第52話52
下駄箱のほうに向かうとそこにはフレイジャーがいた。
「やあ、フレイジャー。今、帰るとこ?」
「ええ、そうよ」
僕はフレイジャーと並ぶ。そして、下駄箱から出て話をした。
「フレイジャー、要望書は出した?」
僕がそう聞くとフレイジャーはええと言った。
「ええ、出したわ。校長もそれを受け取ってくれたわ。まあ、実際に選択制にするか分からないけど」
そのフレイジャーの言葉は雪が舞っているような口調だった。僕は肯いた。
「うん。まあ、そうだね。多分、無理だと思うけどやっておいた方がいい。自分が疑問に思うことは当たった方がいいと思うしな」
僕がそう言うと、フレイジャーはまじまじと僕を見つめた。
「ど、どうしたの?」
僕は立ち止まった。フレイジャーは僕を芋虫(いもむし)から蝶(ちょう)にでもなったのをおどろくようにまじまじと見ていたからだ。
「いえ、あなたの口から、そんな言葉が聞こえるとは思っていなかったから」
そう、彼女は言った。これには僕もなんだか背中にゲジゲジが這っているような気持ちになった。
「何だよ。なんか、そんな目をされるとこっちが気恥ずかしいよ」
それに彼女は彫像のような顔つきに戻って、唇をつぼめた。なぜか、僕は彼女のその最初の言葉を話す唇にいやに記憶に覚えていた。
「それは……………」
その瞬間、フレイジャーの頭部に丸まった紙が当たった。投げられた方向を見ると、うちのクラスではない男子生徒が走って逃げていくのを目撃した。
彼らは僕らを見つけると一目散に逃げた。それにフレイジャーは。
「言いたいことがあるなら、ハッキリ言ったらどう!」
罵声(ばせい)を発した。今までいろんな人の罵声(ばせい)を聞くたびに胸くそが悪くなったのだが、今日はなんだかそれが冬の朝のような清澄(せいちょう)さを感じた。
そして、フレイジャーは僕のほうに振り向いていった。
「さあ、帰るわよ」
「ああ」
僕は肯いた。そうだ、帰ろう。そして、早く考えをまとめないと。
僕の思いはその一点に集約していった。
からだが冷える冬の暮夜の中僕は考えていた。学校のこと、成田先生のこと、村田のこと。そして……………。
あのあと、フレイジャーと一緒に自転車で登下校をし、しかし、フレイジャーが住んでいるところは瀬野高校のすぐ隣だから、すぐに別れて僕は家路の道を進んだ。
そして、家に帰り僕はそれらのことを考えていた。だいたい、考えはまとまりつつあったが、僕は最後の一歩が踏み出せなかった。
最後の一歩。自分がすることへの正しさの確信が分からなかったのだ。そうした思いを悶々(もんもん)と抱えたまま家にいた。すると、そのとき、家のチャイムが鳴った。
ピンポーン、ピポ、ピポ、ピポ、ピンポーン。
どうやらチャイムを押す主はかなりせっかちらしい。今はおじさんも、おばさんも遅かったので、仕方なく僕が出ることにした。
がちゃ。
「は〜い、どちらですか」
僕はドアを少し開けて外の人に向かって言った。このドアは旧式の防犯扉出チェーンがかかっているのだ。そのチェーンを使って僕は外にいる人を見た。
僕は外を見るとそこには寺島さんの顔が見えた。
「はーい。ヤッホー、笹原くん。ちょっと、お邪魔するぜー」
ガチャン。
僕はとっさに扉を閉める。すると罵詈雑言(ばりぞうごん)が扉の向こうから聞こえた。
「あーんもう!何で閉めるのよー!閉める事なんてないじゃない!開けてよー!」
これはどういうことだ。なぜ、寺島さんがここにいる?ああ、どうすればいい?なんか、思考がループしてちょっとよく分からないことになっている!
