第276話 ティナとニーナ
ケビンが何も知らず国王たちのところから戻ってくると、ティナとニーナの様子があからさまにおかしくなっているのだが、特に険悪な空気でもなく問題はないとしてケビンはそっとしておくのであった。
そして、ケビンが指輪の件を国王たちへ承諾してもらったことを報告して、食堂にて夕食を食べることになる。
そのあとは、みんなでお風呂へと入り何事もなく自室へと散らばって行く中、ティナとニーナは通路に残っていた。
「行くわよ、ニーナ」
「うぅ……恥ずかしい」
ケビンの寝室に今から突撃しようと目論んでいるティナとニーナは、手を繋いでお互いの緊張を和らげて心の準備をしている。そして、ソフィーリアは事情を知っているため自室にそそくさと引っ込んでいた。
ケビンは入浴時に妙な空気を感じつつも風呂から上がると自室へと戻り、そのままソフィーリアが来るのを待っていたが、部屋へと現れたのはティナとニーナである。
最近はソフィーリアとばかり寝てしまっていたので、寂しく思わせてしまったかなとケビンは反省するのだが、いつもと違う雰囲気のティナから伝えられた内容に度肝を抜かれるのだった。
「ケビン君……私たちを抱いて……」
ティナとニーナは緊張からか、2人で手を繋いだままでその手は僅かに震えている。ニーナに至ってはまともにケビンの顔が見れず俯いていた。
とりあえず話を聞こうとしたケビンはベッドに座り直すと、ドアのところで立ったままだった2人を呼んだ。
「とりあえず、何故そうなったか聞かせてくれる?」
「今日、ケビン君が出かけたあとにみんなで話し合ったの」
「それで?」
「ソフィさんは指輪を受け取ったあとに抱いてもらっているのに、私たちはまだ抱いてもらってないから、ケビン君が誘ってくれないなら自分たちから行こうって」
「うーん……ソフィの時は結婚式とかなかったからね、他の人は結婚式をするだろ? だから結婚式を挙げて結婚してからになるかなって俺の中では思ってたんだけど」
「ソフィさんと一緒で、指輪と言葉を貰ってそれを受けたんだから結婚したも同然よ」
「まぁ、そう言われてしまえばそうだけどね。で、どうして2人一緒なの?」
「みんなと話し合った結果、婚約した順番に抱いてもらおうってなったの。それで、私とティナは同時でしょ? 出会ったのも一緒だし。それなら初夜も一緒にしようってなったの。ニーナが恥ずかしがり屋だから1人だと参っちゃうかなって」
「そういうことか……」
自分の出かけた後にそんな話し合いがあったのかと思ったが、帰ってきてからの2人の様子を見ていたのでなるほどと納得できる部分もあった上に、風呂上がりなんかは顕著に様子がおかしかったのだ。
これから抱いてもらうために部屋へ訪れようと思っていたのならば、2人とも緊張していたに違いないし、しいては初夜である。緊張しない方がおかしいとケビンは自己完結する。
「ダメ……かな? ケビン君が嫌なら私たちは部屋に帰るから……」
未だに手を繋いだままの2人はギュッと握りしめて、ケビンからの言葉を待っていた。
「ダメじゃないよ。それに俺だって早くみんなを抱きたいと思ってたんだ。結婚式なんてもどかしいもの先に決めるんじゃなかったって」
「本当?」
「ああ、先に結婚指輪を贈って抱いた後に、みんなと話してから結婚式を挙げれば良かったって後悔したくらいだよ」
「あの時は帰ってきて早々結婚式を挙げるって聞いたからビックリしたのよ?」
「あれは思い立ったからその場で陛下に伝えたんだよ。いつまでも婚約者のままにしておけないから」
「ありがとう……私、嬉しかったよ」
「私も……嬉しかった」
「それじゃあ改めて、2人を抱かせて欲しい」
「優しくしてね」
「お願いします」
ケビンは2人へそれぞれキスをすると、ティナがある提案をしてくる。
「先にニーナを抱いて」
「どうしたの?」
「ずっと恥ずかしくて緊張しているから、早くケビン君の温もりで包んであげて」
「ティナ……」
ティナからの思わぬ提案にニーナは優しさを感じ取り、ケビンもそれに応えることにした。
「わかった」
ケビンはティナへキスをするとそのままニーナへもキスをして、ニーナの大人しめなネグリジェを脱がしていく。
「ニーナ、綺麗だよ」
「ケビン君……」
そのままケビンはニーナを寝かせるように押し倒し、優しくキスをするとニーナの胸へと手を伸ばす。
「ん……」
ニーナの柔らかい膨らみにケビンの手が沈み込み、ケビンは優しく愛撫を続けてニーナの緊張をほぐしていき、ニーナの潤んだ瞳がケビンの視界に入ると優しくキスをして頭を撫でる。
「ケビン君……愛してる……」
「俺もだよ。愛してるよ、ニーナ」
「我慢しなくていいよ……いっぱい愛して」
ケビンは言葉の代わりにキスをすると、再びニーナの胸へと手を伸ばして左右の膨らみの形を変えていき、ケビンは優しく愛撫を続けていく。
ケビンの優しさに包まれながらニーナの体が小刻みに震えて達していると、ケビンはそのまま続けていくのだった。
「ッ! ダ、ダメ! 待って……今、イッたばかり……だか……らあっ!」
ニーナの懇願虚しくケビンは続けるのをやめず、ニーナの快感が最高潮に達するとその体をビクンっと跳ねさせた。
ケビンは荒く呼吸を繰り返すニーナに優しく声をかける。
「ニーナ」
「はぁはぁ……お姉ちゃん待ってって言ったのに……」
