君のそばにいたい
やまやま
第1話 兄弟
「ん、もう朝か。」
僕こと倉橋 健(くらはし けん)はそう言って起きようとする。だが、ぶっちゃけて言うとまだ眠い。時刻を確認すると、まだ六時ぐらい。まだ寝ていられる。
「さよなら世界また会おう。」
そして再び寝ようとした時、
「いや、起きようよ。」
と、僕の眠りをさまたげようとする声が聞こえた。この声の主を僕は知っている。
「もう少しだけ寝かせてくれよ、美雪(みゆき)」
声の主は倉橋 美雪、僕の妹だ。
「ダメ、そうやって健はいつも二度寝をしていつも学校に遅刻してるでしょ」
「うぐ、たしかにそうだけど」
美雪に本当のことを言われて何も言い返せない。
「って言うかお前僕のことはお兄ちゃんと呼べとあれほど言っただろ」
「いいじゃん別に。それが癖になっちゃったんだから」
そう妹の美雪は何故か僕のことを兄と呼ばず、健と僕の名前で呼んでくる。
「それに今更私が健の事お兄ちゃんと呼んでも変でしょ」
「たしかにそれもそうだな」
たしかに、美雪がいきなり僕のことをお兄ちゃんと呼んできても違和感が半端ないしな。
「お〜い美雪〜いつまで兄さん起こしに言ってるんだ〜」
っと僕の家中に声が響き渡る。
「ごめんお兄ちゃん今行くよ〜それじゃ~健、朝食の準備できてるから早く降りてきてね〜」
「はいはい」
今日も大変な一日になりそうだなと思った健さんでした。
「よう、兄さん。相変わらずねぼすけですね〜」
「さらりと自分の兄をディスルのやめろ紫雷(しらい)」
朝起きて僕をディスってきたのは弟の紫雷だった。
「でも、お兄さんが言っていることも間違ってはないよ」
なんと、美雪まで紫雷の味方をしてきた。一体僕の味方はどこへ行ってしまったんだろう?
「これから直していくよ。ところで、どうして僕の朝食がないんだ?」
そう、なんとそこに僕の朝食がなかったのだ。
「あれ?ちゃんと健のぶんはちゃんと作ったのに、何でないんだろう?紫雷お兄さんは何か知ってる?」
「い、いや別になんにも知らないぞ〜ハ、ハ、ハ〜じゃあ俺学校の準備してくるから」
「絶対にお前食っただろ!」
「お〜に〜い〜さ〜ん」
「う、悪かったよ」
その後、紫雷は美雪にこっぴどく叱られましたとさ。
「いや〜やっと明日から春休みだよな〜」
登校中、紫雷が突然話題を出してきた。
「そうだね〜でも、紫雷お兄さんはいつも宿題を最終日にまとめてやっちゃうからね〜」
確かに、と僕は思った。紫雷は決して頭が悪いわけではない。だが、めんどいことを後回しにするという癖を持っている。
「そうだぞ、紫雷お前はめんどくさい事を後回しにするんだから気をつけろよ」
「兄さんには言われたくないな」
と、紫雷に言われた
「たしかに健もあとまわしにするしね〜」
そして美雪にも言われた。なんか、泣きたくなってきた。なんで僕こんなに虐められてるの…?
「まぁ早いところ終わらせなさいって話よ」
「わかってるって」
っと言っても僕はほとんど最終日前までには終わってるため一番心配なのは紫雷の方だそう思っていると学校についた
「じゃあまた後でな〜」
「は〜い」
「またね~兄さん」
そうして僕は自分の教室に入った。
そして放課後…
「やっと学校が終わった〜」
僕はそんな事を口にしながら帰路を辿っていると
「に、兄さん…」
その時、紫雷が顔を青ざめながらこう言ってきた…
「美雪が…倒れた…」
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