第628話 豪雪の魔王との決着

 ケビンが無事に雪の中から脱出すると、嫁たちがケビンの周りに集まってきた。魔王の相手は10号がしていることから、ケビンの周りにたむろしても邪魔にはならないだろうという判断からだ。


「大丈夫? ケビン君」


「魔法で体を温めたから大丈夫だ」


 ケビンのこの行動もサナからの助言によるものだ。全くもって宝の持ち腐れを連発するケビンはシステムからなじられていたが、無視を決め込んでサナだけに構うと、システムはいじけて仕事に戻るという一幕があった。その後、サナからチクチクと小言を言われたのは、言うまでもないが。


「それにしても、10号の変わりようは凄いな。ドン引きだ」


 そのようなあからさまに引いているケビンに対して、ティナが驚愕の事実を告げる。


「ケビン君も、キレたらあんな感じだよ」


「え"っ……!?」


 過去1度たりとて身に覚えのないケビンは、ティナの発言に対してまじまじとその顔を見つめてしまう。


「ほら、初めてダンジョン都市に行った時に絡まれたじゃない?」


鮮血の傭兵団ブラッドファイターズ?」


 ケビンにとって、ダンジョン都市で絡まれた記憶というのは鮮血の傭兵団ブラッドファイターズしかなかったが、どうやらそれは違うらしい。


「それは2つ目でしょ? 今は亡き月光の騎士団ムーライトナイツのキラッ☆てする人が絡んできた時に、団員たちを斬りまくってたじゃない。ダンジョンの中でも団員を見つけては殺してたし」


 ティナからの説明で『確かにそのような過去もあったなぁ』と思うケビンだったが、それはキレたと言うよりも粛清に近い気がしたので、ティナの発言を否定するも、更なる追い討ちをかけられてしまう。


「今はお嫁さんだけど、元団長のアイナに初めて会った時はボコボコにしてたよね? 完全にキレてたよね? 相手は女の子だったのに」


「うっ……そ、それは……アレだ。そ、そう! 教育のための男女平等パンチというものであって……」


「蹴ったりしてたよね?」


「だ、男女平等キック……」


「キレたよね?」


「…………はい」


 事実をありのままに伝えるティナから追い込まれるケビンは認めるしかなく、珍しくケビンに勝てたことによりティナは満面の笑みを浮かべていた。


 そして、ケビンたちが見守る10号の戦いは終盤も近くなり、立ち上がった10号が見下ろすイエッティは既に虫の息と言える。あとは、トドメを刺すだけのようだ。


 だが、自分たちのボスが殺られようとしている様を見ていたスノーマンたちは、今まで凄惨な光景で足がすくみ動けずにいたが、勇気を振り絞り動き出すと10号に向かって襲いかかろうとした。


