第168話 いよいよ9階層!

 すべてのマンドラゴラを仕留めると宝箱が5つ現れた。恒例となりつつあるどの箱を開けるのかの選択が始まった。結局話し合って分け合うので選ぶ意味はあまりないのだが、なんというか気分が盛り上がるのだろう…まあ俺はなんでもいいわ。


「よっしゃー! 俺はこれにしたっ」


 早速健太が選んで箱を開けている…のだが中を覗き込んで眉を寄せている。それを見たファーナさん、ミネ、リノも特に選ばずすぐ近くの箱を開け、同じようにただ中を見つめていた。


「なあよっすー… なんでジュースが入ってるんだ?」


 宝箱から健太が取り出したのは小さめな瓶が2本。2本とも色の違う液体が中に入っているみたいだ。それを見た他の3人も同じような瓶を2本取り出していた。まさかと思いまだ開けていなかった最後の一つを俺が開けると、やはり中身は同じ物だった。



・回復剤(中)×6


・魔力回復剤(小)×6



 『鑑定』をしてみると回復剤だった。今まで装備とスクロールだったことを考えて見ると少し違和感があるが、魔力を回復出来るのは地味にありがたいと思う。タッチパネルの所のマーケットで販売されているアイテムの中には売っていないものなんだよね。


「回復剤か~ マント無しとかなめてるだろう…?」


 どんだけマント好きなの。まあ健太は放置しておいてこれはこのまま各自持っておいたほうがよさそうだよな。次はとうとう9階層だし。残りあと2階層で完全クリアーだ。どの程度の願いが叶うんだろうな。


「ひとまず、9階層、見よう」

「そうだな…」


 回復剤をそれぞれ回収すると俺達は9階層へと移動をした。


 9階層に入って最初の感想なんだが、とにかく暑い。今まで暑くも寒くもなかったのにここにきていきなりこれだ。それもそのはず…目の前にはゴウゴウと燃えている火の壁が通路を塞いでいたのだから。


「うへぇ…これどうやって通るんだよ」

「うう…それよりも汗やばいって。これ水分取らないとまずいね」


 たしかに…一応魔法で水は出せるが魔力を消費し続けてしまう。それにさっきからこの暑さに体力も奪われているかもしれない。


「よっすーさあ、ウォーター強化しなかったっけ。それで消えない? これ」

「どうだろうな…『ウォーターフォール』」


 俺がスキルを使うと火の壁の上から水の滝がジャバジャバと流れ出した。一応火を消すことが出来た…んだが、それは一時的なもののようで、少しするとまた火の壁が目の前に現れた。


「ダメみたいだな」

「そうか、残念」


 別の方法でこの火を何とかしないと先へ進むことは出来そうにない。それがわかっただけだった。


 今日はここで引き上げることにして明日水分の持ち込みと回復剤を追加で各自持ってくることに決め解散した。

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