遅れて来たあの日の幸せ

冴えないオタク

とある誕生日の一幕


「おい、英梨々起きろって」

「うーん、何よ倫也」

「なにって、もう12時だぞ」

「えっ、嘘」

「ほら」

「って言うか、締め切りもっと前だったはずだろ.....」

「作家が締め切りを伸ばすのに理由なんてないのよ!」

「お前ホント成長しないなぁ!絵は上手くなってるが」

「どうする?今日は出掛けるのやめとくか?」

「それは嫌。もういっかー今日は。」

「絶対謝っておけよ。あと準備して来てくれ。」

「うん」

今日は私の誕生日。

にも関わらず締め切りを伸ばしに伸ばしてしまい、作業していたところ寝てしまった訳だ。

ただ、私にだってこだわりはある。締め切りを伸ばすのに理由なんて無い!

まあそんなこんなで色々考えていると準備が完了した。


「どう?」

「なっ何よマジマジと見て。」

「いや、なんか英梨々が綺麗にしてるの久しぶりに見たから。」

「本当のことではあるけど、イラッとするわね。それで感想は?」

「うん可愛いよ。うーん、にしても親と服の趣味も似るのか?若く見えるからいいけど、高校のときとほぼ同じ格好な気が......」

さらっとウチのママのセンスをディスったわね。

「それは何を買えばいいのか分からなくて、結局似たようなのを買ってしまうと言うか......」

「それに恵も着れるうちにこう言う服着たほうがいいって言うから。」

「うーん、なんて言うか似合ってるから、いいと思うぞ」

「そ、そう」



「で結局来たのは池袋かよっ!」

「仕方ないでしょ、ここのところ締め切りに追われる毎日だったんだから」

「この前ア◯ゾンの箱めっちゃ来てたけど!」

「気にしない、気にしない〜♫」

「服とか買わなくていいのか?」

「買ってもいいんだけど、どうせそんなに着ないし。倫也はどうしてもって言うなら考えなくもないけど。」

「どうしてもだ」

「ふーん」



「金髪ヒロインのモデルーー!」

「あんたその為にわざわざ服を買いに行こうなんて言ってたのね。最悪」

「現実に金髪の知り合いなんて居ないんだから仕方ないだろ。

「それに......今回はメインヒロインなんだ。

なんだかんだ金髪ヒロインをメインヒロインにして創作するのは初めてだろ、

やっぱりいつも以上気合いが入るだろ。」

「ま、まあそうね。」

「と言うことで、これから色んなパターンの服着てもらうぞ」

「あー、やっぱり若干イラっとする」



「疲れたー」

「いやー、今日はありがとうな」

「うん、それはいいとして、こんなに買っても絶対着ないわよ。」

「それは......これから着る機会作って行こうぜ。二人でしたいこと俺は沢山あるからさ」

「私だってあるわよ」




締め切りを伸ばすのに理由なんてないんやで。

はい、すいません。英梨々の誕生日から尋常なく遅れてしまいました。

今回は幸せな日々的なコンセプトなので、ほとんど会話劇となっています。

もしかしたら、地の文多めにしてあげるかもしれないです。(可能性低)







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