「く……来るな……お前たち……」


 イエッティの命令虚しくボスを救おうと動き出したスノーマンたちは、10号によって殺されることとなる。


「鬱陶しい」


 たった一言。そう呟いただけで、走り駆けてきたスノーマンたちは、10号の放った風の刃をその身に受けて、1体、また1体と絶命していく。


「や、やめろおおぉぉぉぉ――っ!」


 そして、それを見ていたケビンがポツリとこぼす。


「これじゃあ、どっちが悪者かわからんな」


「なんか、魔王してるね。あのケビン君」


 そうこぼすティナの言う通りで、改めて見るその現場は、完全に10号が悪役と言っても過言ではないほどの蹂躙が繰り広げられていた。


 だが、そのような時に新たなる局面へと事態は動く。


 未だ動かずに立ちすくんでいるスノーマンたちの中から、まん丸と肥えた1体のスノーマンが現れる。


「ガウガウ!」


「――ッ! ユキミ!? なぜ、ここへ来た!?」


 その様子を見るケビンは首を傾げる。


「ユキミ……? メスなのか? スノーなのに?」


 その疑問に応えたのはティナたちではなく、サナだった。


『マスター、あれはスノーマンのメスで間違いないですね。魔物の命名は人間が行っていますから、こういった不具合も起こるんですよ』


「面倒だな……かと言って、スノーウーマンとか語呂が悪いし、雪女っていう出で立ちでもないしな」


 そう言うケビンが見つめる先には、イエッティの命乞いでもしようとしているのか、跪いて丸くなっているユキミの姿があった。


「…………大福」


『大福ですね』


《大福だわ》


「『《…………》』」


 何とも言えない三者一様のリアクションとなるが、現場は10号のせいで殺伐としたままである。


「殺す……殺す殺す殺す殺す殺す――」


 食べ物の恨みは怖いと言うが、10号にとっては雪の家を壊された恨みは怖いとなっているようで、未だ落ち着く様子がない。


「に……逃げろ、ユキミ……逃げて、群れを維持するんだ……」


「ガウガウ!」


「俺のことはいい……勇者と相対した時点で、どちらかが死ぬ運命だ……」


「ガウぅぅぅぅ」


 丸くなったまま悲しみの視線を向けるユキミ。それを見ているケビンは、いよいよもって10号が悪役に見えてしまった。


「10号、その辺にしとけ。なんか、不憫に思えてきた」


 ケビンがそう言うも、10号の反応は芳しくない。


「あ?」


 首だけを使って傾けつつ後ろを振り向いた10号の瞳は、未だ虚ろのままであったが、その立ち姿は正しくホラーそのものである。


「ってか、怖っ! その首、どうなってんの!? 可動域超えてない!?」


「ああ?」


「目っ、その目っ! いい加減、その目をやめろ! 怖すぎるわ!」


『その目だれの目?』


《10号のでしょ》


『当たり前に返された……ぐすん……』


 ケビンによる必死の説得の裏ではサナが悪ふざけをしているが、10号の怒りは一向に収まらない。仕方なくケビンは、10号を強制回収という名の複製解除をした。


「……ったく、あの見境のなさは誰に似たんだか……」


『マスターです!』

《あなた以外に誰がいるのよ》


「ケビン君だよ」

「ケビン君」

「ケビン君だねー」


「「「「「1号!」」」」」


「あらあら、まあまあ……」


 ケビン全肯定派のサラ以外から総ツッコミを受けてしまったケビンだが、反論しても更に居心地が悪くなると思ったのか、ティナたちを見向きもせずにイエッティの元へ歩いていく。


 そして、虫の息であるイエッティに回復魔法をかけると、イエッティは信じられないものを見るかのような視線で、ケビンをまじまじと見つめていた。


「もう傷は癒えただろ。立て」


 その言葉を受けたイエッティは混乱しつつも、膝に手をつきながら立ち上がった。


「……どういうつもりだ」


 イエッティがそう尋ねてしまうのも無理はない。勇者と魔王が相対すれば、殺し合うのは必然。不倶戴天の敵同士なのに、傷を癒されるという情けをかけられたのだ。どういうつもりかイエッティが尋ねてしまうのも、致し方ないと言える。


 だが、あくまでもそれは勇者と魔王という存在が相対した時だ。今現在、イエッティの前にいるのは勇者ではなく、どちらかと言えば……いや、どちらかと言わなくても、称号が示す通りで魔王なのだ。


 その魔王であるケビンが“面白そうだから”という理由だけで、勇者ごっこをしていることなど、敵であるイエッティが知る由もない。いや、他の魔王に尋ねたところで、魔王が勇者の真似事をするなど誰も予想し得ないだろう。


 その自他称魔王であるケビンは、イエッティの言葉に対してありのままに回答をした。


「10号に殺られるお前らが不憫に見えたからだ。あとは……まぁ、気まぐれだな。やっすい三文芝居を見せられている感じになったし」


「三文芝居だと……?」


「ああ。こっちとしては、襲いかかってきた魔物を撃退して終わりのはずだったんだがな。10号が暴走したせいで、こっちが悪役に見えてしまって仕方がなかったんだよ。まぁ、あれは雪の家を壊したお前のせいでもあるけどな」


 ケビンの口から「こうなったのはお前のせいだ」と暗に告げられ、イエッティは反論しようとするも、そもそも、ケビンたちを襲うように指示したのは自分であり、雪の家を壊したのも自分である。


 反論の余地が見当たらないイエッティは、今度は自分たちの処遇について考えさせられることとなる。


 いくら傷を癒してもらったとは言っても、10号からボコボコにされたことにより、それと同じ存在がケビンを除いてあと9人もいるのだ。生殺与奪は完全に握られていると言っても過言ではない。


「俺たちをどうするつもりだ?」


「巣……? かどうかはわからんが、住んでたところに帰れ」


「なっ――!?」


「次に襲ってきた時は……わかるな?」


 ケビンの下した判断に対して、イエッティは混乱が後を絶たない。このまま無罪放免で帰ってよし、と言われてしまったのだ。混乱に拍車がかかるのも無理はない。


「お前のつがいに感謝するんだな。大福のせいで、だいぶ殺る気が削がれた」


「だいふく……?」 


 ケビンから言われた“つがい”の意味を理解したイエッティは、後方で丸くなっているユキミの姿を目にしたものの、その後に続く“大福”の意味は理解できず、ただ単にユキミの献身で命を拾うことができたのだという結論に至る。