そう僕は頭の思考がぐるぐるしていたが、反射的に扉を開けて寺島さんを迎えた。
僕が扉を開けると、すぐに寺島さんはカバンとリュックサックを持って入ってきた。彼女の服装は制服のままだ。
「お邪魔しまーす!笹原くん。これ、粗品ですが受け取って下さい。
そして、寺島さんは僕に敷島堂の袋を渡した。
「これはなに?」
「どら焼きよ。あとで二人で食べましょ☆」
そう明るい表情で寺島さんは言った。そして、僕にこう聞いた。
「それでさ、上がっていい?」
見ると確かに僕たちは玄関でしゃべっていた。僕は慌てて肯く。
「ああ、もちろんだとも。あっちのリビングに行ってくれ、僕はお茶の用意をするから」
「うん!やったー!笹原くんの家が見える。うれしいなー、うれしいなー」
そう言って、寺島さんは我が家に入っていった。
僕は彼女を案内して、水を湧かす。そして、茶葉を探した。
この棚(たな)だったけな?ないな。ここかな?うん、あった。
そして、僕は急須に茶葉を入れてお湯を入れた。それから一分くらい立てて、二つの湯飲みにつぎ回しをして、お茶を入れた。
「はい、寺島さん。どうぞ、のんで下さい」
「あ、はい、いただきまーす」
それで、寺島さんはお茶をフーフーさせながら飲んだ。僕はそれを見て、なんだか子供っぽいな、と思った。
そう、寺島さんは子どもっぽいんだ。だから、タンチョウをあれだけかわいがるし、あんな噂(うわさ)を流せれるんだ。
僕はそのことを思いつつ、寺島さんの隣に座った。
僕らがいるのは今のちゃぶ台の周りに座っているのだ。そこに寺島さんの荷物も置いてある。
僕は話しも何なので単刀直入に聞くことにした。
「それで、どうして家に来たの?ここの家は夏休みに一度来たことがあったよね?よく覚えていたな。と言うか、道に迷ったらどうすんの。女子校生の夜の一人歩きは危ないからやめておいた方がいいよ。一歩間違えれば、危険だから」
僕がそう言うと寺島さんは次第に不機嫌(ふきげん)さの夕焼けに染めていった。
「何で、そんなに説教ばかりするの?いいじゃん、私が来たって。そんなに説教しないでよ」
ぷいっと顔を背ける寺島さんに、しかし、僕は言わなくてはならなかった。
「悪いよ。だって、友だちの寺島さんが危険な目にあったらいけないから。こっちだって、説教するよ」
「え?」
僕のその言葉に寺島さんをこっちを見て、目をぱちくりさせた。そして、次第に羞恥(しゅうち)の音色に体を染めていた。
「ごめん、笹原くん。私、いつもわがままばかり言ってるね。ごめんなさい」
「いや、いいよ。こっちこそせっかく来てくれたのにきついことといってごめんな?」
そう言って僕たちは互いに謙遜の上を交換しあった。そのあと、僕たちは派手ではないが、しかし心に残る音楽のコンサートを見終わったあとの間のような何とも言えないむずむずする気持ちを僕たちはもてあました。
しかし、こう言うことを言うのは男のほうからだよな。
そう僕は思い、今まで言えなかったあることを言った。
「仲直りする?」
「…………うん」
「じゃあ、仲直りの挨拶(あいさつ)をしよう。それで元通りだ。僕は君のやったことを許し、君も僕の叱責を許してくれ。いいね?」
「うん。分かった。そうする。私も悪かったって思っているから喜んでそうするよ」
「じゃあ、握手」
僕は寺島さんに手を突き出す。それに寺島さんも握手をしてきた。そのまま、僕らは強く握りあった。
そして、僕たちはまた、友だち同士になった。
「うん。これで良し。所変わって聞くけど、何で寺島さんは家に来たの?」
そう言うと、また寺島さんはほほを膨らませた。何か、まずいことでもやったか?
