第2話
それはボクが学校から帰っているところだった。
「もしあいつらが静かだったら」
こんな考え、いや声が浮かんだ。
そうだね。もっと静かだったら、授業に集中できるのに。
という感じで頭の中で、その声に返事してしまった。
まだここまでは可愛いのだが、
「あいつらがいなければ」
「あいつらを殺せたら」
「ナイフを手に入れることができれば」
と内容がエスカレートしていったのだ。
それにもボクは返事をしてしまった。
危うくボクは、近所の店で買ったナイフでクラスメイトを刺してしまうところだった。
ボクは近所の店へ足を向けたときに、頭の中に絶叫が響いた。思わず耳を塞ぎ、目を見開いた。
振り返ると、黒い獣のような怪物が、少年に短刀で刺されていた。
その少年は月白…薄い青みをおびた白色の髪の色が印象的だった。
肩出しのTシャツから垣間見れる白い肌は、男であるボクでも惚れ惚れする美しさだった。
白い肌に赤い血でさえも映えていた。
少年は短刀を引き抜くと、黒い獣が少年の方へ向く。
少年は短刀を投げ、黒い獣の片目へ投げると、思いっきり命中した。
少年は腰につけた日本刀を取ろうとした時に、黒い獣が一気に少年へ噛み付こうとした。
「危ない!!! 」
ボクは思わず叫んだが、少し遅かった。
少年は長い前髪からもわかる驚いた表情をすると、黒い獣を蹴り上げた。
少年の右足は軽く噛まれてしまい、右足から血があふれていた。
少年は日本刀をとると、黒い獣を思いっきり刺した。
黒い獣は絶叫をあげると、粉塵となり消えてしまった。
短刀がカランという音を立てて落ちた。
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