「ああ、それと――」


 まだ何かあるのかとイエッティは身構えてしまうが、ケビンは当然の権利としてそれを主張したのだった。


 それは、倒した魔物を全て頂くというものだ。


 ケビンは魔王の種族制覇こそ情けをかけたことで達成できなかったものの、当初のうるさい魔物を駆逐するという目的を達している。


 だが、嫁たちの目的はそれとは別で、その嫁たちの求めるものは素材収集である。それを達成するために、ケビンは死屍累々と化したスノーマンたちを全て【無限収納】の中に回収したのだ。


 一気に消えてしまった同胞たちの死体を目にしたイエッティは、その光景に対し驚きで目を見開くが、同時にそれを成し遂げた勇者の底知れぬ力に対し戦慄してしまう。


「よし、これでここにはもう用はないな。【携帯ハウス】も回収したし、先に進むか」


 そう言うケビンが2号たちも消してしまうと、その場を嫁たちと立ち去ろうとするが、それを見ていたイエッティから呼び止められる。


「待て」


「何だ? 拾った命を捨てたいのか?」


「違う。見逃してもらうかわりに、せめて情報を渡そう」


「情報?」


 ケビンはイエッティの言う“情報”が、いったいどういったものか検討もつかないが、おおかた他の魔王の情報だろうと予想していた。そして、それは当たることとなる。


「ここは領地持ち魔王の玄関口とも言える場所だ。今回は北にいたから俺が対応したが、南に向かえば別の魔王たちがいる」


「ほうほう」


「そして、ここより西へ向かえば向かうほど、各魔王の力は強くなる」


「西に行くほど強くなって、東に行くほど弱くなるってやつか。まぁ、新参魔王は東にたむろしてたし、西は既に古参の魔王が陣取ってるわけだ」


「そういうことだ。基本的に領土の奪い合いはあるが、領地持ちは古参と考えていい。それに……本来は魔王がこんなに溢れかえっていることはない」


「ん? この状況はお前らにとっても想定外ということか?」


 ケビンは現状況において、裏で暗躍している者たちがいることを知っていたが、そのようなことはおくびにも出さず、いけしゃあしゃあと知らないフリをして情報を引き出そうとしていた。


「当たり前だ。俺とて長年苦労して魔王へと至ったのに、そこら辺の雑魚がそう簡単に魔王に至れるものではない。異常事態ではあるものの、驚異とはなりえんから放置しているだけにすぎん」


「まぁ、配下の奪い合いをするぐらい馬鹿だしなぁ。潰し合ってくれた方がこっちとしては助かるけど」


 そのような感想をこぼしているケビンに対し、イエッティが思いだしたかのようにして口を開いた。


「それと……ここより南西の方角にある魔王の領地で、珍しく世代交代があった」


「世代交代? 子供が親の跡でも継いだのか?」


「それはない……とは言いきれないが、ほとんどない。魔王の子供だからと言って、魔王になれるとは限らない。生まれた子供が強くなるとは限らないからだ」


「ああ、確かに……」


 イエッティからそう言われたケビンは、自身の子供たちのことを想像していた。そのケビンの子供たちは武に長けた者もいれば、知に長けた者もいる。はたまた、ごくごく平凡な子供までいるのだ。ケビンの子供だからと言って、皆が皆、ケビンみたいに規格外な強さを持ってはいないのだ。


「話を戻すが、そういう経緯で子供が跡を継ぐということは稀だ。今回の世代交代は、上位に近いと言われていた中堅の魔王が代替わりしたということだ」


「で、結局のところ、それが何なんだ?」


「まぁ、人間であるお前がわからないのも無理はない。そもそも、魔王とは――」


 そこからイエッティが語っていくのは、勇者が倒していない魔王はどうなっているのかということだった。


 本来は勇者が魔王を倒して世界は平和になりましたというのが、人族が住む界隈で語られている物語だが、実際には倒されていない魔王が存在している。


 魔王とて一個人として生きているので、わざわざ勇者に殺されるためだけに人族の国へ攻め入るというような真似をしないと、イエッティは語る。


 個々の力の差はあれど、基本的には魔王にとって勇者というものは天敵である。あからさまに力の差があれば、勇者を逆に殺すことも可能ではあるのだが、新参魔王みたいに成り立ての魔王だと、まず間違いなく殺されるだろうと言われている。


 新参魔王で仮に勝てたとするのならば、それは勇者が自身の力を過信して傲慢になっていた場合である。


 そして、勇者たちが魔大陸に入り込んで来たとしても、魔大陸の入口付近にいる魔王を倒したら、満足して帰っていくのだとイエッティは語った。


 本当ならその先に、まだ魔王が潜んでいるとは知らずに。


「魔王たちだって多種多様な考えを持つ。人族を滅ぼすのに興味がないといった、魔王らしからぬ者も中には存在するくらいだ。歴代勇者たちが倒していたのは、血の気の多い新参魔王にすぎない」