「美春」
「え?」
僕はその言葉に少し対応できなかった。
しかし、寺島さんはさっきのようないじけたふきげんさではなくて好意の人が思うように動いてくれない不機嫌(ふきげん)さで言ってきた。
「美春。友だちなんだから名前で呼び合おう。だから、もう『寺島さん』なんて呼ばないで」
そう言って、寺島さんは真剣な目で僕を見つめてきた。その視線は切迫したものがあった。何に切迫しているのか、おそらく僕と寺島さんの関係について、寺島さんが真剣に考えているんだと思う。その情が目に宿って、どこか心に刺さるほどの気迫のある視線となって現れたのだ。
それには僕も答えざるをえなかった。
「うん、いいよ。確かにそうだね、『寺島さん』なら友だちとしてはよそよそしいね。これからは美春って呼ぶよ。よろしく、美春。僕のことも一樹って呼んでくれ」
それに寺島さんは大きく肯いた。
「うん!」
そのとき、家の庭に車がバックで入ってきたのだ。多分和也さんかおばさんだろう。のっそりと入っていく鋼鉄のサンショウウオ。その姿は入っていくのがめんどくさそうに見えた。
「あ!親御さん?」
「いや、僕の叔父と叔母だよ。ちょっと、預かってもらっているんだ。ところで、寺島さんは何で、家に来たの?」
僕は疑問をつけて寺島さんに言った。
寺島さんはうつむき、口をつぼませていった。
「ちょっと、親とけんかして出て行ったの。それだけのことだよ」
寺島さんの背中には無言に拒絶の意志をちらつかせていた。僕はそのことを見て、瞬間的に僕と一緒だ。と思った。
僕もこんな親との関係で悩んでいた。あの美春はこんな事、親との関係なんかでは悩まない思っていたけど、実際には悩んでいたのだ。
僕がそんな感慨(かんがい)に耽っていると、扉が開いて、おばさんが帰ってきた。
「あらら、ごめんなさいねぇ。一樹くん、遅くなって。……………………。あら!お友達かしら?」
驚くおばさんにぼくは美春と一緒に立って、説明をした。
「おばさん。この人は僕の友人の寺島美春です。覚えてますか?前にも一度だけ家に呼んだことがあるのですけど…………」
「こ、こんばんは。寺島です。よろしく、お願いします」
おばさんは美春をまじまじ見て、そしてしょうぶのような重ねられたと指月だからこそできる笑顔を見せていった。
「ああ、思い出したわ、美春ちゃん。そうね、あの時夏休みで一度お会いになったことあったわね。それで、今から親御さんの所に帰るの?」
おばさんはそう言ったが、美春は緊張をしながらきっぱりとこう言った。
「いいえ、違います。親の元へは帰りません。今日はここで泊めさせて下さい。お願いします!」
そう言って、美春は頭を下げた。決死の気迫が張り詰めた糸のように強い音色を放っていた。僕はそれを見て、美春が本気だと言うことをからだから実感した。
それに康子さんはきょとんとしていたが、やがて絹のようにやんわりとと美春の言葉を否定した。
「でも、親に断り無しで言ったら悪いし、着替えとかもないし。やっぱりいけないわ」
「親には私から話します。着替えも持ってきています!お願いですから、ここにいさせて下さい!」
そう言って、寺島さんはまた頭を下げた。おばさんはしばらく考えていたが、やがてこう言った。
「じゃあ、こうしましょう。美春ちゃんが電話で親御さんを説得できたら、いてもいいわ。できなかったら、だめよ。帰ってもらうから、それでいい?」
「はい」
これで決着はついた。早速美春が電話を借りて美春の家に電話をかける。まず、はじめにおばさんが対応してから、それで美春が話した。話している時間は10分ぐらいたったあと、寺島さんはおばさんに電話を交代した。それでおばさんが話して、電話が切れた。そして、おばさんが振り向く。
「よかったわね、美春ちゃん。ご両親の了解が取れて」
「はい!」
