第150話 ボス部屋発見
どうやら健太が紫のスライムを踏みつけてから10分もたっていなかったみたいだ。俺達はこの通路をすでに半分くらい進んでいたようなのでこのまま次に見えている角まで進んでみることにした。紫のスライムは無視して踏まないように気をつけ緑のスライムも襲ってこない限りは放置で進んでいく。
角についたのでリノがそっとその先を覗く。一瞬だけ動きを止めたリノがこちらを振り返った。
「ん…? 行き止まり」
「行き止まり?」
「スライムは、いない、かな」
行き止まりの通路か…スライムがいないのなら罠があるかだけ確認してみたほうがいいだろう。
「じゃあ罠だけ確認して今日は終わりかな」
「そうね、少し疲れたし、それでいいかと」
行き止まりの通路を進み始めた俺達はまず罠に警戒しつつ移動を始めた。そしてそれはすぐ見目に入る。
「扉ね」
「お、ボス部屋かなっ」
通路の行き止まり少し手前の右側の壁に1つの扉があった。ちなみにそこまでに罠はなし。扉自身にも…ぱっと見た感じ罠はなさそう。
「もしボス部屋だとしても全員で入らなければ大丈夫だし、一度あけてみるか…」
「じゃあ、誰が、開ける?」
「はーいはーいっ 俺開けたい!!」
まっさきに健太が手を上げて声を上げた。他には誰も開けたいとは言わない。まあまだ罠がないと決まったわけじゃないから当たり前なんだけど…
「いいけど…すぐに飛び込むなよな?」
「おけーぃ やったね一番のり~」
健太が扉を開け中へ飛び込んだ。俺達はその健太が戻るのを待つ。少しすると健太が戻ってきたので中の様子をたずねることにした。
「どうだった?」
「うん、広くて何もなかったから多分ボス部屋であってると思う」
「やっぱそうか…じゃあここのボスもきっとでっかいスライムだよな…そして7階層だから1階層とは比べられない強さのスライムか…」
「どっちに、しても、今日は、帰ろう?」
「そうだな…」
俺達はスライムの対策を各自準備することと、明日7階層の入口で落ち合う約束をして帰ることにした。ちなみに健太が持ち帰ろうとしたスライムはダンジョンの外というか1階層へ移動したときには魔石だけになっていた。どうやら階層の移動もできないみたいだ。すごい健太は残念がっていたがどうしようもないことだからな。
その日の夜。俺はまた鱗集めに来ていた。いまのところ防御力は問題がないが10階層…そこいいるボスを倒す時にはある程度必要な可能性もある。それを考えると出来るだけ用意しておくほうがいいだろう。
「……」
「…ふぅ 帰るね」
俺の鱗集めを傍で見ていたレイノアールは飽きたのか帰っていた。というかいつも見るだけ見て帰っていくのはなんなんだ。こんなの見ていても面白くないだろうに…
さて、今日のノルマも達成したので俺もここから引き上げることにしよう。明日は7階層のボス戦だ。少し気合を入れておかないとな。
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