第22話 解毒剤
ファーナさんと別れダンジョンを出てからが大変だった。ふらふらと歩く健太を支えつつ外に出ると、一旦健太をその場に下ろし考えた。解毒剤…そんなものは薬局とかで見たことはない。
もう一度ファーナさんの言葉を思い出してみる。「薬は高いから…」と言ってた。つまり解毒剤とは薬だと言うことがわかる。でも薬局には売っていないのだ…
「薬薬…まてよ…?」
チラッとしか見てないから確かじゃないかもだが、たしかマーケットの中にその言葉を見た気がする。それに気がつくと俺は直ぐにタッチパネルを操作しマーケットを呼び出す。
・薬
・武器
・防具
・食品
・雑貨
・買取
…あった!この薬の中にあればいいのだがどうだろう。
・回復薬(小) …50リオン
・回復薬(中) …1000リオン
・回復薬(大) …15000リオン
・解毒剤 …1200リオン
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よかった売ってる…1200リオン。今持ってるアイテムを全部売って足りるといいんだが…リュックを漁りどんどん売っていく。俺の拾ったものとファーナさんから預かったもの…まだ足りない。健太のリュックも漁り売る。
「…くっ1050リオン!あと150足りない…」
周りを見回すが売れるものがない。もう一度ダンジョンに入って少し狩ってくるか…?チラリと健太の様子を見るといつものお調子者な様子が見えず苦しそうだ。顔をしかめ結構汗もかいている。もう一度狩りに行く時間はない…か?
お金になりそうなもの……あそうだ。魔石が部屋に置いてある!急いで階段を駆け上がり魔石を持って戻ってくると直ぐ売って解毒剤を買った。
それを早速健太に飲ませるとひとまず苦しそうな顔がなくなってきた。瓶の中にまだ少しだけ残っていたのでそれを痣にも振りかけておく。気持ち色が薄くなった気がする。
「はああぁぁぁ~~」
ほっとして俺もその場に座ると安堵の息を吐く。そうか毒とかの状態異常もあるのか…やっぱダンジョンは危ないところなんだな。今回これだけ危険な目にあったんだし健太ももうダンジョンに行きたいとか言わなくなるといいのだが…
もしそうなったらファーナさんにはちゃんともう来ないってことだけでも言っておかないといけないな。
そんなことを考えながら俺は健太の様子を眺め続ける。暗くなるまでに起き上がれるようになるといいのだけど…
それにしても今回は本当に肝が冷えた。もう2度とこんなことにならないことを希望したい。健太に対して冷たい態度をよく取っているがそれでもそれでも大切な友人には違いないのだ。もちろん本人にこんなことをはっきりと言うつもりはないけどな。
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