寺島さんはハルシャ菊のような抑えきれない喜びをあふれさせた鮮やかな笑顔を見せた。
「よかったね、美春」
「うん!ありがとう〜、一樹!」
僕にはマリーゴールドのような純粋に明るい笑顔を見せて美春は言った。僕はそれを見て、今まで背負っていた荷物がふと、一瞬(いっしゅん)だけ軽くなったような気がした。
寺島さんを含めて夕食を食べたあと、後は風呂を沸くのを待つだけだ。僕と美春が僕の部屋にいた。
夕食のとき、和也さんもずいぶん驚いていたな。こんな少女が僕を訪ねにくること自体に驚いていたようだった。
でも、おじさんもすぐそれに慣れたな。美春は人と仲良くすることが上手な子だ。
僕は改めて美春を見る。制服を着た美春は僕の部屋に寝そべりながらにやけ顔で『水滸伝』を読んでいる様は美少女とはいえ、残念なことにセクシー度はゼロだった。
僕の部屋は六畳一間の一人部屋で、西にクローゼットが置かれてあって、北に僕のベッド、南には本棚が置かれてある。この部屋は元々、和也さんの息子さんの部屋で今は息子さんが出て行ったので僕が使わせてもらっている。
その部屋で美春が僕の愛読書『水滸伝』を読みながらごろごろしているのだ。
「美春」
僕は座って美春に話しかける。
「ん?」
美春が顔を上げる。その大きな瞳が『どうかしたの?』と言うことを素朴な疑問として浮かんでいた。
「『水滸伝』って好きなのか?*1」
そうすると美春は屈託(くったく)ない笑顔で言った。
「うん。大好き〜♡。これってイケメンもたくさん出てくるし、何よりストーリーがいいよね〜」
「そうか!それは僕も好きなんだ。あれっていいストーリーをしているよな。どこのストーリーがいい?」
「それはヨウシ!ヨウシの話が大好きなの!特に師匠の愛情と別れの話が好きなんだよね」
「うん、よかったね。ヨウシのシーン。あれってさ、ヨウシ、もう主人公クラスの扱いだよね。と言うか、正統派主人公になってもおかしくはないよね。主人公はで、ソウコウもかなり骨のある主人公だけど、重要な脇役の楊善とか、ブショウとか、敵役のコウレンとか悪役のドウカンやらサイケイのような人たちも味のある人だよなぁ〜。そうは思わない?*1」
「うんうん。さすがに一樹は分かっているね」
そう言って、美春は肯いた。心なしか唇がいつもより赤かった気がした。
ぴろろろろろ!
そのとき、電話が鳴り響いた。
『もしもし、お風呂できたわよ〜。先に美春ちゃん、入ってちょうだい』
「だ、そうだ。入ったら、どうだ?美春」
「うん。そうする」
そう言って、美春はひょこっと立って、すたすたとドアの方に歩いていたが、何か忘れ物をしたのか、くるっと反転して、自分のリュックサックのほうに向かった。
「?何か忘れ物か?お気に入りのシャンプーがないと頭を洗えないとか?」
「バカね。そんなんじゃないよ」
そう言って、彼女が取り出したものを出して、花が一日にて咲いた一輪の新鮮な笑顔を見せながら、僕に見せた。
「はい!これ。とって」
「これは………………」
彼女が取り出したのは一枚のCDだった。茶髪の女性が横たわっているジャケットだった。美春が出したのだから、アイドルというのはないだろう。まあ、シングルアイドルは今では珍しいが。ならば、シンガーソングライターか?アルバム名は……………。
「『lightning star』だよ。私の好きなアルバムなんだ。これはね、『電翔』と言うアーティストなんだけど、それって音楽プロデューサーの瀬戸が立ち上げたものなんだけど、第一期、第二期というのがあって、その二つの期間の間に歌手が変わったんだ。それでそれが第二期のファーストアルバムでいい曲が入っているから、是非聞いてほしいの」
それを寺島さんが僕にそのCDをつきだした。僕はその白いアルバムを賞状を取るように受け取ったとき、ある光が自分の脳髄(のうずい)に差し込んだ。
