第179話 9階層ボス戦2

「『フライト』!」

「『罠設置』」


 あっぶねえ…念のため『フライト』使ってよかった。一瞬落ちかけたよほんと。まあそこまでのギリギリだったおかげかボスはあっさりと落とし穴へと落ちてくれたんだけども…


「さてと…『ウォーターフォール』『ウォーターフォール』『ウォーターフォール』っと」

「少し手伝うか『ウォーター』『ウォーター』」

「じゃあ私は攻撃だね」


 俺と健太が水攻めをしてファーナさんが矢を撃ち込む。これなら近づいて『分解』しなくても倒せるだろう。何回か繰り返しているとボスの姿が見えなくなった。


「終わったかな…?」

「宝箱だ!!」


 落とし穴の底に宝箱が3つあるのが見える。どうやらボスを倒したみたいだ。何とか3人でも倒すことが出来てホッとした。


「とりあえず休憩だな」

「でも先に宝箱回収しないと…」

「後でもいいんじゃないか?」

「罠消えると穴の中身がどうなるのかわからないよ? 試したことないし」

「ちょっ それを先に言えって!」


 俺たちは慌てて『フライト』を使用して宝箱の中身を回収した。中身はまたしても回復剤だった。アイテムのネタ切れだろうか? まあいいんだけどね。


 さて…とうとう次は10階層。それが終わると 以前聞いた話によると願いが叶うらしい。どの程度の願いが叶うのかはわからないが…少しだけ楽しみでもある。


 ファーナさんはどんな願いを叶えたいんだろうか。やっぱりおやつ食べ放題とかなのかな? 流石にそれはないか、それが叶ってしまったらぶくぶくに太ってしまう。


 健太の願いは何だろうな。大人しい願いだといいんだけどね。自分たちの世界でも魔法とか使える様に成りたいとかだと規模が大きすぎて叶わないだろうし、スライム飼いたいとか言わないだろうな? 前ダメだったしな。


 そして俺の願いは…細々としたものがいくつかあるが、どの願いが叶うのだろうか。まあ何が叶っても 助かるのだからなんでもいいんだけどね。


「よっすー もう休憩いいんじゃね? 10階層をチラ見して帰ろうぜ」

「そうだな…1階層で待ち伏せとかされてないといいんだけどな」

「あー…そういえばそんな奴らがいたな、忘れてた」


 まあ…もしいる様だったら俺と健太で時間稼ぎしてファーナさんに先に帰ってもらおう。そのくらいの時間くらい稼げないとな。


「じゃあ最終階層覗いて見ますかね」

「よっしゃーっ 楽しみすぎる!!」


 健太、ファーナさん、俺という順番にタッチパネルを操作し、俺たちは10階層へと足を踏み入れるのだった。

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