その4 我が家の改装

 王宮から戻ったらもう一度ペンション内の部屋を回って忘れ物が無いか確認。

 ペンションのオーナーに挨拶して車に乗る。

 念の為危険予知魔法を継続してかけているが危険の反応は無い。

 だからつい横着して魔法移動で車ごと千葉県下の家へと到着。

 所要5分かかっていない。


「帰りもあの大都市群を見られるかと思ったのに残念だな」

「もうマリエラは自分で行くことが出来るだろ」

「これはこれ、それはそれでね」

「サービスエリアで食べたり買ったり出来なかったのが心残りなだけじゃないか」

「しまった、ばれたか」


 そんな事を言いながら車を降りる。

 この車ももう少し大きな車に買い換えた方がいいかな。

 王族全員は無理でもマリエラとジーナを含めた5人余裕で乗れる車に。

 魔法移動が出来ると言っても人目があるから車を使えた方が便利だしな。

 あとは家の部屋変えだ。

 マリエラとジーナがしばらくいるなら、それにあわせた方がいいだろう。


「さて、突然だが部屋の引っ越しをする。私のものは1階の8畳和室へ移動させるから、上の狭い方の2部屋はマリエラとジーナで相談して使え。あとシェラ達の部屋から私のものは出すから、2人用の部屋として整備してくれ。整備したら昼食食べるついでに家具を買いに行くぞ。いいな」


「えっ、いいの?」

「しばらくここから学校に通わせろって王様や皇太子に言われているからな」

「そうか、ついにここに自分の拠点が……この世界可愛い家具やカーテンやらいっぱいあるんだよね。それにFX用のパソコンも置いて……」

「はいはい、まずは私の荷物を片付けるから、その後な」


 アイテムボックスを使えば物は簡単に撤収・再配置出来る。

 そんな訳でまずは2階の寝室から私のものを撤収。

 ベッドはシェラ達専用のものが来るまでそのままにして、他の着替えだの家具だの全部をアイテムボックスへ。

 次は隣の私が寝ている部屋へ。

 ここの寝袋や布団も撤収。

 そしてその隣、北側の部屋。

 ここは私の服だのキャンプ装備だの置いてあるのだが、ここも全部撤収。

 うん、アイテムボックスはなかなか便利でいいな。

 このまましまって置いた方が楽な気もする。

 そんな事を思いながら階段を降りてリビングへ。


「よし、2階の部屋は片付けたぞ。ベッドだけは新しい物がくるまでシェラとアミュとで使って貰うけれどな。それじゃ作業開始!」

「わかりました」

「わかったわ」

「了解」

 そんな感じで皆さん2階へ。


 どの部屋も押し入れ代わりのクローゼットがついている。

 だから服等はある程度収納出来る筈だ。

 必要なのはベッドと洋服ダンスと、あとは机と本棚あたりかな。

 ジーナは完全なアイテムボックス魔法を使えるから収納関係は必要無いかも。

 そんな事を思いながら私は1階の8畳和室へと移動する。

 居るときは一応毎日風を通しているのだが、やはり使っていない分ほこりっぽい。

 まずは清拭魔法で綺麗にするところからスタートだ。

 洋服ダンスはこっちの壁際へ。

 後でベッドを置くからこの辺は空けておいてと。

 配置を考えながら設置しているといつの間にか1時間くらい経っていた。


 皆さんはどんな感じかな。

 見てみたいけれど一応年頃の女の子の部屋だからな。

 まあまだ何も入っていないだろうけれど。

 だから下のリビングで降りてくるのを待つ事にする。

 それほど待つ事は無かった。

 30分くらいで皆さん下に降りてきた。


「家具の構想は固まったわよ」

「ベッドと机があればいいかな」

「お姉ちゃんとの机と本棚!」

 うん、それでは昼食兼家具の買い出しに行くとするか。

「お昼は何が食べたい?」

「デザートのあるところ!」

 アミュが真っ先にそう提案。

「うん、私もそれでいいかな」

「そうだね」

「すみません、毎度毎度」

 よし、デザートがあるところでお昼らしく軽めのところというと。

 あの安いイタリア料理のチェーン店でいいかな。

「なら行くぞ。ちょい狭いけれど車に乗れ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る