第132話 縛り上げる
6階層で俺達は合流をすると昨日話していた健太の作戦を再確認する。みんなに意見を聞いてみたところどうやら他に案が出なかったみたいだ。まあ俺も出なかったんだから仕方が無いだろう。
その作戦に参加するのは俺と健太とリノ、あとミネも一応参加だ。今回はファーナさんは待機だ。
目の前には5階層で使い道がなくなってしまった長いロープのロールがでんとある。今回の作戦に欠かせない存在なのだ。まあ実際はここまで長さは要らないと思うんだけど、必要量を用意するとなるとさらに別に買ってこなければいけなくなるので、長い分には問題だろう。
簡単に説明するとこのロープで鎧たちをまとめて縛って放置するというものなのだが、ばらけられると厄介なのでこのロープを持って走るのはマントを装備した健太だ。後みんなはそのサポートをする。
「んじゃ俺は走るぜっ 後ろは任せたからな!」
「まかせて」
ロープの端を持ちマントを装備した健太が通路の右側を走っていく。その後ろを距離を開けてリノが走っていく。リノの役目は鎧たちによって健太が受ける攻撃を回復するためだ。ロープに巻き込まれないようにその右側を走る。その通路の左側を今度は俺が走っていき、手の届く鎧から順番に剣を持つ手に切りかかる。鎧たちの武器を出来るだけ叩き落すと健太が受けるダメージが減るからだ。その隙を見つつ、ミネが魔法で剣だけを落とそうと努力している。ファーナさんの弓でもいいのだけど、弓だと剣を落とすほどの威力にはならないのでミネにがんばってもらうとしよう。
そうこうしていると健太が全部の鎧を通過し、折り返して今度は通路の左側を走り始めた。それを確認すると俺は一緒にロープに巻き込まれないように後退する。次は俺も回復に参加だ。チラリと健太は鎧の動きを確認しながら走る速度を変えたりしている。ロープでひきすぎて転ばせたら意味がないからだ。ある程度鎧がまとまり始めると健太はロープをくぐり今度はまた右側の通路から鎧のほうへと走っていく。これを3週ほどやると多少隙間はあるけど鎧たちがロープで纏め上げることが出来た。
「ふぅ…こんなところか??」
ロープが解けないように結び付けながら健太がそういった。武器が全部取り上げられてはいるがロープで縛る際全部の鎧の腕を押さえつけられていないので、何匹かが健太を叩いているが大丈夫なんだろうか? まあそれをみこして今回健太の頭装備の防御力を上げることにしてあるのだが、それでも見ていると痛そうではある。
「回復、あまりいらなかった、ね?」
「そうだな」
ちゃんと効果はあったみたいで回復がほとんど使わず済んだみたいだ。
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