「つまり……領地持ち魔王ってのは、勇者に倒されず生き延びている魔王たちのことなのか?」


「そういうことだ。そして、生きた年月が長い者たちほど、その年月分、力を蓄えていて強い。何故なら、魔王は魔王同士で戦っているからな」


「常に戦国時代ってことか……そりゃ、長生きした分、強くなっているよな」


「そう。そこでだ、さっきの代替わりの話になるが、これが討ち倒されたのなら納得もする。その魔王は死んで、領地は攻め入った魔王のものになり、その魔王の領地が拡大するからな」


「そうならず、代替わりした……」


「そうだ。上位に近い中堅と言えば、まず間違いなく勇者でも戦いは厳しい。長年研鑽を積んで戦い慣れした勇者ならわからないが……勇者とは、召喚されて数年もしないうちに魔王討伐に出るだろ?」


「だいたいそうだな」


「その勇者でも勝つことが厳しい中堅魔王の代替わりだ。その代替わりは、子供が跡を継いだわけではないと聞いている」


「ん? 誰にだ?」


「密偵だ」


「……え?」


「自領がいつ狙われるかわからないのが、領地持ち魔王の悩みだ。各地に密偵を放つぐらいするだろう。人族は違うのか?」


 いよいよもってケビンは、魔王たちの生活が人族国家と何ら変わりはないことを知ってしまう。各地に密偵を放つなど、戦争に備えている国家と同じだからだ。


 ちなみに、ケビン自身は密偵を各地に放ってはいない。それは、帝国に隣接するのが、同盟国であるアリシテア王国とミナーヴァ魔導王国だからだ。他国を経由して帝国へ攻め入るなど、為政者なら建設的ではないことくらいわかってしまう。


 だが、たとえ建設的ではなくとも、セレスティア皇国を牛耳るフィリア教団は過去に宣戦布告をしたり、暗殺者や勇者を送り込んだりとしているのだが、どれも失敗に終わっている。


「とにかくだ、そこの領地だけは避けた方がいい。今まで君臨していた魔王を降して、その座に就いたのだ。明らかに別格の強さを持っていると予想している」


「とは言ってもなぁ……領地の配置関係とか知らないし、何か目印はないのか? 『ここから先は誰々の領地です』みたいなやつは」


「それなら、見た目でわかるだろう。その領地を治めるのは魔狼族だ。狼が二足歩行している姿を想像すればいい」


「狼男か? これまたファンタジーな種族だな。満月の夜に出会わないようにしないと」


「奴らはスピードが種族特性だ。直接戦ったことはないが、相当な速さらしい」


「他には?」


「これは嘘か本当かわからないが、魔狼族の魔王は肉体が変化するらしい。本来、その脚力と強靭な爪や牙で戦う種族だが、その魔王は爪がいきなり伸びたり、剣になったりするそうだ」


「肉体が変化……? 爪が伸びたり、剣になる……」


 ケビンはイエッティからの情報により、ふと思い出してしまう。


(確か……殺人勇者って【変身】のスキル持ちだよな? 腕を剣に変えてドウェイン枢機卿を殺したって……え? てことは、あいつ狼男に負けて能力を奪われたのか!? 確か相手の能力を奪う系に【強欲】があった気がする。それで、その【強欲】の狼男が今代魔王を倒して、新たに魔王の座に就いたってことか!)


 名探偵ケビンがそのような結論に至ると、先行き不安になり頭を抱えてしまった。


(よりにもよって、敵に能力を奪われるなよ……どうせ死ぬならそこらの魔物に殺されていれば良かったのに……あぁ、面倒くせぇ……)


 殺人勇者の能力はソフィーリアが特別に与えたものであり、それを下界の魔王が奪ったとなれば、ケビンにとってはとても面倒なことこの上ない。


(これは殺しに行って、【変身】を俺の【強欲】で奪うか? あいつの称号の力なんて使いたくないんだけどなぁ……でもなぁ、このまま放っておいて、後々に人族社会に攻め込まれても困るしなぁ……仮に相手が【強欲】を持っていたとしたら、際限なく強くなるだろうし……)


 うんうんと唸るケビンは、考えごとに耽るあまりイエッティのことなど忘れてしまい、立ち尽くしているイエッティはサラによって他に情報がないか問いただされ、それが終わるとサラから帰ってよしと言われ、微妙な顔をしつつも同胞たちを引き連れて帰っていくのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る