その光は人を幸福の状態にもたらす光りではなく、人に天の啓示を与え示す光だった。白く、そして厳しかったが、僕はその光を受けてある考えが、自分の中に浮かび上がった。
「これさ、私が大好きなアーティストなの。最初のelectrick weaponは最高だから是非聞いてほしんだ。そして、一樹のもこのCDは好きになって欲しいの。一樹は私の大切な友人だから。一緒に好きになったら素敵じゃない?だから、それ聞いておいてね。そして、感想を聞かせて。まあ、それはともかく、私はお風呂にいるね。それじゃあ」
寺島さんはそう言うと、今度こそ部屋から出て行った。とたとたとたというネズミのような音が聞こえる。
僕はそれを聞きながら天からの光りに耳を澄ましていた。
そうだ、もう………………ない。
僕はそう思った。天からの光りに僕はある種の諦念(ていねん)とともに真理を発見できた修行僧のように冷めた、悟りを実感していた。
そうだ、もう波田(はた)さんはこんなプレゼントをもらわない。友だちともこんなふうに仲直りすることもない。普通に会話をすることもないし、好きな漫画の話題で盛り上がることはない…………。
そして、僕は美春の顔を思い浮かべる。
もう、友だちとなにげに笑うこともできないんだ。
そう僕は思いながらただそこに座りながら佇んで(たたずんで)いた。
どれだけの時間、そうしていたのだろう。
気づけば、とっとっとと言う音が聞こえ、寺島さんが部屋に入ってきた。
「お待たせー!笹原君。もう、入っていいよ」
「ああ、そうか。分かった、入るわ」
僕は『eletrick star』を机の上に置いて風呂場に向かった。
階段を下り、おばさんに挨拶(あいさつ)をして、行為所の扉を閉め、服を脱ぐ。そして、全裸になり、風呂場に入る。
風呂場の浅く、白い靄(もや)が一瞬(いっしゅん)僕を包むがやがて消える。
そして僕はシャワーを浴び、体を頭と顔と脇と足の裏を洗い、そして、水で流した。
そして僕は湯船に身を横たえる。寺島さんが何かを入れたのだろうか?湯船にはミルク色になっていた。
横たえながら、僕は心の中に感懐がふつふつと気泡ができるように、しかし、その気泡は連続的ではなくて、一つ一つのことをしっかり想い出すようにわいてきた。
僕は今まであったいじめのことを想い出した。波田(はた)さんのいじめ、村田のいじめ。そして、そのとき、僕は何をしていた?彼女たちが苦しんでいたときに何をした?
そのとき、僕に声ならぬ衝動(しょうどう)が全身を駆け巡り、センターオブライフの『the red world』が頭に鳴り響いた。
ふと、僕は湯船を見るとミルク色の湯船だったはずだったが、湯船が蛆だらけになっていた。体に蛆がびっしりとまとまりついていたのだ。
そのまま、叫び出したくなるような衝動(しょうどう)を覚えた。僕は、僕は何をしていたのだ。彼女たちがいじめられているときに。
自分が今まで遭遇したいじめをフラッシュバックのように頭に流れ込んでいき、僕を戦慄させた。目をつぶっても、頭を振っても映像が頭から離れない!波田(はた)さんがドロップキックを受けていたとき!すごく減量されて骸骨(がいこつ)と言われたとき!村田が金村達に押さえ込まれるように一緒に行かされたとき!僕は何をしていたんだ!
そんな、情景が次々と頭に入っていき、そして、僕はスカートの選択制を訴えかけるキャサリンの姿が最後に浮かんだ。
そうだ。
僕は立ち上がった。
まだだ。まだ、僕はやらなくてはいけないことがある。
そう思って僕は立ち上がって、風呂場から出た。
今日は早めに寝よう。そして、なんとしても成田先生に会おう。
そう決意を固めながら僕は体を拭いた。
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