第121話 融合魔法の試し撃ち
魔法 《エレメンタルストーム》
4属性の魔法で出来た魔力の嵐を放つ。中範囲だが火力は高め
融合で完成した魔法の結果だ。横から覗いているミネは文字だけ見ても鑑定結果をまだ伝えていないのでやきもきしている。これは強そうな魔法だな。無駄に広範囲じゃないのがいい。広すぎるとみんなも巻き込んじゃうからな。
「で…なんて魔法が出来たのっ」
「ああ、『エレメンタルストーム』だってさ」
近いって…教えるだけなのにそんな近づく必要ないだろう。ちょっとミネは興奮しすぎ。やっぱ魔法をメインにするだけあってよっぽど好きなんだろうな魔法。
「それ知ってるーー!! そうか…『融合』で作る魔法だったんだねっ 通りで全然見かけないと思ったわよ!」
「で、ミネはこれ使うのか?」
「あったりまえじゃないっ 欲しかった魔法の1つだよっ ここで逃したらきっともう手に入らない!!」
俺から奪うようにスクロールを持っていくとミネはすぐに魔法を習得した。
「さあ~試し撃ちよーーっ!」
「試す? じゃあ俺がちょっとフライトフィッシュ集めてくるわ」
「お願いねーっ」
健太が黒いマントをつけると『フライト』をかけ魔物を集めに周辺を飛び回りだした。それを確認すると早速ミネが詠唱に入った。
「基盤たる大地を削りし母なる海よ…」
リノもファーナもミネの詠唱を聞いて発動する魔法を待っている。
「荒れ狂い飛び交う大地を貫きし風よ…」
と言うか俺ももちろん待っているんだが、詠唱がいる魔法は俺持ってないんだよな。だから聞いてても全然よくわからん。
「それらを飲み込みし火の柱よ…」
なんか適当に言葉を並べているだけに思えてきたな…まあ一応属性はそれぞれ入っているみたいだ。
「すべてが1つになり天へと伸びよ…! 健太、こっちへ向かってきてっ」
おいぃ…途中で普通にしゃべんなっ 気が抜けるじゃないか。リノもファーナさんも微妙な顔してる。ミネの声に気がついた健太は言われたように集めたフライトフィッシュを連れてこっちへ向かって来た。
「…今! 『エレメンタルストーム』!!」
ごうっとうねりを上げ大きな水柱が火と雷と石を巻き上げながら天へと伸びた。健太はその熱風にあおられ吹き飛ばされる。その健太を追いかけていたフライトフィッシュ達はその柱に巻きこまれ消えていった。ドロップしたアイテムはすべて海の中へと落ちていく。こりゃ~回収は面倒だな。
「これはすごいわね…今回は海があったから水をベースに詠唱組んだけど、風をベースにすれば多分前方に打てるわね」
なにそれレーザー?狭い通路とか魔物一網打尽じゃないですかね…中々怖い魔法だな。水をベースに詠唱を組むとか言ったけど、どうやら詠唱次第で魔法の出し方が変わるみたいだな。
「これでダンジョンの攻略ははっきり言って楽勝ね!」
それには同意だが、まだ6階層への道が見つかっていないからまだ役には立たないな…っと吹き飛ばされた健太を回収せねば。
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