第6話 遠足①
入学式を経て1ヶ月待ちに待った第一のイベント。
そうそれは……。
「なんでなんだ〜!」
「
「まぁ良いじゃね〜か、
今
そう、
「なんで、なんでよ〜」
「
「辞めとけ、余計に面倒な事になるぞ」
『もちろん、バスの中で「変だな」って思ったし遠足のしおりにも持ち物の所に着替えとジャージって書いてあったから「変だな」って思ってたし』
しかも、聞き覚えがある寺でもあった。
特に
何故か……それはあの
それを証拠に大和家の家紋が寺の建物至る所にあるからで。
☆☆☆
「さて、今日はお寺の住職さんにお世話になりますので、みんなはちゃんと従ってね〜」
そう言い残して
結構適当なって言うか放任主義な所がある先生だと、この1ヶ月で
「それじゃ〜男子は薪と野菜運びで、女子は食器運びな〜」
「「はーい」」
「あ、
『うわっ! 何も皆がまだいる時に呼ばなくても……』
「またかよ」、「いいよな〜優等生は」、「あいつらの分はなしで良くね」、などと言った声が聞こえてきた。
入学してから1ヶ月……何も変わらない。
『なんで……こうなるの』
相変わらず、自分の事となると全く反応しない
そんな
☆☆☆
住職に呼ばれた
そこには、何も無く襖で四方を囲った畳の部屋だった。
ただ、あまり雰囲気の良い部屋で無いことは間違いなかったのだけど、今の
ちなみに、
「それで、何の用ですか?」
「あ〜すまないね、用があったのは
『
「前置きはどうでも良い! 要件を話せ!」
「……」
住職が黙り込む……。
「おい!」
『なんか、ここ嫌……段々息が詰まってくる』
「おい、
「な……つ……ここ――は、だ……め」
そして、
その魔法陣は、
そして、更に天井には呪術結界……術師以外の者、ある一定霊力を封じる呪術だった。
「やはり、そうでしたか……王よ、いや神よ!」
「お前は、本物の住職でないな!」
「今更ですか、やはりまだまだ雛ですね」
噂では聞いた事があった……あの
その宗教組織を『双世界』と呼ばれている。
その信者だろう。
『このままだと
「……な、つ……はな……れて――」
「何言ってんだ! こんな状態の
「お……ね……がい」
「変だと思ったんですよね、この部屋には魔力を持つものが入ると不快に感じる様な魔術を施していた、なのに
「……」
「私は気づいてしまったのですよ、本当は
『あはは、流石にもう限界、これ以上は抑えられない……ごめんね
「我……主……として……命じる、我を……守り……救いたまえ! いでよバハムート!」
「おー、素晴らしい! 素晴らしいぞ!」
そうする事で多少は魔力をバハムートに持って行かれ、少しは身体が楽になると思ったからだ。
だけど、
それだけは、避けなければ。
「バハムート! 我が敵を滅せよ!」
双世界の信者は、跡形もなく消え去った。
そして、縛っていた呪術結界が解けたのだけど……魔法陣の方が何故か消えていない。
まだ、何処かに術者がいる。
「バハムート、術者を探して!」
命じられバハムートは、空高く飛びたった。
『胸が苦しい……身体が熱を帯びて熱い、息苦しい』
「
「あ〜、だけど……今の
「大丈夫よ、それくらい! 絶対、
「分かった……絶対だぞ!」
『とは、言ったものの……』
「やっぱ、辛いな〜」
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