第27話 居残り
(ふぅ、今日もようやく終わりか。日直とかいう、超メンドクサイ仕事だったけど、朝から高嶺さんと登校できたし、昼休みには高嶺さんの手作りタコさんウインナーを頂いたし――これからは、また一緒に帰れるんだ!)
「っ、高嶺さん……!」
(楽しみだから、高嶺さんの方をチラッと見ちゃったよ……。そしたら、高嶺さん笑い返してくれた……。あまりの可愛さに思わず声がボソッと出ちゃったよ……。
高嶺さんも楽しみに待ってますしててくれてるのかな?)
「は~い、それじゃ、午後のホームルーム始めます」
(先生、つまらないホームルームなんて早く終わってください!)
「もう少しで期末テストですから、皆さんしっかりと今から勉強して、テスト前日に焦らないようにしてくださいね。
あと、今日日直の思井くんと笠井さんは頼んでおいた、テスト週間のプリントをまとめてから帰ってくださいね」
(……えっ!? 何、その話!? そんなの聞いてませんよ!?)
「あっ、そう言えば言うの忘れてた。ゴメンね~思井くん。そういうことだからもうちょっとだけ頑張ろっか!」
(い、いやいや……嫌々嫌々、だとしたら高嶺さんと一緒に帰れないじゃない! 流石に、ずっと待っててもらうのは高嶺さんに悪いし――)
「……と言っても、実際二人でやるには量がちょっと多いんですよね。だから、あと一人くらい手伝ってくれる人がいれば――誰もいませんね」
(そりゃ、そうですよ。皆、自分の時間は自分のために使いたいものなんですよ。それに、笠井さんだけなら幾らでも男子が立候補するでしょうけど、僕がいますからね? 分かりますよね?)
「じゃあ、先生が手伝いますね」
(はぁ、今日は高嶺さんとは帰れそうにないな……。一気に気分が憂鬱に――)
「――あの、先生……私が手伝います」
「高嶺さん! いいんですか?」
「はい」
「そう。それじゃ、お願いしますね!」
(あれ? やけに嬉しそうじゃないですか、先生。
と言うか、いいんですか、高嶺さん。だいぶ帰るのが遅くなるのに……。もう、皆も拍手してるしあとには退けませんよ?)
「それじゃ、皆さん。また、明日。さようなら~」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます