しいしな~」


「……帰ってもいいんだけど?」


「嘘嘘嘘嘘。よく考えたらなんっも忙しくなんてないや。じゃあね~、まずお昼ご飯を食べて、それから、ゲームセンターに行って、カラオケに行きたい!」


「分かったよ」


「やったー! じゃ、早速行こ。ね、お兄ちゃ~ん!」


「腕に抱きつかれると歩きにくいんだけど……荷物も持ってるんだし」


「え~それくらいいいじゃん! 今日はデートなんだよ? 甘えさせてよ!」


「デートデートって言われても……」


(相手が小学生の妹なんて全くドキドキしないんだよね)


「それに、これくらい慣れとかないと高嶺お姉さんにされたときお兄ちゃんドキドキし過ぎて一歩も歩けないでしょ?」


「ば、馬鹿にするんじゃありません!」


(あ、歩くくらい出来たわ! でも、高嶺さんが相手だとドキドキし過ぎたのは本当のことなんだよね。あの、高嶺さんの何とも言い表しがたい感触が気持ちよくて……たまらなかった)


「ホントに~? お兄ちゃんヘタレだからな~」


(クソッ……僕が教室で、しかも皆がいる前で高嶺さんになんて言ったか知らないくせに……)


「だから、そんなヘタレなお兄ちゃんが高嶺お姉さんに愛想をつかれないように私が練習相手になってあげてるんだよ~。さ、分かってくれたら行こ! 私、お腹空いちゃったよ!」


「はいはい……」



「んん~お兄ちゃ~ん……むにゃむにゃ……」


(はぁ……珠のやつ、遊び疲れて寝ちゃったよ。まぁ、無理ないか。朝からやけにテンション高かったもんね。それに、ゲームセンターでもカラオケでもずっとはしゃぎっぱなしだったし。

 しかし、行きも帰りもバスにして良かったよ。寝てる珠を背負って家まで帰るのは流石に無理があるしね。

 珠、今日は付き合ってくれてありがとね……)


「んん~お兄ちゃん。そんなに撫でられると照れちゃうよ~……むにゃむにゃ……」


(現在進行形で反応って……本当に寝てるんだよね!?)

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