第22話 超ショート どこまで知ってるの?

「あんたどこまで知ってんの?」


咲姫が聞いてきた。


「そんなに知らないよ」


「いいから知ってること言ってみてよ」


「樹奈とふたりで温泉に行ったってことくらい」


「どこに行ったとか知ってるの」


「そこまでは知らない」


「本当かなあ」


「舞衣にばれるとあとがめんどくさいからなあ」


「だったら舞衣も誘えば良かったじゃない」


「だってあの子少食でしょ。いっぱい食べる樹奈と行ったほうが楽しいんだもん」


「でもあんたたちの関係なら、ひとりだけ仲間はずれにしたら険悪になることなんて、子供でも分かるじゃない」


「それはそうなんだけどね」


「もう取り返しつかないんじゃない」


「どうしよう。悪気があったわけじゃないんだけどね。行った温泉は夕食は食べ放題だったから、純粋に食べることの楽しみを優先したとかなんだけど」


「それは言い訳にならないとおもうんだよなぁ」


「仲間はずれにしたんじゃないって言ってくんないかなあ」


「巻き込まないでよ」


「お願い」


後悔後に立たずとは良く言ったものだと思った。



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