「ニーナが可愛すぎるのがいけない。待てるはずないだろ? それに我慢しなくていいんだろ?」
ケビンの言葉でニーナは「我慢しなくていいよ」と言ってしまった過去の自分を少しだけ責めて後悔するのである。
今までのちょっとしたエッチなまぐわいより、今日この日は初夜を迎えるとあってニーナ自身も気持ちが昂っており、いつもより余計に感じやすくなっているのだ。
「いくよ?」
「きて……私の初めてを貰ってください」
そしてケビンは少しずつニーナの中に自身のものを埋めていくのであった。
「んっ……」
ニーナが痛みを感じたのか少し声を漏らしてしまい、ケビンはニーナの気を紛らわせるためにキスをすると、ニーナは自ら口を開けてケビンの舌を迎え入れるのだった。
「んん……」
そして、ニーナがキスで舌を絡めるのに夢中になっていると、ケビンが糸を引きながら唇を離してニーナへと伝える。
「全部入ったよ」
その言葉を聞いたニーナはお腹の中に何かが入っていることを確かに感じとると、瞳に涙を浮かべて雫をこぼし始める。
「……うれ……しい……やっとケビン君と1つになれた……」
「長く待たせてごめんね」
「ううん、いいの。ケビン君が大事にしてくれてるって感じていたから。私こそごめんね、ケビン君が1番辛い時に一緒にいてあげられなかった」
「そんなことないよ」
「だからね、今は私の体を使っていっぱい気持ちよくなって癒されて欲しいの。もう痛みもないから、ね? ケビン君が満足するまで何回でもしていいよ。私の体にケビン君を刻み込んで」
ケビンはニーナの言葉へ応えるために、ゆっくりと腰を動かし始める。
「気持ちいいよ、ケビン君……」
「俺もだよ、ニーナ」
ニーナの体がビクッと跳ねて先に絶頂へと至るが、ケビンはやめることなくニーナの体へ自身を打ちつけていく。
「出すよ、ニーナ」
「きて……最後は一緒に……」
ビクビクと痙攣するニーナの中にドクドクと脈打つかのように、ケビンは想いを吐き出していく。
ケビンは優しくニーナの頭を撫でるとキスをして、後ろに控えているティナへ体を向けるのだが、そこには待ちきれなかったのか自ら自慰にふけっているティナの姿があった。
ケビンが見てるというのにティナは行為にふけるあまり全く気づかず、絶頂へと辿りつくために快感に溺れている。
「ティナ?」
「ッ!」
ケビンから名前を呼ばれてようやく見られていたことに気づいたのだが、自身の行為に言い訳をして否定するどころか、蕩けた顔で行為を続けながらケビンを見つめ返すとその口を開いた。
「ケビンくん……ニーナの見てたら疼いてきて……お願い……我慢できないの……」
「ティナは本当に変態だね、見られてるのに手を止めないなんて」
「変態でもいいの……ケビン君が欲しい……」
「じゃあ、昔みたくお願いしてみて」
ケビンは扇情的なティナの姿に性欲を掻き立てられると同時にSっ気が出てしまい、ティナをよりエロく仕立てあげていくのである。
それはひとえに、ティナの持つ【エロテロリスト】という称号が仕事をしているのと、ケビンが持っている隠れSという特性が生み出した夢のコラボであった。
ティナは羞恥心など既になくなっているようでショーツに手をかけると、ケビンを挑発するような脱ぎ方をして誘惑をしだすのである。
ケビンはお願いしてくるティナの中に自身のものを突き入れると、ティナがそれだけで絶頂してしまった。
「ああぁぁっ――!」
「入れただけなのにイッたの?」
ティナが入れただけでビクンっと体を跳ねさせて達したこともそうだが、ケビンは痛くなかったのかな? とふと疑問に思ってしまった。
「大丈夫? 痛くない?」
「大丈夫だよ、やっとケビン君に初めてをあげれた。本当はニーナみたいにムードあるエッチをしたかったけど、私じゃダメみたい。我慢できずにムードよりも快楽を求めちゃった。ごめんね、こんな変態なお姉さんで」
「そんなことないよ。エッチなティナは好きだし、それをもっとエッチにするのが好きだから」
「久々にケビン君のSっ気が出たよね。さ、続きしよ? 今まで抱けなかった分までいっぱい愛して」
「ああ、愛してるよ、ティナ」
「私も世界で1番ケビン君を愛してるよ」
ケビンはティナが痛くないということなので、最初からペースを上げていく。
「気持ちいいよ、ケビンくん……もっと、もっとして……」
ティナの要望に応えるべくケビンは頑張りながら、その動きに合わせてプルンプルン揺れている嫁たちの中でも一際大きい胸を鷲掴みにする。
「いいよ……もっと激しく……めちゃくちゃにして」
ティナが絶頂してもケビンは動きを止めず、ひたすらにティナを攻め立てていく。
やがてケビンはその想いをぶつけるかのように、ティナへと吐き出していく。
一際大きくティナが体を跳ねさせるとビクビクと痙攣を繰り返して、だらしなく開かれた口からは涎を垂れ流していた。
最後の1滴まで搾り取ろうとするティナの最奥でケビンは余韻に浸るが、ティナはそれに反応を示せるほどの余力は残っていない。
「あ……あ……」
「やり過ぎたかな……?」
ケビンはたった今終わらせたティナもそうだが、先に終わらせたニーナを見てもまだ回復しておらず、今日はこれで終わりかなと回数をこなすのを諦めてそのまま眠りにつくのであった。
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