第6話 自分的には最高傑作

 KAC5で、それまでKAC作品中最高の評価を得られたので、このままKAC6につなげたいところ。そこで出てきたお題は「最後の三分間」。過去にあった「最後の五分間」の焼き直しだとお題を出す方自身が書いています。


 さあ困った。最後の○分間ネタは既に書いてしまった。でも、思いつくのは、やっぱりソレ。よし、続きを書こう。前に書いた「最後の五分間」は主人公が「自分の心の中の天使と悪魔」の間で葛藤するところで終わっている。そのシチュエーションから二分経過して、主人公が自分の気持ちを決めたところから最後の三分間を描こう! そう決めたのです。


 元になった「最後の五分間」の作品はこちら。プロレスがテーマです。

『天使と悪魔の残り五分』https://kakuyomu.jp/works/1177354054886560984


 これは、総文字数1200字という制限の中で書いたので、プロレスがテーマなのに格闘シーンが無く、主人公の心の中の葛藤で終わっていました。


 そこで、今回は主人公の中の「天使」が勝ったあとのプロレスの試合、六十分一本勝負の最後の三分間をみっちり描こうと決めたのです。


 そして書いたのがこちら。


『ラスト三分の職人技』https://kakuyomu.jp/works/1177354054888927215


 冒頭に、前作の葛藤について簡単にまとめたので、前作を読んでいなくても大丈夫なようになっています。


 ただ、題材がプロレスということで、読者は結構限られることは覚悟していました。その分、ディープなプロレスファンには響く作品が書けたと自分では思っていますし、実際プロレスファンらしき方々からの感想は非常に好評でした。


 そして、ちょっと予想外だったのが「プロレスは知らないけど迫力があって面白かった」とか「プロレスがここまで緻密だったなんて」みたいに、プロレスを知らない方々からも好意的な感想をいただけたことです。これは非常に嬉しかったですね。


 あと、本作には自分自身がKACへ参加するときに決めた心情を少し投影しています。主人公にモノローグさせた、この部分です。


「俺には名誉も勲章も要らない。ただ、俺の試合で客が楽しんでくれれば、それが俺への一番の報酬だ」


 だから、★的には72とKAC5やKAC4より少なくなりましたが、本作が私的には最高傑作です。

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