所詮は・・・

勝利だギューちゃん

第1話

体調が思わしくないので、学校を休んで病院に行った。

予約はしておいた。

待たされるのは、嫌なので・・・


でも、予約した時間から2時間も待たされた。

それよりも、1時間程早く着いたので、それを含めると3時間。


でも、診察時間は数分。

なぜ、数分しかないのに、2時間も待たされるんだ?

答えはひとつ・・・

医者が遅れてくるからだ・・・


病気を診てもらいに来たのに、余計に悪くなる。


で、ようやく俺の番が来た。

医者は真剣になる。


「盲腸ですね」

「盲腸ですか?」

「はい」

大変だ・・・


「手術ですか?」

「いいえ、あなたの場合は、注射で散らす事が出来ます」

安心した。


で、病院のロビーに出る。


受付の待つ間、ソファに腰を下ろす。


ん?下に何か落ちてる・・・

CD?


「あっ、それ私の」

見上げると女子がいた。


同じ学校の制服・・・

見た事あるな・・・誰だっけ?


「ありがとう。拾ってくれて」

「いいえ」

女子が声をかけてきた。


「君も具合悪いの?」

「うん。盲腸。散らして来た」

「そうなんだ・・・」

女子は、まじまじと俺の顔を見る。


「ねえ、質問していい?」

「手短に」

「私の名前は?」

「知らん」

女子は落胆していた。


その後、その女子とは見かける事はあっても、

話す事は、一度もなかった。

そう、卒業まで・・・


もちろん、その後も会っていない。


当たり前だが、病院での出会いをきっかけに仲良しだなんて、

所詮は、フィクションの世界なのだ・・・


でも、なぜか怒っているようだ。

俺、何かした?

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所詮は・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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