第55話 話し合い
1階層へ戻ると俺は早速見てきたものを2人に話して教えた。
「森…と水溜りですか…」
「ああ、俺達が最初にいた場所は比較的大きい水溜りだったみたいだぞ」
「また広いマップかぁ~…」
ん…どうだろうか。俺は今見てきた3階層の地図を取り出してみる。俺が水溜りから上がって確認しただけのロクに埋まってもいない地図だが…
「あっこっち水溜りですか?」
ファーナさんが指すほうを見ると入り口が一回り以上大きく囲まれていることがわかる。どうやら3階層は水溜りで仕切られた森林ダンジョンのようだ。
「なら魔物が強いとかじゃなければ比較的安全なのか?」
「どう…でしょうね」
「まあ進むか2階層で少しレベルと装備強化の金策かどっちかしかないわけで…あーもういっこあったわ。ダンジョンの探索終了」
「「それだけはない(わ)っ」」
変なとこで意見があう2人だな。ということは明日からどっちにするのかだが。
「3階3階!!」
「一度装備を見直したほうがいいよっ」
これは意見が分かれた。まあ俺はファーナさんに賛成かな。装備を強化していけば魔物と対峙するのも楽になるんだから無駄にはならないし、すぐに3階に行って大丈夫かもしれないがもし厳しかった場合どんなことになるか考えたくもない。
「はいっ装備を1段階強化に決定な」
「なっ?!」
「多数決」
ほっとしたファーナさんとがっくりとした健太。対照的で見ている分には面白いな。どうやら健太は早く新しい魔物にあってみたいんだろう。
「んじゃ宝箱の中身チェックといきますかね」
今回手に入ったものは…まず筒が3つ。後は帽子と腕輪とマント……うん、いやな予感しかしない。
筒は今回全部スキルだった。『スキル《アタックブースト》』これはすでに健太が持っているやつでだぶった。同じものも出るらしい。
『スキル《ソリスト》』いわゆるタイマンってやつらしい。このスキル発動中は誰もその戦いに参加できなくなり、1分ごとに体力が3づつ減っていく。使い道はいまいちわからない。
『スキル《俊足》』まあ足が速くなるスキル。効果時間は1分ほどで歩いたり走ったりする速度が1.5倍になるものだとか。この中では一番あたりだろうか。
「俊足っ俊足欲しい!!」
「ちょっケンタ私もそれいいなと思ったのに~」
「揉めるようなら俺が貰うけど?」
睨みあう健太とファーナさん。軽くため息をつくと俺は鞄からコインを取り出した。1リオンだ。
「ほら投げるぞー2人ともよく見ててよ」
コインを指ではじき空中にあるあいだに両手を前に出しさっとコインを掴んで両方握り締めた。もちろん片方の手には何も入っていない。
「さあどっち?」
「「こっちっ」」
2人はそれぞれ違うほうを選び選んだ。そーっと手を開くとコインが握られていたのは右手で健太が選んだほうだった。
「よっしゃーーーーっ!!」
両手を天に向けて突き出し喜びを表している。そこまで嬉しかったのか…そして残った『アタックブースト』がファーナさん、そして俺は『ソリスト』を貰ったが本当にどう使えばいいんだろうな。
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