電車恐怖症

電車が怖い。

ただ純粋に怖い。

人で埋め尽くされた空間。

横揺れする四角い箱。

ガタゴトと響く走行音。

伝わる他人の吐息や体温。

意識がぼおうっと遠のいていき、視界がぐにゃあと回転する。

頭痛や目眩、吐き気に襲われながら、フラフラとホームに降りる。

もう限界だ。

目的地に向かう前に僕がもたない。

最悪の具合のまま見知らぬ駅を後にする。


あの恐怖の物体は確実に僕を殺そうとしてくる。

ある時は襲い掛かる雪崩れのように。

またある時はそびえ立つ壁のように。

それでも他の人達はそれをさも当たり前かのように受け入れている。

何故僕だけがあれに耐えられないのだろう。

何故他の人達はあれが平気なのだろう。

出ない答えを探しながら、大通りにそって歩く。

多分こっち方面に行けば帰れるはず。

街中の地図を見てフラフラと歩き続ける。

少し冷たい空気を吸う度、少し気分が落ち着く。

ああ、ずうっとこのままがいい。

いつ着くかわからないまま永遠と歩き続ける。

遠回りでも、あの息苦しい世界にいるよりかは、何十倍にもマシだ。

ふうっと小さく息を吐き気持ちを整理する。

どうやら道な迷ったみたいだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

全知全能 ハシモモ @momo10nanami03

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