第2話 妹とプリッキュア

「僕と高嶺さんが……付き合って……」


「お兄ちゃん~、どうしたの~? 学校から帰ってから、着替えもしないで椅子に座ったままで、ずっとぶつぶつ呟いて……何か嫌なことでもあったの?」


「僕と高嶺さんが……」


「むぅぅぅ~、お兄ちゃん!」


「うおっ、ど、どうした、たま!? 隣に立って、急に大きい声で叫んで……」


「ずっと、呼んでるのにお兄ちゃんが返事しないからだよ」


「ああ、ゴメン。ちょっと……」


「学校で嫌なことでもあったの?」


「学校……高嶺さん……」


「あ~、また、お兄ちゃんボーッとしちゃった~。もう、お兄ちゃんなんか知らない。せっかく、録画してたプリッキュア、お兄ちゃんと一緒に見ようって思ったのに、一人で見るんだから!」


「高嶺さん……」


「チラッと見てあげたのに気づかないなんて~……~~~っ、もう知らない!」



※※※※※


(ハァハァ、な、なんとか間に合った……。結局、昨日は全然眠れなかった……。ずっと、ボーッとしてたし、プリッキュアの内容も全然頭に入ってこなかった……。

 しかし、今朝の珠はすこぶる機嫌が悪かったな。帰ったら相手してやるか)


「……っ……!」


(ドアを開けた瞬間に高嶺さんと目が合っちゃった……。

 クゥゥゥ~、朝イチでもやっぱり、高嶺さん綺麗だな~。どうしよう……? 一応、挨拶とかしといた方がいいのかな? その、か、彼氏……になっちゃったんだし。

 あぁ、やっぱり、ダメだ。もう、高嶺さんの後ろを通るけど挨拶する勇気とかない。とりあえず、高嶺さんにも言われてるし無視しよう)


「お、おはよう……ございます……」


(……えっ!? 高嶺さん、僕に挨拶してくれたの!? どうしよう……いきなり過ぎて、無視したまま席に着いちゃったよ。と、とりあえず、高嶺さんの席は主人公ポジションの右隣だから、トイレに行く装いをしながら、返事をしよう。幸い、僕の席は主人公ポジションの二つ前だから、教室の前と後ろどっちから出ても不自然ではないはず!

 ……た、高嶺さん。そんなに真っ赤に恥ずかしがられると僕も死ぬほど恥ずかしいです……)


「は~い、皆さーん。予鈴がなったので、朝のホームルームを始めますよ~」


(あ、結局、行けなかった……)

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