第104話 これからのこと

 今目の前には俺外に4人がいる。それぞれがそれぞれの意見を言い合い、一緒に行動することについてファーナさんも健太もとりあえず納得はしたらしい。


「よっすーどうやらこのほうがいいみたいだ。それでいいよな?」

「ああ、パーティはそれでいいぞ」

「じゃあこれからのことの話し合いね」


 これからのこと…そうだな、レイノアールのことも心配だがどっちにしても新たにダンジョンに現れた3人に先を越されてしまったらどうしようもない。今はまず先に進むしか手はなさそうだ。ぎりぎり…9階層のボス部屋手前までには解決策を探さないといけないだろうが。


 今回の話し合いはまずはお互いの戦闘方法の確認をした。俺達3人のことは置いておくとして、ミネは前回見たまま魔法特化だそうだ。各種いろんな魔法を覚えているらしい。そしてリノは前に出ているので俺と同じ感じかと思ったのだが、どうやら普通に回復などを行うヒーラーのようだ。小柄なことから避けることや力を逃がすことを得意としており、ミネの盾として前に出ていたのだとか。まあダメージを受けても自前で回復出来る強みもあるからできることなんだろう。

 この2人が入ることで俺達のパーティはかなりバランスがよくなった。前衛の健太と俺、遠距離のファーナさんとミネ、回復のリノ。回復が1人なのが少し不安と言えば不安だが、5人という制限があるらしいからこれが限界なんだろう。まあ杖の力だが少しなら俺も回復出来るし、これでもっと狩りが楽になるに違いないだろう。


「次はこの階層のことね。ボスなんだけど…誰かわかる?」


 ミネの発言に誰もが首を振る。今のところそれっぽいものを見かけたことはない。


「じゃあ海の中にでもいるのかなー?」

「俺達はそうじゃないかって思っているぜ?だけど海の中だと長く入っていられないから厳しくてまだ確認してなんだ」


 そうこればかりはどうしようもない。もしいるとするのなら出てきてくれないと対処のしようもないのだ。


「ふっふっふ…つまり私の出番ってことねっ」


 ミネがなにやら手段があるようで胸を張って少し偉そうな態度をとった。でもそこへすかさずリノの平手が胸に伸びた。


「い、痛い!」

「それはもういいの」


 胸を押さえミネは涙目になっている。流石にその痛みは俺にはわからないが、まあリノはミネの偉そうな態度が気に入らなかったとかなんだろうな…しかたない。


「私がいくわ…ミネ魔法かけて」

「ん?一体何するつもりなんだ…」

「ミネの魔法で、水中を、歩く、のよ」


 何を言ってるんだリノは…歩けても息が続かなければ意味がないだろう?一体それはどうするつもりなんだ。

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